妊娠12週のお腹の大きさは?流産の可能性は?先輩ママの体験談も!【産婦人科医監修】


竹内正人先生
妊娠12週に入ると、初期流産の心配が過ぎて赤ちゃんが安定し、妊婦健診も4週に1度になります。つわりが一段落したママは、赤ちゃんに十分な栄養を届けられるように、バランスのよい食事を心がけてくださいね。妊娠12週の注意点をまとめました。
目次
妊娠12週の先輩ママの体験談
妊娠12週のときの体調や体の変化、健診のことなどを先輩ママに聞いてみました。
・口の中の不快感がありました
4D超音波検査を受けました。赤ちゃんが人間らしくなっていて、めちゃくちゃかわいい。つわりは吐かなくなったものの、口の中が不快な感じがして1日10回は歯磨き。食べたいものはまだなかったです。(N・Tさん)
・頭痛、吐きけ、腰痛も
起き上がることができないくらいの頭痛と吐きけ。それに腰痛も始まりました。胃のムカムカとだるさが続き、炭酸水ばかり欲しくなりました。超音波検査で赤ちゃんの顔、背骨、腕、足がしっかり見えたときは安心しました。(S・Aさん)
・つわり、終わりました!
つわりが終わり、少しずつ食欲がアップしました。(K・Aさん)
・赤ちゃんの背骨が見えたよ
妊娠10週ぐらいからつわりが落ち着き始め、12週ではかなりラクになりました。超音波検査で赤ちゃんの背骨が見えました!(U・Yさん)
妊娠12週のエコーで見られる赤ちゃんの様子
頭殿長(とうでんちょう/頭からおしりまでの長さ)は約5cm、体重は20gぐらいです。顔、体、手足がはっきりとわかり、赤ちゃんらしい姿になります。
骨格や筋肉が発達してきて、背骨が伸びている様子も見えます。また、顔に手を近づけたり、足を伸ばしたりする動作も見られます。ときどき体の向きを動かしたり、指をしゃぶろうとしたりするしぐさも見えます。
このころには、胃や腎臓、膀胱などの器官がほぼ完成されています。赤ちゃんがおしっこをする様子も見られることがありますよ。
妊娠12週ごろのエコー(超音波)検査では、赤ちゃんの頭の形が正常かどうか、胸壁や腹壁、胃や膀胱がしっかりと形成されているかどうかなどを確認します。
また、妊娠12週からは、児頭大横径(BPD・赤ちゃんの頭の横幅)や大腿骨長(FL・太ももの骨の長さ)を計測できるようになります。
妊娠12週のお腹の大きさは?
子宮の大きさは、大きめのグレープフルーツぐらい。下腹部がふっくらしてきて、少しずつお腹が目立つようになってきます。まだマタニティ用のインナーに替えていないママは、そろそろ替えてみては? マタニティ用のショーツは普段のショーツよりも股上が長く、おへそまですっぽりと包み、冷えから守ってくれます。
妊娠12週のつわりはどれくらい?
つわりは妊娠12~17週ごろに自然に落ち着いてくるケースが多いようです。ただし、つわりの期間や症状は個人差が大きく、妊娠12週ごろ治まったというママがいる一方で、吐きけやムカつきが続いたというママもいます。
つわりがあるときは、食べたい物を少量でも口にするようにしましょう。吐きづわりのときは脱水症状にならないよう、こまめな水分補給を心がけてください。つわり中でも炭酸飲料やスポーツドリンクなどは摂取できるママが多いようです。
妊娠12週は流産のリスクが高いの?
医療機関で確認された妊娠の約15%が流産になります。そのうち約9割が妊娠12週未満の早い時期(初期流産)に起こっています。ですから妊娠12週を過ぎると、流産のリスクはかなり低くなるといえます。
妊娠12週以降(~22週未満)の流産は、後期流産になります。初期流産の原因は、赤ちゃんの染色体異常など、赤ちゃん側に問題がある場合がほとんどですが、後期流産になるとママの側のトラブルによって起こることが多くなります。
後期流産の主な原因には、次のようなものがあります。
子宮頸管無力症
子宮を支える子宮頸管の組織が弱くなり、子宮収縮(陣痛)といった自覚症状がないにもかかわらず子宮口が開いてしまう状態をいいます。原因は、ママの子宮頸管が体質的に弱かったり、子宮頸管の感染が関わっていたりします。
子宮頸管が開いてきている場合は、超音波検査や内診で診断できるものの、たいていは病態が進行してから発見されることが多く、未然に防ぐことが難しい病気です。
前回の妊娠のとき、子宮頸管無力症で流・早産した場合、妊娠12~16週に子宮頸管を特殊なテープで縛る子宮頸管縫縮(ほうしゅく)術を行う場合があります。
絨毛膜羊膜炎
腟内に細菌などが繁殖して炎症が発生し(腟炎)、その炎症が赤ちゃんを包む卵膜まで進行してしまう病気です。腟炎の段階で抗生物質などを使って治療をすることができますが、重症化してしまった場合は流・早産の原因となることがあります。
子宮奇形
先天的に子宮が変形していることを子宮奇形といいます。子宮奇形はその形態からさまざまな種類があります。
単頸双角(たんけいそうかく)子宮……子宮の体部が2つに分かれている状態
双頸双角(そうけいそうかく)子宮……子宮の体部だけでなく頸部まで分かれている状態
重複(ちょうふく)子宮……子宮の体部、頸部、腟まで分かれている状態
中隔(ちゅうかく)子宮……子宮内部が中隔によって2つに仕切られている状態
ほとんどが無症状で、不妊症や流産を繰り返したときに行う検査などで判明することが多いようです。子宮奇形の場合、流産の可能性がありますが、妊娠・出産が可能なケースも少なくありません。また、中隔子宮は中隔を取り除く手術で改善します。
子宮筋腫
子宮の筋層(きんそう)や頸部にできる良性の腫瘍のことを子宮筋腫といいます。子宮筋腫は位置によって次のように分類されます。
頸部筋腫……子宮頸部にできる
粘膜下筋腫……子宮の内部に突き出る
筋層内筋腫……子宮筋層内にできる
漿膜下(しょうまくか)筋腫……子宮の外に向かってできる
このうち流・早産の原因となる可能性があるのは、粘膜下筋腫と筋層内筋腫です。漿膜下筋腫は、妊娠の継続には問題ありません。頸部筋腫はお産のとき、産道をふさいでしまうと帝王切開になります。
これらのほか、膠原病(こうげんびょう)などの自己免疫疾患や、子宮頸部の手術後(頸部円錐切除後)の影響などから流産が引き起こされることがあります。
妊娠12週のマイナートラブル
妊娠12週に起こりやすいマイナートラブルを紹介します。
頭痛
頭痛には、さまざまな要因があります。つわりや疲労、睡眠不足、さらに、ストレスや妊娠に対する不安、ひどい肩こりなども頭痛の原因になります。妊娠中は、普通に生活しているだけでも体に負担がかかっているので、ゆっくり休むことが大切です。
スマホやパソコンは、寝る数時間前から見ないようにして目や脳を休め、熟睡するようにしましょう。妊娠に対する不安は、家族や友人に話したり、妊婦健診のとき相談したりすると、落ち着くかもしれません。
なかなか頭痛が治まらないときは、医師に相談して妊娠中でも影響のない鎮痛薬を処方してもらってください。
腰痛
妊娠すると、赤ちゃんを守ろうとする気持ちから、無意識のうちに前かがみの姿勢になるママがいます。そして、妊娠中期から後期になると、おなかが大きくなるため、今度は後ろに反り気味の姿勢になりがちです。前かがみの姿勢も反り気味の姿勢も、腰痛の原因となります。
まずは、姿勢を正すことから始めましょう。いすに座るときは深く腰かけ、背筋を伸ばすようにします。床にあるもの持ち上げるときは、いったん腰を落とし、物を自分のほうに引き寄せてから持ち上げましょう。キッチンで作業をするときは、前かがみにならないよう、できれば作業台やテーブルの高さを調節するといいですね。
また、腹帯やマタニティガードルで腰をサポートしたり、カイロで腰を温めたり、ぬるめのおふろにゆっくり入ったりするのも、腰痛緩和に役立ちます。
耳鳴り
妊娠をきっかけに飛行機の離着陸のときのように耳が不快になったり、キーンという高音が聞こえたり、人の声が聞きづらくなったりすることがあります。これは、妊娠したことで中耳や内耳付近の血液の流れが悪くなったことが原因と考えられます。
また、耳鳴りはストレスとも関係があります。体調の変化が大きい妊娠中は、普段よりストレスがたまりやすいため、耳鳴りが起こりやすくなります。よく睡眠をとって、ストレスをためないように過ごしましょう。首筋を温めたり、肩のストレッチをしたりすると血行がよくなります。
おりものが増える
妊娠すると卵胞ホルモン(エストロゲン)というホルモンが増え、子宮頸管や腟からの分泌物が多くなります。そのため、おりものの量が増えたり、普段より粘りけのあるおりもが出たりすることがあります。異臭やかゆみがなければ問題ありません。下着やおりものシートをこまめに替えて、清潔を保ちましょう。
ただし、黄色や緑色のおりもの、カッテージチーズのような白いおりもの、異臭がする、強いかゆみがあるときは感染症の可能性があるので受診しましょう。
頻尿
妊娠中はホルモンの影響で子宮や膀胱を支える骨盤底筋が緩くなります。それに加え、大きくなった子宮が膀胱を圧迫するため、頻尿になりやすくなります。尿意を感じたら早めにトイレに行きましょう。
また、くしゃみをしたときや笑った瞬間に、尿がもれてしまうことも少なくありません。心配なときは、尿もれパッドや生理用ナプキンをつけて乗り切りましょう。
妊娠12週の注意点
仕事や家事を頑張りすぎず、冷えにも注意
妊娠12週になると、初期(早期)流産のリスクが低くなるため、妊婦健診も4週に1度になります。体調に不安があるときは、受診を早められないか、病院側に確認しましょう。
つわりが落ち着いてきたとしても、まだまだ疲れやすい時期です。長時間の仕事を続けたり、はりきって家事をしたり、睡眠時間を削って作業をしたりすることは避け、くれぐれも無理をしないように。また、気分がよくなったからといって、長時間のドライブや旅行は胎盤が完成する時期(妊娠15週ごろ)まで待ったほうが安心です。寒い時期は体やおなかを冷やさないようにし、夏の時期は冷房対策を万全にしましょう。
栄養バランスのとれた「定食メニュー」に
つわりが落ち着き、食べられるようになったら、栄養バランスのとれた食事を意識しましょう。妊娠前に不規則な食生活や偏った食事をしていたママは、食事のとり方を見直すチャンス。1日3回、タンパク質をしっかりとり、野菜もたくさん食べる食生活にシフトしていきましょう。
お手本となるのは定食メニューです。主食、主菜、副菜、汁物をそろえるようにすると、自然に栄養バランスのととのった献立になります。
性感染症にかからないように
妊娠中は免疫力が低下しているので、菌の侵入で炎症が起きやすくなります。パートナーにコンドームの重要性について話し、協力してもらいましょう。セックスはママの体調や気持ちを優先し、おなかに負担がかからないよう、挿入は浅めにするなどの配慮や工夫が必要です。
文/小沢明子

竹内正人先生
よりやさしい「⽣まれる・⽣きる」をサポートするため、国や地域、医療の枠をこえて活動する⾏動派産科医。
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