赤ちゃんのうんち、多いかも?回数や色の特徴は?【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/03/04
更新日:2019/03/22
赤ちゃんのうんち、多いかも?回数や色の特徴は?【小児科医監修】
監修
十河 剛先生
済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科副部長

この記事は、赤ちゃんのうんちについてまとめたものです。うんちの出方や回数、色や状態などは、赤ちゃんひとりひとりで違います。ここでは、一般的な赤ちゃんのうんちの特徴や月齢ごとの変化などを紹介しますが、大切なのは、わが子の「ふだんのうんち」を知っておくこと。それが、万が一のトラブルに早く気づくきっかけになるはずです。

新生児~生後1ヶ月 赤ちゃんのうんちの回数・色・状態は?

回数は多めで、やわらかいうんちが多い傾向があります

生後間もない時期は、水っぽくユルユルのうんちであることが多いでしょう。色は、茶色や黄色、緑色などさまざまで、母乳やミルクを飲むと反射的にうんちが出るため、うんちの回数は多めです。甘ずっぱいにおいがし、母乳やミルクの脂肪分である灰白色のツブツブが混じることもあります。

新生児便新生児期のうんちはやわらかく、甘ずっぱいにおいがすることも。

生後2~4ヶ月 赤ちゃんのうんちの回数・色・状態は?

回数は少し減り、ドロドロ状から軟便に

だんだんと、うんちを腸の中にためておけるようになってきます。それにより、うんちの量が増え、腸内で水分が吸収されることで、うんちが少し硬くなっていきます。そのため、この時期になると、新生児期よりもうんちの回数が減り、ユルユルうんちから軟便(やわらかめの便)へと変化します。

2~4ヶ月便2~4ヶ月になると新生児期よりもやや硬くなり、回数も減ってきます。

生後5~6ヶ月 赤ちゃんのうんちの回数・色・状態は?

離乳食をスタートするとうんちの状態が変わることも

離乳食が始まると、食べたものや赤ちゃんの体調、食べたものを消化する働きの発達ぐあいなどによって、うんちの状態が変わってきます。食べたものが、形を残してそのままうんちに出てくることもあります(未消化便)。病気ではありませんが、そのまま出てくるということは、その分の栄養は吸収されていないということ。何度も続く場合は、調理法を見直してみましょう。

5~6カ月便離乳食が始まると、うんちの状態も変化します。

生後7~12ヶ月 赤ちゃんのうんちの回数・色・状態は?

消化機能が発達することで大人のうんちに近い状態に

消化の働きが発達し、固形のものが食べられるようになるのにともない、やわらかいうんちから、少しずつ大人のうんちに近い状態へと変化していきます。腸内環境も変化し、ビフィズス菌が減少して大腸菌が増加してくることにより、においも大人の便と同じようになっていきます。

1歳便1歳近くなってくると、うんちの状態は大人に近づいてきます。

赤ちゃんのうんちに異常を感じたときの対処法と
病院に行く目安は?

「いつもとどう違うか」をチェックしましょう

赤ちゃんのうんちは「元気かどうかを教えてくれるバロメーター」です。ふだんから赤ちゃんのうんちをよく観察し、元気なときの赤ちゃんのうんちの色やにおい、硬さ、状態などを知っておきましょう。

ミルクや母乳の飲み方、離乳食の食べ方、生活リズム、体調などによって、うんちの状態は日々変わります。毎日うんちの状態をチェックして、「いつもと違うな」と感じることがあったら、赤ちゃんの機嫌、母乳やミルクの飲み具合、離乳食の食べ方、ほかにいつもと違うことや症状などがないかなどをよく観察してみましょう。

下痢に「嘔吐」や「発熱」をともなうときは小児科へ

下痢とは、赤ちゃんのうんちがいつもより明らかにやわらかく、量も回数も多い状態をいいます。下痢は、風邪や胃腸炎、食物アレルギー、離乳食を早く進めすぎたことなど、さまざまな原因によって起こり、病気やトラブルのサインである可能性もあります。

また、下痢の症状が重く、水のようなうんちが何度も出る場合や、下痢と嘔吐が重なる場合は、体内の水分が急激に失われて脱水症を起こすことがあります。
ミルクや母乳を飲むたびに下痢をする、下痢だけでなく嘔吐や発熱などの症状をともなうときなどは、小児科を受診しましょう。

また、下痢や嘔吐がひどい上、水分もほとんどとれないときや、元気がなくグッタリしている、おしっこが出ないなどの症状がみられるときは、脱水症が進んでいる可能性があります。このような様子が見られたら、すぐに受診することが必要です。

「赤いうんち」や「白いうんち」が出たときは
医療機関への受診が必要

トラブルサインを見逃さないためには、うんちの「色」を見ることも重要です。黄色、茶色、緑色のうんちは、「健康なうんちの色」といえます。一方、赤色、白色、黒色のうんちは、病気のサインである可能性が考えられます。

赤いうんち(血便)は、便に血液が混じっていることを意味します。血便は、腸重積症(ちょうじゅうせきしょう)や細菌性胃腸炎などの病気や、食物アレルギーなどが原因と考えられます。なかでも腸重積症は、腸の一部が腸の内部に入り込んでしまう病気で、時間が経つと手術が必要になることも。火が付いたように泣いたと思ったら泣き止むのを繰り返し、イチゴジャムのような血便が出た場合はこの病気の可能性が高いため、早急に受診する必要があります。

黒いうんちは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの病気の可能性が考えられます。

白いうんちは、ロタウイルスやノロウイルスなどが原因で起こるウイルス性胃腸炎や、胆道閉鎖症、新生児肝炎などの病気の可能性があります。肝臓が悪くて白いうんちが出る場合には白目が黄色くなる、おしっこがウーロン茶のように濃くなるといった症状を伴います。

赤、白、黒のうんちが出た場合は、医療機関を受診しましょう。

腸重積症ではいちごジャム状の赤いうんちが出ることがあります

黒い便は胃潰瘍や十二指腸潰瘍の可能性が

胆道閉鎖症ではこのような白いうんちが出ます

胆道閉鎖症の早期発見には、母子手帳の「便色カード」を活用

母子健康手帳にはさみ込まれている「便色カード」は、胆道閉鎖症を早期発見することを目的としたもの。胆道閉鎖症は、生後2ヶ月以内に手術をすることで良好な経過が期待できる病気のため、早期発見が大切です。早い時期に一度、赤ちゃんのうんちの色を便色カードでしっかり確認しましょう。

母子手帳の「便色カード」

赤ちゃんが便秘のときの対処法

うんちの回数だけでなく赤ちゃんの様子を観察して

毎日うんちが出ないと、「うちの子は便秘」と考えるママもいるようです。便秘かどうかを判断するひとつの目安として、「排便が週に2回以下」といわれますが、一概にうんちの回数や頻度だけで判断することはできません。

たとえば、2日に1回や3日に1回の排便でも、赤ちゃんの機嫌がよく、食欲もあり、スルッとうんちが出るなら便秘ではなく、それがその赤ちゃんの排便のペースといえます。
反対に、毎日うんちが出ていても、「うんちをするときに苦しそう」「ずっと強くいきんでいるのに、なかなかうんちが出せない」「うんちがかたくて出すときに痛がって泣く」「おしりが切れる」という場合には、便秘の可能性が考えられます。

便秘かどうかは、うんちの回数や頻度だけでなく、うんちの状態や赤ちゃんの様子などを総合的に見て判断することが必要といえるでしょう。

ホームケアで解消されないときは早めに小児科へ

便秘になったときは、たまったうんちを出すことが大切です。うんちを出しにくい様子がみられるときは、クリームやオイルをぬった綿棒で肛門を刺激する「綿棒浣腸」で排便を助けてあげましょう。
綿棒浣腸でも出ない場合などは、市販の子ども用浣腸薬を使ってもいいでしょう。「浣腸薬を使うとクセになるのでは」と心配するママもいますが、用法用量を守って使用すれば、それによって自然な排便ができなくなることはなく、心配ありません。

すべりがよくなるように綿棒の先端にベビーオイルやクリームなどをつけます

綿棒の先の綿球部分が隠れるぐらいまで肛門にさし入れ、
肛門の内側の壁をぐるりとこするようにゆっくり刺激します。

便秘の解消や予防のために食事に気をつけることは大切ですが、「これを食べれば便秘を解消できる」という食品は、残念ながらありません。
食物繊維は便秘に良いといわれていますが、さつまいもなどに含まれる不溶性食物繊維は食べすぎるとかえってうんちがかたくなり、便秘の原因になることもあります。便秘解消には、さまざまな栄養をバランスよくとることが大切と考えましょう。水分を十分にとること、体をよく動かすこと、規則正しい生活をすることも大切です。
上記のようなホームケアを心がけても便秘が解消されない場合は、早めに小児科を受診して相談しましょう。

文/出村真理子

写真出典/はじめてママ&パパの0~6才病気とホームケア
     Baby-mo(2015年秋冬号)

監修
十河 剛先生
済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科副部長
1995年、防衛医科大学校医学部卒業。複数の病院勤務を経て2007年に済生会横浜市東部病院小児科医長、13年より現職。専門は肝・胆道疾患。武道の有段者で、二児のパパでもあります。

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