寝返りで吐くのはいつまで続く? 原因と対策はこれ! 体験談も紹介します【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2019/01/09
寝返りで吐くのはいつまで続く? 原因と対策はこれ! 体験談も紹介します【小児科医監修】
監修
渡辺とよこ先生
わたなべ医院院長

赤ちゃんが寝返りのたびにおっぱいを吐く。これって何かの病気? と不安になりますよね。赤ちゃんが寝返りで吐く理由には、赤ちゃん特有の胃の形が関係しています。心配な「吐き」との違いも解説します。

●寝返りで吐くとはどういうこと?

生まれたばかりの赤ちゃんは寝ているだけですが、少しずつ手足を動かす範囲が広がり、やがて体をひねって寝返りをするようになります。早い子なら4ヶ月ごろから片足を持ち上げ、体をひねってうつぶせに。視点が変わると見える景色も変化し、赤ちゃんにとっては楽しい運動のようです。

ところが、寝返りすることでおっぱいやミルクを吐いてしまう赤ちゃんがいます。吐くといっても、大人がイメージするようにオエッと胃の内容物をぶちまけるようなものではありません。おっぱいやミルクがタラタラと口から流れ出てくるのが、よく見られる「吐く」様子です。吐く量の多い少ないはありますが、赤ちゃん自身は気にする様子がなく、苦しそうにすることもまずありません。

●寝返りするたびに吐く! 先輩ママの体験談

糸のようにタラーッとおっぱいを吐く

生後5ヶ月で寝返りをするようになりました。体の発達は嬉しかったのですが、寝返りをするたびにおっぱいを吐くのには困りました。だいたいは糸のように細くタラ―ッと口の端から出てくるのですが、勢いよく寝返った拍子にかなりの量を吐くこともあり、心配しました。

寝返りをしても吐かなくなってきたのは7ヶ月になるころ。それまで、常にベッドシーツがおっぱいで濡れているのが気になりました。(1歳・男の子)

寝返りのたびに吐いて栄養不足が不安でした

寝返りが早く、4ヶ月であおむけからうつ伏せをマスターしました。それと同時に、寝返りをするとおっぱいを吐くように。あまりによく吐くので栄養不足にならないかと保健師さんに相談しましたが、「赤ちゃんは、自分に必要な栄養はきちんととります。吐いたのが栄養不足になるほどの量なら、おっぱいを飲む量も増えるから心配いりませんよ」と言われました。離乳食が始まった5ヶ月ごろから、寝返りのたびに吐くことが減っていきました。離乳食完了に近づいた今は、まったく吐きません。(11ヶ月・男の子)

●寝返りで吐く原因は?

・赤ちゃんの胃袋は吐きやすい形をしている

赤ちゃんの胃袋の形は、大人のそれと同じではありません。大人にくらべるとくびれが少ないため、少し体勢が変わるだけで吐いてしまうことがあるのです。このような状態を「溢乳(いつにゅう)」といいます。文字通り、おっぱいがあふれ出てしまうわけです。

胃の形胃の形の変化のイメージ図。大人になるに従い、くびれができてきます。

まだ寝返り前ですが、生後1~2カ月ごろも少し動いただけで吐くことがよくある時期です。おっぱいやミルクの飲み過ぎの可能性が高いのですが、たとえ勢いよく吐いても発育曲線のカーブに従って体重が増えていれば問題はありません。

腹筋が強いとそれだけ腹圧がかかりやすいため、女の子よりも筋肉量の多い男の子の方が吐きやすい傾向があります。

赤ちゃんのうつぶせ(寝返り)寝返りで腹圧がかかると、おっぱいやミルクがあふれ出てしまうことが。

心配な「吐き」もある

【ウイルス性胃腸炎などの感染症】

ウイルス性胃腸炎にかかると下痢に先立って嘔吐の症状があらわれます。この場合は普段とは違った様子で機嫌が悪く、食欲も落ちてしまいます。発熱することもあるでしょう。下痢と嘔吐のダブルで体から水分が奪われていくので、十分な水分補給を心がけましょう。できるだけ早く病院を受診してください。

【ミルクアレルギー】

ミルクを飲むたびに吐く、血便や下痢といった胃腸症状があるなどの場合は、ミルクアレルギーの可能性もあります。育児用ミルクに含まれるたんぱく質に反応してしまうもので、治療が遅れると発達に影響が出ることもあります。アレルギー用のミルクもありますので、かかりつけ医に相談しましょう。ただし、ミルクアレルギーの場合は寝返りの時期を待つまでもなく、生後早い段階で「おかしい」と気づくでしょう。

【幽門狭窄症】

幽門とは、胃の出口の部分です。ここの筋肉が厚くなる病気が幽門狭窄症(ゆうもんきょうさくしょう)です。幽門が厚くなっているのでおっぱいやミルクを飲んでも逆流してしまいます。これも寝返りの時期より前、生後2~3週間から見られ、噴水のような嘔吐が続きます。圧倒的に男の子に多い病気で、男女比は4~5対1。飲ませてもどんどん吐くときは、できるだけ早く受診しましょう。治療は、厚くなった幽門部分の筋肉を切って広げる手術が一般的です。

●寝返りで吐くのはいつまで?

くびれの少ない赤ちゃんの胃袋が、大人の胃袋と同じような形になるのは10歳~15歳ごろといわれています。だからといって、学童期まで寝返りのたびに吐くわけではもちろんありません。溢乳は生後6ヶ月ごろまでが多く、その後は次第に減ってくるでしょう。胃の内容量は1回の哺乳量程度です。哺乳量が増えるにしたがい胃はだんだん大きくなり、くびれも少しずつですができてきます。

●なんとかできないの? 寝返りで吐く赤ちゃんの対策

赤ちゃんは「生きること」の初心者ですから、いろいろと思うに任せないことがあります。溢乳も、時期が来ればだんだん減っていくので心配する必要はありませんが、いくつか家庭でできることもあります。

飲み過ぎを避ける

寝返りのたびに吐くようなら、おっぱいやミルクを少し飲み過ぎているのかもしれません。胃の内容量は1回の哺乳量程度なので、この量を超えて入ってくるとどうしても吐きやすくなります。おっぱいやミルクの量をむやみに減らすことはよくありませんが、体重の増えが順調ならミルクの量を少し減らしてみる、授乳時間を短くしてみるなどして様子を見てもいいでしょう。

ただし、くれぐれも赤ちゃんに過度な「ダイエット」はさせないこと。溢乳が発育発達に悪影響を及ぼすことはありませんが、栄養不足は場合によっては深刻な悪影響を及ぼします。

授乳のあと、少し上体を起こしておく

背中の下にたたんだバスタオルを入れるなど、少し上体を高くしておくことで胃の内容物が落ち着き、吐くことが減る可能性があります。授乳直後の10分ぐらいを目安に、ベビーラックの背中を少し起こして寝かせておくなどしてもいいでしょう。

イラスト/福井典子

監修
渡辺とよこ先生
わたなべ医院院長
札幌医科大学医学部卒業後、国立小児病院新生児科(NICU)や東京都立墨東病院周産期センター新生児科部長、同病院副院長をへて2014年より現職に。多くの乳幼児をみてきた渡辺先生ならではの、的確で親切な助言が好評。これまで『母乳育児 ミルク育児の不安がなくなる本』(主婦の友社)など監修に携わった育児本多数。

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