離乳食のせいで下痢することもある?原因と対策は?【小児科医監修】

 専門家監修
公開日:2018/12/29
離乳食のせいで下痢することもある?原因と対策は?【小児科医監修】
監修
十河 剛先生
済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科副部長

「離乳食を進めたら、うんちがゆるくなった」「初めての食品を与えたら下痢をした」などという経験はありませんか? 消化機能が未熟な赤ちゃんは、離乳食のせいで下痢をすることもあります。その原因と対処法を知っておきましょう。

離乳食で下痢をする原因は?

食物アレルギーで下痢の症状が出ることも

離乳食による下痢の原因のひとつとして、「食物アレルギー」があります。

食物アレルギーとは、食べたものを体が「異物」と判断して攻撃するために、さまざまな症状が起こることをいいます。食物アレルギーによって起こる症状には、じんましんや湿疹、かゆみ、便秘、嘔吐など、さまざまなものがありますが、下痢をすることもあります。

アレルギーの原因となる食品として、乳製品や卵、小麦などがあげられます。赤ちゃんは、食べ物を消化する働きが未熟なため、たんぱく質をうまく分解することができません。そのため、卵や牛乳などを食べたり、飲んだりしたときに、体がそれを「じゃまなもの」と判断し、下痢などの症状を起こすのです。

離乳食を食べる

食べたものを消化しきれないことも原因に

また、離乳食を早く進めすぎたときに、赤ちゃんの消化機能の発達が追いつかないために下痢をすることもあります。例えば、にんじんなどの食材を煮込む時間が足りずに硬かったり、切り方が大きすぎたりして消化しきれないことで下痢をします。

赤ちゃんが食べた、にんじんなどの野菜がそのままうんちに出てくることもありますが、うんちの硬さや回数がふだんと変わらないなら、それは「不消化便(消化しきれずに食べたものがそのまま出てくる便)」で、下痢ではありません。赤ちゃんの体重が増えていて、食欲があって機嫌もよいなら、あまり心配することはないでしょう。

下痢とは、うんちがいつもよりユルユルにやわらかくなり、量も回数も増える状態をいいます。

不消化便不消化便。機嫌が悪くないならあまり心配いりません。

実は多い!? 野菜ジュースや果汁の与えすぎによる下痢

野菜ジュースや果汁などには多くの糖分が含まれています。糖分には腸内の浸透圧(濃度を一定に保つために水分が移動する力)を上げる作用があるため、糖分を多くとって腸内の浸透圧が上がると、体がその浸透圧を下げようと腸内に水分を引き込み、便が水分を多く含んでやわらかくなるのです。
このような下痢を「浸透圧性下痢」といいます。

「野菜ジュースは体に良いから」「ベビー用のジュースなら安心」と、1日に何度も飲ませるママもいるようですが、野菜ジュースや果汁の飲ませすぎによる下痢も、赤ちゃんには多くみられます。
ジュースは「食事」ではなく「間食」の一種と考え、飲ませるのは1日1回程度にしましょう。

離乳食による下痢の治療法は?

下痢が2週間以上続くときは小児科を受診しましょう

離乳食で初めての食品を食べさせたときや、離乳食の形状を1段階進めたときなどに下痢をした場合には、離乳食が原因である可能性が考えられます。食べたものに対して赤ちゃんの消化の働きが追いつかないことが原因のため、もう少し成長し、消化機能が発達してくれば解消します。
ほかに変わった症状がなく、赤ちゃんが元気で食欲もあるなら、少し様子をみてもいいでしょう。

ただし、「離乳食による下痢だろう」と思っても、実は違う原因による下痢の可能性もあります。ママが下痢の原因を見極めることは難しいと考えられます。
一般的に、風邪や胃腸炎などによる下痢は2週間程度でおさまります。下痢の症状が2週間以上続くときは、何かほかの病気や原因による可能性が考えらえるため、小児科を受診しましょう。

下痢の原因に応じた治療をおこないます

検査をし、下痢の原因がわかったら、原因に応じた治療をおこないます。
食物アレルギーによる下痢の場合は、原因となる食品を完全に除去します。食事の除去については、「何を食べさせないようにすればいいか」「代わりに何を食べさせるといいか」ということも含め、必ず医師の指示にしたがっておこないましょう。

大量の血便や黒色便が出た場合、明らかに元気がない場合、食欲がなく全く食べられなくなった場合などは救急受診が必要です。夜間であってもすぐに病院に行きましょう。

離乳食による下痢の対処法は?

食物アレルギーの場合は原因となる食べ物を除去します

検査を受けて食物アレルギーが原因であることがわかった場合には、原因である食品を完全除去します。

乳幼児の食物アレルギーの原因として注意が必要な食品には、卵、小麦、牛乳・乳製品などがあります。原因となる食品は赤ちゃんによって異なるため、ママの判断でこれらの食品を避けるのではなく、必ず小児科で検査をしてもらった上で、医師の指示にしたがって除去しましょう。

離乳食の与え方にも注意が必要

離乳食を早く進めすぎたことにより、赤ちゃんの消化機能が追いつかずに下痢をした場合は、離乳食を一段階戻すことで、よくなることもあります。
野菜などの切り方を少し小さくしたり、もう少しやわらかく煮たりと、食べさせるものの形状を少し戻してみましょう。

離乳食による下痢を防ぐための対策が知りたい!

ステップアップするときは様子を見ながら慎重に

消化機能の発達や、離乳食の進み具合には個人差があります。初めての食品を与えるときや、離乳食をステップアップするときは、赤ちゃんの食べる様子やうんちの状態などを見ながら、食品のかたさや量、調理のしかたなどに注意して進めましょう。

文/出村真理子

監修
十河 剛先生
済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科副部長
1995年、防衛医科大学校医学部卒業。複数の病院勤務を経て2007年に済生会横浜市東部病院小児科医長、13年より現職。専門は肝・胆道疾患。武道の有段者で、二児のパパでもあります。

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