手足口病の潜伏期間は? 大人も感染するの?外出はいつから?【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2018/12/24
更新日:2019/03/22
手足口病の潜伏期間は? 大人も感染するの?外出はいつから?【小児科医監修】
監修
渡辺とよ子先生
わたなべ医院 院長

この記事は、手足口病の潜伏期間や外出のタイミングなどについてまとめたものです。
ウイルスの感染によって、発熱やのどの痛みを伴い、手足や口に発疹ができる手足口病。ヘルパンギーナ、咽頭結膜熱(プール熱)と並び「三大夏風邪」と呼ばれる夏にはやる病気です。くしゃみやせき、便に排泄されたウイルスが手について、そこからうつるケースもありますが、辛い時期は1~2日。回復すれば外出してもよいのでしょうか。大人がうつる心配はないのでしょうか。

手足口病とはどんな病気?

手足口病とは、コクサッキーA16、A10、A6、エンテロウイルス71といったウイルスの感染によって、その名前の通り、手のひら、足底、足背、口の中などに周囲が赤くて、真ん中が白い米粒大の水疱性の発疹が出る感染症のこと。原因ウイルスは複数あり、それぞれ感染力が強いため、何度もかかってしまうことがあります。またウイルスの型によっては、ひじやおしり、性器の周辺にも水疱が出ることも。

手足の水疱は、ときに痛みやかゆみを訴える子もいますが、ほとんど痛みません。問題は口の中の水疱。破れてただれ、強い痛みを伴う潰瘍となるため、つばを飲み込むのも辛く、子どもは食欲が落ちたり、不機嫌になったりするでしょう。

発熱するのは、感染者の1/3程度。熱が出ても37~38度ぐらいで、出ないこともあります。ただし、近年流行しているコクサッキーウイルスA6による感染は39度台の高熱が出ることがあります。また体感や四肢に大き目の水疱が出る、回復して数週間後に一時的につめが抜け落ちるなど、従来型とは異なる症状が見られます。

11ケ月のとき。水疱が出てきて3日目の手首の様子。


口の中の水疱がつぶれて潰瘍になると痛がります。

指の間にも、ふちの赤い米粒大の水疱が。

まれに重症化することあるので注意

手足口病は、たいてい軽くすむ病気ですが、まれに重症化し、無菌性髄膜炎や脳炎などを併発することがあります。特にエンテロウイルス71に感染した場合は、他のウイルスによる手足口病感染に比べて、中枢神経系の合併症を引き起こす割合が高くなっています。高熱が続く、嘔吐する、頭を痛がる、視線が合わない、呼びかけにこたえないなど、子どもの意識状態が朦朧としていたら異常事態です。ただ具合が悪いだけでなく、明らかに様子がおかしい場合は、すぐにドクターにかかりましょう。

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手足口病の潜伏期間

手足口病は、つばや咳のほか、便の中に排泄されたウイルスが口に入って感染することもあります。ウイルスの潜伏期間は3~6日。感染してから3~6日すると、手足や口の中に水疱性の発疹があらわれ、発熱することもあります。食事ができなくて、つらい時期は~2日。熱が出ても1~2日で下がります。水疱は1週間ぐらいで自然にしぼみます。

うちも生後8ケ月でかかりました!

先輩ママの中には予防接種で発覚したという人もいます。

「予防接種のため、かかりつけの小児科医へ行ったところ、手と足に赤いボツボツが2~3個出ていて、手足口病と診断されました。近所で大流行しているとのこと。翌日は家で静かに過ごしていましたが、熱は出ず、口の中にも水疱はできず、手足の発疹もそれ以上は増えませんでした。3日目には、手足の水疱が消えて完治。軽かったようで、すぐに治りました」

手足口病は子どもから大人にうつる?

手足口病はウイルス性の感染症なので、免疫のある人にはうつりません。たいていの大人は子ども時代にかかり、免疫をつけてきたはずなので、赤ちゃんから大人にうつるということは、ほとんどありません。

手足口病にかかる9割が5歳以下の乳幼児。保育園や幼稚園など子どもたちの集団で一気に感染が広がるのは、子どもたちがいちばん免疫を持っていないからです。

手足口病になったらいつから外出してもいいの?

手足口病はウイルスによる病気なので、基本的に治療はせず、安静にして自然に回復するのを待ちます。ただし症状がおさまったあとも長い間、便からウイルスが排泄されるため、発病した人だけを隔離してもあまり意味がありません。ですから外出は、赤みがひいて元気になればOK。手足口病にはインフルエンザなどのような保育園や幼稚園での「登園禁止の基準」はありません。発疹があっても、熱や水疱、潰瘍の痛みや辛さがなく、ふだんどおりに食事がとれれば保育園に登園しても問題ありませんが、それぞれの通園している園の決まりに従ってください。

手足口病の予防対策

手足口病に有効なワクチンはなく、発病を予防できる薬もありません。感染を広げないためには、流水と石けんでしっかりと手洗いすること。特におむつ交換のときには、排泄物を適切に処理し、入念に手洗いしましょう。そしてタオルを共有しないこと。大人も子どもも日ごろからの習慣にしましょう。

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出典 :はじめてママ&パパの 0~6才 病気とホームケア※情報は掲載時のものです

監修
渡辺とよ子先生
わたなべ医院 院長
札幌医科大学医学部卒業。都立築地産院新生児科部長、都立墨東病院新生児科部長、同病院副院長をへて、2014年に医療法人社団わたなべ医院に赴任。2016年よりわたなべ医院本院院長。日本麻酔科学会専門医、日本周産期新生児学会功労会員、日本新生児生育医学会功労会員、日本周産期新生児医学会周産期新生児専門医元指導医。多くの乳幼児をみてきた経験による、的確で親切な助言が好評。これまで『母乳育児 ミルク育児の不安がなくなる本』(主婦の友社)など監修に携わった育児本多数。


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