とびひの症状と対処法について徹底解説!症例写真も紹介【医師監修】

 専門家監修
公開日:2018/12/25
更新日:2019/03/22
とびひの症状と対処法について徹底解説!症例写真も紹介【医師監修】
監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長

この記事は、とびひの症状と対処法をまとめたものです。赤ちゃんが体をかいていたと思ったら、あっという間に全身に水ぶくれができてしまった! そんな経験をしたことがあるママもいるのではないでしょうか。これは一般的に「とびひ」と呼ばれる伝染性の肌の病気です。原因や症状や対処法を知って、いざというときに備えましょう。

とびひとは細菌が原因で全身に広がる肌トラブル

「とびひ」の正式名称は「伝染性膿痂疹」といい、細菌が皮膚に感染することで起こる病気です。水ぶくれが1~2個できた状態から、火が飛び移るように急速に全身に広がるため、とびひと呼ばれています。

とびひの原因になるのは、黄色ブドウ球菌と、A群溶血性連鎖球菌という細菌です。このうち、子供がかかりやすいのは黄色ブドウ球菌が原因のものです。

黄色ブドウ球菌は、鼻の中や皮膚、便などに存在し、だれもが持っている細菌です。あせもや虫さされ、アトピー性皮膚炎などの肌トラブルがあるところにこの細菌がつき、手でひっかいたりすることで感染し、全身に広がります。特に、あせもや虫さされが起きやすい夏に多く見られます。

とびひの症状 水疱性膿痂疹と痂皮性膿痂疹の違いは?

とびひの正式名称「伝染性膿痂疹」は、原因になっている細菌の違いによってより細かく分類されています。

子供に多い黄色ブドウ球菌が原因になるものを「水疱性膿痂疹」、大人もかかることがあるA群溶血性連鎖球菌が原因になるものを「痂皮性膿痂疹」と言っています。

黄色ブドウ球菌が原因となる水疱性膿痂疹では、かきこわしたところに水ぶくれができます。この水ぶくれはとてもやわらかく、中の液には黄色ブドウ球菌が含まれています。かゆみが強く、かくとすぐにつぶれてしまうため、かきこわして細菌がついた手でまたほかの部位を触ると、そこにもまた水ぶくれができるという具合で、またたく間に全身に広がっていきます。

もう1つのA群溶血性連鎖球菌が原因となる痂皮性膿痂疹では炎症が強く、小さな膿が溜まったところに厚いかさぶたができ、全身に広がります。それ以外に発熱やリンパ節の腫れ、のどの痛みなどの症状が出ることもあります。

水疱性膿痂疹の症状

●かきこわしたところに水ぶくれができ、かくとつぶれる

●水ぶくれの液の中に含まれていた菌がついた手でほかの部位を触ることで全身に広がる

とびひの水疱とびひでできる水疱の大きさはさまざま

痂皮性膿痂疹の症状

●小さな膿がたまったところに厚いかさぶたができて、全身に広がる

●発熱、リンパ節の腫れ、のどの痛みなどを伴うことがある

とびひの対処法。病院に行く目安は?

子供がかかりやすい水疱性膿痂疹の場合は、水ぶくれを見つけたら、すぐにガーゼや包帯などでおおい、かきこわさないようにして受診します。

ガーゼや包帯がない場合は清潔なタオルなどでもいいので、できるだけ水ぶくれをつぶさないようにすることが大切です。

とびひを自然に治すことは難しいですし、症状が悪化すると難治性のトラブルに移行することもあります。水ぶくれを見つけたら、できるだけ早く受診しましょう。

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とびひの治療には抗菌薬を使います

とびひは細菌感染のため、抗菌薬(抗生物質)の塗り薬が処方されます。全身に広がっている場合は抗菌薬の飲み薬も併用しますが、最初から塗り薬と飲み薬の両方が処方されることもあります。

家では水ぶくれができたところに処方された塗り薬を塗り、ガーゼなどでおおって、1日1~2回取り替えます。

とびひは、きちんとケアをすれば、4日~1週間ほどで治りますが、抗菌薬が効かない黄色ブドウ球菌(MRSA)が原因の場合は、1~2ケ月かかることもあります。

ssssに注意!

ssssとは、黄色ブドウ球菌が出す毒素が原因で起こる「ブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(Staphylococcal scalded skin syndrome)」のことです。全身の皮膚がやけどのようにむけてしまうのが特徴です。

発熱から始まり、口や鼻、目の回りが赤くなり、水疱ができたり、目やにが出たりします。そのうちにわきの下や首の回り、鼠径部などの皮膚が真っ赤になり赤くむけ始め、急速に全身に広がります。

以前は命にかかわるような病気でしたが、抗菌薬がよく効くため、早く治療を始めれば重症化せずに済みます。少しでも通常のとびひと違うと感じたら、すぐに病院を受診しましょう。

とびひからSSSSを発症すると、皮膚症状だけでなく発熱などの全身症状が出ます。

とびひになったときの注意点

●ばんそうこうは貼らず、ガーゼや包帯でおおう

水ぶくれを見つけたら、ばんそうこうを貼るのは絶対にやめましょう。かえって細菌が繁殖してしまいます。必ずガーゼや包帯などでおおってください。

●自宅にある薬を自己判断で塗らない

自己判断で家にあるステロイド剤などを塗るのもいけません。ステロイド剤は炎症をしずめる薬でかゆみには効果がありますが、とびひが悪化してしまうこともあります。かゆみが強い場合は、医師に相談しましょう。

●爪を短く切る。赤ちゃんにはミトンをするのもよい

とびひをかきこわしたり、爪の中に細菌が入り込んだりするのを防ぐため、爪は短く切りましょう。赤ちゃんは、嫌がらないならとびひがある間はミトンはめておくのもいいでしょう。

●清潔を保つためにシャワーで体を洗う

「とびひがあるうちは入浴してはいけない」と思っているママもいますが、細菌を少なくするには、体を清潔にすることが欠かせません。かきこわしたところがしみるので浴槽には入らなくてよいですが、1日1回泡立てた石けんで体を洗い、シャワーで流します。皮膚が回復するのをかえって妨げるため、消毒はしません。

シャワー温度の確認シャワーは大人が温度を確認してから使う

●タオルは共用しない

きょうだいがいる場合は、うつる可能性があるので、なるべく接触を避けます。また、タオルなどを共用するとうつるので、タオルは分けるようにしてください。

とびひの予防法 清潔と保湿のスキンケアを習慣に

あせもや虫さされ、湿疹、乾燥肌などのトラブルがあると、肌のバリア機能が低下して、黄色ブドウ球菌が感染、繁殖しやすくなります。肌のトラブルがある場合は、「清潔にして保湿する」という基本のスキンケアを徹底して、健康な肌を取り戻してあげましょう。

それでもよくならなかったり、どんどん悪化していくような場合には、早めに受診して、トラブルを治しておくことが大切です。

黄色ブドウ球菌は、鼻の中や爪の間などに常在しています。赤ちゃんに鼻水が出ていたらしっかりふいたり吸い取ったりしましょう。爪はいつも短く切り、手を洗うときには石けんで爪の間もきちんと洗うことを心がけましょう。

監修
馬場直子先生
神奈川県立こども医療センター 皮膚科部長
滋賀医科大学卒業。横浜市立大学皮膚科などを経て、1994年神奈川県立こども医療センター皮膚科医長、2002年より現職。日本皮膚科学会、日本小児皮膚科学会、日本臨床皮膚科学会会員。的確な診察とわかりやすい説明で、ママたちに信頼されています。

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