胞状奇胎とは?症状や治療、次の妊娠はいつから?【産婦人科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/01/28
更新日:2019/02/13
胞状奇胎とは?症状や治療、次の妊娠はいつから?【産婦人科医監修】
監修
小川隆吉先生
小川クリニック院長

「胞状奇胎(ほうじょうきたい)」とは、胎盤をつくる絨毛(じゅうもう)が子宮内に異常に増殖する病気です。発症率は高くありませんが、重症化すると絨毛がんになる可能性があるため、治療後はしっかり経過観察をすることが重要です。胞状奇胎の原因や症状、治療法について産婦人科ドクターに聞いてみましょう。

胞状奇胎とは?

妊娠すると、受精卵は赤ちゃんをつくる組織と胎盤をつくる組織に分かれて成長していきます。胎盤をつくる組織は、毛足の長い絨毯のような構造をしているため、絨毛(じゅうもう)組織と呼ばれています。「胞状奇胎」とは、この絨毛組織が水ぶくれ(嚢胞・のうほう)に変化し、異常に増殖して子宮内をうめつくしてしまう病気です。増殖のスピードが早いため、通常の妊娠よりも子宮が大きくなるのが早くなります。

子宮の中がまるでぶどうの房のようになるため、別名「ぶどうっ子」「ぶどう子」と呼ばれることもあります。

日本での胞状奇胎の発生頻度は、妊婦さん1.000人のうち1.2~2人とされています。また、40歳以上の妊婦さんは、40歳未満の妊婦さんに比べると発症率が高いといわれています。

胞状奇胎の種類

胞状奇胎は大きく「全胞状奇胎」と「部分胞状奇胎」の2つに分類できます。

全胞状奇胎は、すべての絨毛組織が水ぶくれ(嚢胞化)で大きくなった状態です。一方、部分胞状奇胎は一部分の絨毛組織が嚢胞化した状態です。全胞状奇胎は、赤ちゃんが存在しませんが、部分胞状奇胎は赤ちゃんや胎嚢(たいのう・赤ちゃんを包む袋)、卵黄嚢(らんおうのう・赤ちゃんに栄養を送る袋)などの組織が存在していることがあります。

胞状奇胎の原因と症状

胞状奇胎の原因は、受精のときの異常によるものです。
症状は、出血や重いつわりがみられます。また、妊娠週数に対して子宮が大きくなります。

胞状奇胎の診断は?エコーで見てわかるの?

胞状奇胎かどうかは、エコー(超音波検査)とともに尿検査や血液検査でhCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)というホルモンを測定しながら診断をしていきます。

●エコー(超音波検査)

正常な妊娠であれば、尿検査で妊娠反応が陽性だった場合、妊娠4週の後半から5週ごろエコー(超音波検査)で胎嚢が確認できます。

ところが全胞状奇胎では、胎嚢や赤ちゃんが見えず、小さな嚢胞が子宮の中に多数認められます。部分胞状奇胎では、赤ちゃんや胎嚢、卵黄嚢などの組織と小さな嚢胞の両方が認められる場合と、嚢胞だけの場合があります。

●hCG値

妊娠すると尿中や血液中にhCGが検出されますが、このホルモンは絨毛組織から分泌されています。胞状奇胎では、正常な妊娠よりもhCG値が高くなります。

監修
小川隆吉先生
小川クリニック院長
日本医科大学卒。都立築地産院産婦人科医長として勤務する傍ら、日本医科大学産婦人科講師を兼任。1995年小川クリニックを開設。医学博士、日本産婦人科学会専門医、母体保護法指定医。妊婦さんの疑問や悩みに真摯に応えてくれる、気さくで頼りになるドクターです。

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