【産婦人科医監修】つわりのときに効く飲み物は? 妊娠中の上手な水分補給のコツ

 専門家監修 公開日:2018/12/06
【産婦人科医監修】つわりのときに効く飲み物は? 妊娠中の上手な水分補給のコツ
監修
竹内正人先生

妊娠初期の最初の悩みが「つわり」です。多くの妊婦さんが経験しますが、症状の現れ方は人それぞれ。食べられなくなるだけでなく、飲むこともつらくなる場合は、脱水症状を起こしてしまう心配があります。そこで、つわり中の水分補給のコツ、飲みやすい飲み物について、産婦人科医の竹内正人先生にお聞きしました。

つわりとは? 体調はどう変化する?

つわりとは、妊娠初期の妊婦さんに生じる様々な不快な症状のこと。吐き気、嘔吐、食欲不振、胃もたれ、食べ物や匂いに対する嗜好の変化などが生じ、消化機能が低下してつわりを引き起こすと言われています。妊娠が判明し、「これからおなかの中の赤ちゃんのために栄養をたくさん摂ろう」、という妊婦さんの意気込みと裏腹に、つわりによって食べたいのに食べられない状態がしばらく続きます。
食べられないだけでなく、飲み物の味やにおいでも気持ち悪くなって水分補給ができなくなる人もいます。この場合、悪化してしまうと脱水症状になり、おなかの中の赤ちゃんの成長に影響を及ぼすことになり危険です。脱水症状になったり、ビタミンB1が極端に不足すると母体に影響が出るので、点滴や注射が必要な場合もあります。
1日中吐いている」「水分をとることが全くできない」「体重が4㎏以上落ちた」「おしっこの量が少ない」「ふらふらして日常生活がままならない」といった症状は、妊娠悪阻(にんしんおそ)といってつわりの症状が重い状態ですから、すぐに病産院で検査をして治療が必要となります。尿検査によって尿中にケトン体※が多量に出ている場合、入院が必要となります。
※ケトン体とは、体内の脂肪が分解されてできたものです。妊婦さんがつわりで食べることができないと、蓄積されている脂肪を使って生命を維持しようとするので、栄養不足の飢餓状態であるといえます。ケトン体の多さで妊娠悪阻の深刻度が把握できます。

つわりになる原因を知りたい

つわりが起こるメカニズムは解明されていませんが、胎盤が作られるようになる妊娠初期に急激に増えるhCGホルモン(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の値が高いとつわりが重くなると言われています。
つわりは妊娠という状態を受け入れるため、体が準備している段階で起こる症状なので、一定期間が過ぎれば、つわりの症状は必ず軽減されていきます。

つわりになる時期はいつごろ?

個人差がありますが、つわりが始まるのは妊娠5~7週ごろ。9~12週ごろにピークを迎え、胎盤が完成する15~16週ごろに落ち着くことが多いと言われています。
ただし、この期間はあくまでも目安です。もっと早く落ち着く人もいれば、症状が出産直前まで続くことも。その場合は、ホルモンバランスだけでなく、胃炎などを起こしている可能性もあります。

つわり中の飲み物を飲みやすくするコツは?

妊娠すると体の脂肪が増え、新陳代謝も活発になるので、ふだんより汗をかきやすくなります。おなかの中の赤ちゃんの代謝も母体が担うので、妊娠中はいつもよりこまめな水分補給が必要です。しかし、つわりのせいで食べることだけでなく、飲むこともつらくなると体内の水分が足りなくなって、脱水症状を起こします。
人間の体内にある水分は、水と電解質(ナトリウムやカリウムなどのミネラル類)が一定の量と濃度に保たれています。しかし脱水症状になると、水分とあわせて電解質も失われ、細胞内のミネラルバランスがくずれて、体がうまく機能しなくなります。この状態が脱水症状。体内の2.5%の水分が失われると、脱水熱という発熱があり、さらに進むと幻覚症状に陥ります。「のどが渇いた」と思っているときは、すでに1%近くの水分が失われているので、水分補給はのどが渇く前に、こまめにしましょう。

【固形物は食べられないけど、汁物は食べられる場合】
具だくさんのスープを用意しましょう。具材の栄養がスープに染み出ているのでスープを飲むだけでも栄養補給できます。水分補給もこまめにしましょう。

【固形物、汁物も食べられない場合】
固形物はもちろん、汁物さえも受けつけない人は、水分だけはこまめにとるようにしてください。炭酸水なら飲めるという人や水を飲むだけで吐き気がする人もいて、つわり中にどうすれば水分をとりやすくなるかは個人差がありますが、いろいろと試してみて、自分に合った飲み方を探しましょう。

冷たくして飲む

喉を通る感じが気持ち悪くて飲めない人は、冷凍庫でキンキンに冷やすと、冷たさで麻痺して吐き気をごまかすことができます。

氷をなめる

水は飲めなくても氷をなめるなら大丈夫という人もいます。

常温にして飲む

冷たさが刺激になる人は、コンビニで水を買うときも常温のものを選びましょう。

温めて飲む

大量に飲むと気持ち悪くなる人は、温めると少量ずつしか飲めないのでおすすめです。

少量ずつ飲む

一度に大量に飲むと気持ち悪くなったり、吐き気を誘ったりするので、一口ずつこまめに水分補給するといいでしょう。飲み込むと気持ち悪くなる人は水で口をゆすぐだけでもかまいません。

炭酸水を飲む

炭酸の刺激が心地よく感じる人もいます。ただ炭酸入り清涼飲料水は甘みが強いので、できるだけ無糖の炭酸水を選ぶといいでしょう。レモンなどを絞ると、炭酸水特有の味が気にならなくなります。

つわり中に注意するべき飲み物は?

つわりで水分がとりにくいときは、飲めるものを飲めるだけ飲むことが大事。糖分が多いオレンジジュースや清涼飲料水だったとしても、何も飲まないで脱水症状になるよりもいいので、飲めるだけ飲みましょう。
避けたいのは、コーヒーや紅茶、栄養ドリンク、コーラなど、カフェインが含まれている飲み物、お酒などのアルコール類です。アルコールもカフェインも胎盤を通して、赤ちゃんに移行します。赤ちゃんは大人に比べてアルコールを体外に排出する機能が未熟なので、ママが日常的にたくさん摂取すると胎児の発育遅延や早産を招く可能性があります。
カフェインを含むコーヒーを飲むなら1日1杯程度、紅茶は1日2杯ぐらいまでにしましょう。ハーブティーはマタニティ用が無難です。栄養ドリンクはノンカフェインのものを選びましょう。コーラはカフェインの量はそれほど多くないのですが、糖分が多いので飲みすぎに気をつけてください。
アルコールは神経系脳障害の一種である胎児性アルコール症候群や発育障害、中枢神経障害などを引き起こす原因になります。妊娠中のアルコールの適量は、はっきりとわかっていません。しかし、アルコールは依存性が高いので、「1杯だけ」のつもりが「もう1杯」につながり、それが日常的な飲酒量になる可能性があります。妊娠したら、お酒の量を減らすのではなく、禁酒してください。

出典 :はじめてママ&パパの妊娠・出産※情報は掲載時のものです

監修
竹内正人先生
⽇本医科⼤学⼤学院修了。⽶国ロマリンダ⼤学留学を経て、葛飾⾚⼗字産院などに勤務。
よりやさしい「⽣まれる・⽣きる」をサポートするため、国や地域、医療の枠をこえて活動する⾏動派産科医。

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