離乳食初期の野菜の進め方を知りたい!調理法やコツも紹介!


上田玲子先生
帝京科学大学教育人間学部教授 栄養学博士
赤ちゃんにはじめて離乳食を与える際に、どの食材をどう進めていいのかわからないママもいるでしょう。今回は、離乳食初期の赤ちゃんに野菜を与える時の調理方法やコツを紹介!赤ちゃんが食べやすいおすすめの野菜がにはどのような栄養があるかも紹介しているので、リアルな先輩ママの体験談とあわせて、離乳食づくりの参考にしてみて!
目次
離乳食で野菜はいつから食べていいのか知りたい!
野菜は、離乳食初期(生後5~6ヶ月頃)から与えることができます。ただし、野菜の前に、赤ちゃんに初めて与える1さじは、アレルギーの心配がなく消化吸収のよい米がゆからです。米がゆを2日目にも1さじ、3日目は2さじと、1日おきに量を増やすくらいのゆっくりペースで進めて、慣れたところでようやく野菜に挑戦しましょう。もちろん、野菜も1さじからのスタートです。
野菜の栄養素の特徴は?
野菜は体の調子を整える「ビタミン・ミネラル源食品」です。ビタミン・ミネラルにはたくさんの種類があり、それぞれ大切な働きをしています。主食のエネルギー源食品が体に代謝吸収されるのを助ける働きのほか、皮膚や粘膜を守るなど、体全体の調子を整えてくれる役割も。
たとえば、離乳食で野菜を使用する場合、黄・赤・緑(緑黄色野菜)、白(淡泊野菜)と、見た目でカラフルなメニューになるのが、栄養面でもおすすめです。
野菜はアレルギーの心配が少なく、また赤ちゃんの内臓に負担の少ない食材です。しかし、離乳食初期はまだかむことができず、トロトロ状のものを飲み込むことが精一杯。赤ちゃんが食べやすいように、裏ごしをしたりするなど工夫をして調理しましょう。完食率もぐんとアップしますよ。
野菜を使った離乳食、初期のころの進め方が知りたい!
離乳食初期の赤ちゃんに新しい食品を与える場合は、1さじからはじめて徐々に増やしていくのが基本。例えば、かぼちゃに加えて、にんじんも食べさせたいと思ったときは、食べ慣れたかぼちゃを数さじ、にんじんを1さじからと調節をしましょう。
離乳食で野菜を食べさせる時の順番が知りたい!
野菜を選ぶ時は、赤ちゃんが食べやすそうな甘みのあるものからはじめていくママが多いようです。
離乳食初期の赤ちゃんが、どうやって野菜に慣れていくのかを先輩ママの体験談とともにみてみましょう。
離乳食初期の野菜デビューに密着!
(生後5ヶ月半の男の子の場合)
《1日目》
まずは、10倍がゆデビュー!1さじずつ慣らしていきます。
《9日目》
米がゆに慣れた頃に、すりおろして電子レンジでチンしたにんじんを入れると、おいしそうに完食!
《11日目》
にんじんに慣れた後に、ブロッコリーに挑戦!穂先を細かく刻んでおかゆに混ぜたけど、つぶつぶした口あたりが気になったのか口から出してしまいました……。
《17日目》
豆腐にトマトピューレを混ぜたものがお気に入りに。
《22日目》
ほうれんそうの葉をゆでてすりつぶし、あかゆにまぜてました。おかゆの甘みが加わったためか、青菜を喜んで食べるように!
《23日目》
色のきれいなにんじんがゆは、甘みもあってよく食べるメニューに!
先輩ママ教えて!離乳食の野菜は何を一番最初に食べさせた?
「初めての食材は渋い表情になるものの、結局は食べてくれるので助かっていました。ただ、ほうれんそうが大の苦手で、だしで味つけをしたり、粉ミルクと混ぜたりと工夫をした結果、よううやく食べてくれるように」(生後9ヶ月男の子のママ)
離乳食初期のおすすめ野菜が知りたい!
甘みのある野菜
甘味のある野菜は赤ちゃんに人気!はじめてのビタミン・ミネラル源食材としてもおすすめです。
●にんじん
やさしい甘みが人気のにんじん。赤ちゃんには、皮をむいて柔らかくゆでたら、なめらかにすりおろしてから与えます。トロトロ状に調理しやすいので、離乳食初期からずっとフル活用できる食材です。栄養価も高く、肌や粘膜を守るカロテンの含有率は、野菜の中でもトップクラス!鮮やかなオレンジ色が赤ちゃんの好奇心を刺激します。
●かぼちゃ
カロテンや食物繊維のほか、ビタミンCとEも豊富。かぼちゃのビタミンCは加熱しても壊れにくいのが特徴で、他の食材を混ぜ込んで食べさせるのにも便利!
甘すぎるのが苦手な場合は、かつお節でとっただしでゆるめるのがコツ。かぼちゃにだしを加えてゆるめると、甘みも、ねっとりとした食感も、ほどよく薄まってくれます。
●さつまいも
ビタミンCや食物繊維がたっぷり!自然な甘みで、主食やおかずはもちろん、おやつにもおすすめ。加熱するとすぐにやわらかくなり、つぶしたりトロトロにしやすいので離乳食の調理がしやすく、離乳食初期から使いやすい食材です。
●とうもろこし
自然の甘さで赤ちゃんも大好きなとうもろこし。主な栄養バランスは炭水化物ですが、ビタミンB1・B2・E・カリウム、食物繊維などもバランスよく含んでいます。離乳食の調理は多少手間がかかりますが、赤ちゃんにもぜひ味わわせてあげて。
葉野菜
葉野菜は繊維を断ち切ることが重要!離乳食初期は、やわらかい葉先のみを使用しましょう。
●ほうれんそう
ビタミンや鉄、カロテンが豊富で、積極的に食べさせたい野菜の代表選手。ゆでたら、水にさらしてアクをとりましょう。離乳食初期は、やわらかな葉のみを使い、裏ごししてペースト状に。
●小松菜
ほうれんそうの3倍以上のカルシウムを含み、ビタミンや鉄分などもとれる栄養たっぷりの緑黄色野菜。アクが少ないので、赤ちゃんに食べさせやすい野菜です。ほうれんそう同様に、離乳食初期はやわらかい葉のみを使用します。
栄養価が高い野菜
加熱しても栄養価が落ちにくい野菜は、加熱必須の離乳食にはぴったりです。
●ブロッコリー
ビタミン・ミネラルをバランスよく含む緑黄色野菜。特にβ-カロテンと、加熱しても壊れにくいビタミンCが豊富です。
栄養価が高いうえ、下ごしらえに手間がかからずに使いやすいから人気!離乳食初期は、小房をやわらかくゆで、穂先のみそぎ取ります。それから裏ごしし、とろみをつけると食べやすいでしょう。
●トマト
トマトの赤い色素成分リコピンは、有害な活性酸素の働きを抑える強い抗酸化力をもっています。リコピンは熱に強く、加熱しても抗酸化力があまり低下しないのもメリット!
赤く熟したトマトほど甘いので、おいしい完熟のものを選ぶのが最大のポイントです。酸っぱいトマトも加熱すると甘くなるので、電子レンジで加熱したり、鍋で煮るなど工夫を。甘みのあるかぼちゃやさつまいも、ミルクと合わせてもいいでしょう。
また、トマトの皮は消化しづらく、のどに貼り付いてしまうこともあるため、離乳食の時期は取り除きましょう。湯むきをして種をとってから調理を。
クセがなく食べやすい野菜
くせがない野菜は他の食材とも相性がいいので、一緒に食べることも!
●じゃがいも
デンプン質が多く、赤ちゃんの頃はエネルギー源の仲間です。ビタミンCのほかカリウムや食物繊維も含んでいます。加熱すれば簡単にやわらかくなるので離乳食に使いやすく、味にくせがないのでほかの食材を混ぜ込むのに◎。ごはんやパンのかわりに主食にもなります。
●白菜
ビタミンCやカリウム、カルシウムを比較的多く含みます。くせがなく火が通りやすいので、離乳食におすすめ!葉先は繊維が多いので、離乳食初期はトロトロにして使うといいでしょう。
離乳食のアクセントになる果物
フルーツの甘みやさわやかな酸味は、離乳食の風味づけとしてもおすすめです。加熱するとさらに甘みが増して、赤ちゃん好みの味わいになります。
●りんご
ペクチンを含むりんごは、うんちがゆるい時にもおすすめの食材。赤ちゃんに与える時は、加熱してなめらかにすりつぶして使いましょう。 ラップに包んでレンジでチンすれば下ごしらえも簡単!
●バナナ
炭水化物を多く含むバナナは、離乳食初期には「エネルギー源食品」としても使えます。その場合は、40gが目安。他の果物と同様、アレルギー予防のために加熱してから食べさせましょう。
離乳食初期に野菜を食べさせるときの下準備が知りたい!
離乳食初期の赤ちゃんは、まだ「ゴックン」と飲み込むことしかできません。一番最初に与える米がゆと同様、食べやすく下準備をしましょう。基本的に野菜は皮をむいてやわらかくゆで、種を除き、ペースト状にすりつぶします。繊維の多い葉野菜などは裏ごし器でなめらかに裏ごしを。それでも食べにくそうなら、水分を加えてゆるめたり、とろみをつけたりして、のどごしをよくしてあげましょう。下記の食べやすくするコツを参考にしてみて!
食べやすくするコツ1:裏ごし
なめらかなトロトロにするため、離乳食初期の特にスタートのころに重宝。網の目を通すことで、かたまりや繊維が除けるので、すりつぶすより口あたりがよくなります。
食べやすくするコツ2:すりつぶす
かぼちゃやいも類は、ゆでて熱々のうちにすりこ木でかたまりをつぶします。すり鉢の溝に入りやすいので、少し多めに作るのがコツ。これを湯ざましやだし、スープなどでゆるめ、かたさを調節してあげます。
食べやすくするコツ3:すりおろす
繊維のあるほうれんそうの裏ごしは、なかなか大変。ゆでてラップで棒状に包んで冷凍し、葉先だけすりおろす方法がおすすめです。
食べやすくするコツ4:とろみをつける
かたくり粉は、本来はカタクリの根が原料ですが、今はじゃがいもでんぷんでできています。離乳食初期から与えることができるので、水で溶いてとろみづけに◎。
基本はかたくり粉1:水2の割合で、薄めに作ると失敗がありません。まずはかたくり粉小さじ1/4と水大さじ1/2くらいのごく少量でOKです。
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上田玲子先生
帝京科学大学教育人間学部教授 栄養学博士
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