熱性けいれんの対処法は?後遺症やてんかんは?【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2018/12/20
熱性けいれんの対処法は?後遺症やてんかんは?【小児科医監修】
監修
渋谷紀子先生
総合母子保健センター愛育クリニック

発熱時に赤ちゃんが突然、体をこわばらせたり、ぴくぴく震えたりする熱性けいれん。初めて経験したら、パニックになりそうですよね。いざというとき落ち着いて対処するために、熱性けいれんについて知っておきましょう。

熱性けいれんとは?

筋肉が自分の意思と関係なく、収縮することを「けいれん」といいます。「ひきつけ」といわれることもあります。

そのなかで38度以上の熱を出したことがきっかけとなって起こるのが「熱性けいれん」です。3ヶ月以上6才未満の子供に発症しますが、特に1~2才のときに多く見られます。

熱性けいれんは乳幼児の3~8%が経験するといわれています。珍しい病気ではなく、誰にでも起こる可能性があるということです。

熱性けいれんの症状

典型的な熱性けいれんの症状は次のようなものです。

1 全身がこわばる

体が硬く突っ張った状態になります。手をかたく握りしめ、足を突っ張らせて、背中は弓なりに。息が止まり、唇は紫色になります。白目を向いたり、1点を見つめて固まったりすることもあるでしょう。

この状態は1分ほど続きます。

2 全身の緊張が抜ける

体の硬直がとれます。そのときに目が動いたり、両手両足をピクピクとふるわせたり、口から泡を吹いたりします。

この状態は数分間続きます。

けいれんがおさまると……

熱性けいれんで疲れた赤ちゃんは数分から数時間、グッスリ眠りこむことがありますが、目覚めたあとはいつもと変わらない様子になります。眠らずに、すぐ普段と同じ状態に戻る赤ちゃんもいます。

赤ちゃんの熱性けいれんを目の当たりにすると、「このまま死んでしまうのでは」とパニックになるママやパパもいるようです。しかし、通常の熱性けいれんであれば、ほとんどが2~3分、長くても5分以内におさまります。命の心配はありません。

熱性けいれんの原因

原因は正確にはわかっていません。熱性けいれんには、「高熱が出る病気にかかったときに、熱の上がり始めに起こりやすい」という特徴があります。赤ちゃんは脳の神経発達が未熟なため、発熱が刺激となり、脳神経に異常な興奮が起こるのではないかと推測されています。

脳神経の異常な興奮が全身へと伝わると、体の筋肉が発作的に収縮します。そのため、瞬時に体が硬くこわばった状態となってしまうのです。

また、熱性けいれんには体質的なものも関係しているのではないか、といわれています。両親のどちらかに熱性けいれんを起こした経験がある場合、赤ちゃんも熱性けいれんを起こす可能性が高まります。

「熱性けいれんを一度起こすとくり返す」といわれることもありますが、これは正しくありません。熱性けいれんを起こした赤ちゃんで、2回目の熱性けいれんを起こすのは約30%。さらにそのうちの20~30%が3回目の熱性けいれんを起こすといわれます。

このデータからもわかるように、70%の赤ちゃんは1回、熱性けいれんを起こすだけですんでいます。初回の熱性けいれんは2度目を引き起こす要因にはなりません。

熱性けいれんをくりかえしやすい赤ちゃんの特徴

体質的に熱性けいれんをくり返しやすい赤ちゃんもいます。次のような特徴があれば、熱性けいれんをくり返す可能性があると考えられています。

・両親のどちらかが熱性けいれんを起こしたことがある

・1才未満で熱性けいれんを発症した

・39度以下の発熱で熱性けいれんを発症した

・発熱から1時間以内に熱性けいれんを発症した

単純な熱性けいれんの場合は、くり返したとしてもそれほど心配はいりません。通常は5才ごろには熱性けいれんを起こさなくなっていきます。

監修
渋谷紀子先生
総合母子保健センター愛育クリニック
東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院、山王病院、NTT東日本関東病院などの勤務を経て、現職。専門は小児アレルギー。私生活では四女の母でもある、やさしくパワフルなドクターです。

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