早期流産の原因や症状は?先輩ママの体験談も【産婦人科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/02/21
早期流産の原因や症状は?先輩ママの体験談も【産婦人科医監修】
監修
小川隆吉先生
小川クリニック院長

妊娠がわかった喜びもつかの間、早期に流産してしまうのはとてもつらいですね。「もっと安静にしていれば……」と思っている人がいるかもしれませんが、早期流産の多くは赤ちゃん側に原因があることがほとんどです。今回は早期流産について解説します。

早期流産とは?

赤ちゃんがおなかの中から出て、生存できるギリギリのラインは、妊娠22週とされています。このため、妊娠22週未満に胎児が亡くなってしまったり、母体から外に出てしまったりすることを「流産」といいます。
「早期流産(もしくは初期流産)」とは、妊娠12週未満の流産のことをいいます。妊娠12週以降22週未満の流産は「後期流産」になります。

流産の頻度は、医療機関で確認された妊娠の約15%といわれています。そのうちの9割以上が、妊娠12週未満の早期に起こっています。ですから早期流産は、決してめずらしいことではありません。

正常な妊娠の場合、まず子宮のなかに胎嚢(たいのう・赤ちゃんが入っている袋)を確認できます。続いて、胎嚢のなかに赤ちゃんが認められ、同時に赤ちゃんの心拍も確認されるようになります。ところが、なんらかの原因によって赤ちゃんの心拍が止まり、それ以上成長できなくなってしまうと、妊娠を終わらせるために子宮が収縮します。自然に子宮口が開き、赤ちゃんはとどまることができず、胎盤のもとになる組織などとともに体の外に出てしまいます。

早期流産の種類と兆候や症状

早期流産の診断では、必ず超音波検査を行います。また、内診で子宮口の開き具合や、出血の状態なども確認します。

流産は、妊婦さんの症状や子宮の中の状態によって、次の4つに分類されます。

●稽留(けいりゅう)流産

赤ちゃんは亡くなったまま、子宮の中にとどまっている状態です。妊婦さんに出血や下腹部痛などの自覚症状がない(まれに少量の出血があることも)ため、健診などではじめて診断されることがほとんどです。子宮口は閉じていて、超音波検査で胎嚢は確認できるのに赤ちゃんの姿や心拍は確認できなかったり、赤ちゃんの姿は確認できても心拍は確認できなかったりします。

●進行流産

赤ちゃんや胎盤のもとになる組織などは、まだ子宮の中にとどまっていますが、流産が進行している状態です。子宮口は開いていて、出血や周期的な強い下腹部の痛みがあります。超音波検査をすると胎嚢は確認できるのに赤ちゃんの姿を確認できなかったり、赤ちゃんの姿は確認できても心拍は確認できなかったりします。
進行流産が起こったあとは、不全流産か完全流産に移行します。

●不全流産

流産が進行し、赤ちゃんや胎盤のもとになる組織の一部が子宮の外に出てしまった状態です。子宮口は開いて、出血や下腹部の痛みが持続します。
超音波検査をすると胎嚢は確認できるのに赤ちゃんの姿を確認できなかったり、赤ちゃんの姿は確認できても心拍は確認できなかったりします。

●完全流産

流産が進行した結果、赤ちゃんや胎盤のもとになる組織などがすべて子宮の外に出てしまった状態です。子宮口は開き、出血や下腹部の痛みがありましたが、すでに子宮口は閉じて、痛みも軽くなっています。超音波検査をすると胎嚢も赤ちゃんの姿も確認できません。

早期流産が起こる時期は?

早期流産は妊娠12週未満に起こりますが、一概に〇週が起こりやすいとはいえません。妊娠8~9週になり、安定した心拍が確認できるようになれば、早期流産の可能性はかなり低くなります。

早期流産の原因は?

早期流産の原因は胎児側にあることが多く、最も多いのは染色体異常です。つまり、流産の大半は、もともと育つことが難しい受精卵だったということです。

また、流産は妊婦さんが高齢になるにつれて、発生頻度が高くなります。35歳以上の妊娠になると、胎児の染色体異常が増えるというデータがあり、35~39歳での流産率は約20%、40歳以上では40%を超えるとされています。

母体側の早期流産の原因としては、子宮奇形、子宮筋腫などの子宮のトラブルや、免疫的な因子、血液の凝固障害などがあります。

早期流産の治療は?

完全流産の場合は、とくに治療をする必要はなく、経過観察になります。

稽留流産、進行流産、不全流産の場合、子宮の中に赤ちゃんや胎盤のもとになる組織などがいつまでもとどまっていると、感染症にかかったりするおそれがあります。そのため、それらを取り出す「手術(子宮内容除去術)」を行うか、自然に出てくるのを待つ「待機療法」を行います。待機療法のメリットは、経済的な負担が少ないことですが、まれに子宮内に内容物が残ってしまうことがあり、その場合は予定外の入院や、結局は子宮内容除去術が必要になる可能性があります。

どちらの治療を行うかは、ママの気持ちや病院の方針を考慮して、医師と相談して決めましょう。

早期流産の体験談

早期流産を経験した2人のママの体験談を紹介します。

2回の早期流産を経験しました

妊娠8週のとき、出血があったので受診したところ完全流産と診断され、とくに治療をすることもありませんでした。2度目の妊娠のとき、11週で赤ちゃんの心拍が確認できず、今度は稽留流産と診断されました。2度目の流産後は、生理の出血量が少し増えたぐらいで、体調の変化はとくにありませんでしたが、心はなかなか元に戻れず、「早産でもいいから産めるなら……」と思いました。その後、友人から不育症の検査をすすめられ、通院していた産婦人科で紹介状を書いてもらいました。検査の結果、軽い不育症だとわかりました。

稽留流産の診断から胞状奇胎に

胎嚢が確認できたものの「妊娠週数のわりには小さい」と先生から言われました。その日からスマホの「検索魔」になってしまい、同じ状況の人の投稿を見たりして、「なんとか妊娠の継続を!」と願っていました。でも、妊娠8週で稽留流産と診断され、自然に赤ちゃんが出てくるのを待ちましたが、なかなか出てきれくれなかったので、手術を受けることに。ところが、術後の組織検査で胞状奇胎(ほうじょうきたい)が判明。しばらく通院して、血液検査などを受けました。5ヶ月後には完治して、その後妊娠することができ、無事に赤ちゃんを授かることができました。

取材・文/小沢明子

監修
小川隆吉先生
小川クリニック院長
日本医科大学卒。都立築地産院産婦人科医長として勤務する傍ら、日本医科大学産婦人科講師を兼任。1995年小川クリニックを開設。医学博士、日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医。妊婦さんの疑問や悩みに真摯に応えてくれる、気さくで頼りになるドクターです。

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