【産婦人科医監修】つわりが楽になる方法は?食べ物の選び方を教えて!

 専門家監修
公開日:2018/12/26
【産婦人科医監修】つわりが楽になる方法は?食べ物の選び方を教えて!
監修
竹内正人先生

妊娠中、妊婦さんたちの最初の悩みの種となるのがつわりです。同じ食べ物しか食べられなくなる人、食べると吐いてしまう人、飲むのもつらくなる人など、つわりが症状の現れ方には個人差があります。そこで、産婦人科医の竹内正人先生に、つわりができるだけ楽になる対処方法を教えていただきました。

つわりが起こる理由は?

つわりは、妊娠初期の妊婦さんに生じる様々な体調変化の総称です。主なものに、吐き気、嘔吐、食欲不振、胃もたれ、食べ物やにおいに対する嗜好の変化などがあります。つわりを経験するのは、妊婦さんの7割ぐらいと言われ、まったくつわりを感じない人もいます。
つわりが起こるメカニズムは解明されていませんが、胎盤が作られるようになる妊娠初期に急激に増えるhCGホルモン(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の値が高いとつわりが重くなると言われています。つわりが始まるのは妊娠5~7週ごろ。9~12週ごろにピークを迎え、胎盤が完成する15~16週ごろに収まってくることが多いとされています(個人差があります)。
つわりの症状が軽いか重いかは、環境やメンタル面などによっても左右されます。しかし、一定期間が過ぎれば、つわりの症状は必ず軽減されていきます。

つわりが辛いとき、病院に行くタイミングが知りたい

つわりで食の好みが変わって、特定のものしか食べられなくなることがあります。でも、つわりの時期の食事は「食べられるものを食べられるだけ」でOK。吐き気がひどくて食べられないなら、無理に食べる必要はありません。つわりで食事がとれなくても、妊娠中はママの体に備わっている栄養が優先的に運ばれるしくみになっているので、おなかの赤ちゃんに影響することはまずありません。

しかし、食べられないだけでなく、水も飲めない状態になったときは、病院を受診しましょう。脱水症状になったり、ビタミンB1が極端に不足すると母体に影響が出るので、点滴や注射が必要になる場合があるからです。
つわりで水分や食べ物がとれないときは、ミネラルや電解質が不足しがちになるため、病院で点滴をしてもらうとラクになる場合も多いです。また、医師や助産師、看護師に話を聞いてもらうだけでも気がまぎれます。つわりがつらいときは無理せずに病院に行きましょう。
ただし、次のような症状がある人は、病院に行こうかどうか迷ったりせずに、すぐに受診してください。

1. 1日中吐いている
2. 水分をとることが全くできない
3. 体重が4㎏以上やせた
4. おしっこの量が少ない
5. ふらふらして日常生活がままならない

上記のような症状は、妊娠悪阻(つわりの重症型)であるため、すぐに検査をして治療が必要となります。尿検査によって尿中にケトン体※1が多量に出ている場合、入院が必要となります。
※1 ケトン体とは、体内の脂肪が分解されてできたものです。妊婦さんがつわりで食べることができないと、蓄積されている脂肪を使って生命を維持しようとするので、栄養不足の飢餓状態であるといえます。ケトン体の多さで妊娠悪阻の深刻度が把握できます。

つわりが楽になる方法は?

つわりの症状は吐き気、嘔吐、食欲不振、胃もたれ、食べ物や匂いに対する嗜好の変化など、人それぞれです。胎盤が完成する15~16週になるまでは、根本的に解消することはできません。ただ、症状によっては体調が悪化するきっかけやタイミングがあるので、工夫してそれを避けることで症状を楽にする方法があります。

食べ方の工夫

●食べると気持ち悪くなるタイプのつわりの場合 ⇒ 一度にたくさん食べると気持ち悪くなるので、3度の食事を小分けにして、少量ずつ食べる。

●食べていないと気持ち悪くなるタイプのつわりの場合 ⇒ エネルギーの取りすぎが体重増加の原因になるので、3度の食事は食べたいものを食べ、それ以外はエネルギーをとりすぎないように軽食を持ち歩く。

●朝起きたときに気持ち悪くなるタイプのつわりの場合 ⇒ 起きたらすぐに食べられるように、枕元にクラッカーなどを常備する。

●食べても食べなくても吐き気がするタイプのつわりの場合 ⇒ 1日の中で食べられる時間帯を探し、少量でもいいので「これなら食べられる」というものを探す。一度にたくさん食べると吐き気を誘うので、少量ずつ食べる。

食べ物の工夫

●つわりによって食べ物の嗜好が変わったの場合 ⇒ つわり中は「食べられるものを食べることが大事」なので、ポテトフライでもから揚げでも食べられるものを食べるようにする。足りない栄養については、つわりが解消されてから、栄養バランスに気を配った食事に切り替えて。

●酸味のあるものなら食べられるタイプのつわりの場合 ⇒ 料理にレモンやすだちなど柑橘類を絞ったり酢を加えたりする。酸味のある食べ物を食べると唾液の分泌が促され、食欲を増進する効果がある。

●のど越しのいいものなら食べられるタイプのつわりの場合 ⇒ ツルツルと食べられる麺類を献立に取り入れたり、片栗粉などで料理にとろみをつけたり、冷やしたりすると食べやすくする。

におい対策

●つわりによって調理中のにおいが苦手になった場合 ⇒ ごはんを炊くにおいが苦手になった人は、週末にまとめて炊いて冷凍する。加熱調理の際のにおいが苦手になった人は、つわり中は加熱調理をしないなど、苦手なにおいをできるだけ避ける。

●つわりによって部屋のにおいが苦手になった場合 ⇒ 部屋の換気をまめにしたり、好きな香りのルームフレグランスなどを活用する。

●つわりによって街や周囲のにおいが苦手になった場合 ⇒ 外出時はマスクを着用する。具体的に苦手なにおいが特定できるなら、それを避ける。

無理のない生活スタイルの工夫

●つわりによって朝の通勤ラッシュが苦手になった場合 ⇒ 会社に事情を話して、時間差通勤をさせてもらう※2。

●つわりによって具合が悪く家事ができない場合 ⇒ 旦那さんと話し合って、家事の負担を減らしてもらう。

●つわりによって日中、眠くなってしまう場合 ⇒ 昼寝をして、体を休めるようにする。
※2 男女雇用機会均等法によって、妊娠中及び出産後の女性が体調管理などについて医師から指導を受けた場合、その指導を守ることができるようにするため、会社側は勤務時間の変更や軽減などの措置をしなければならないことになっている。

※本記事中の画像はイメージです。

構成・取材・文/白木紀子


出典 :はじめてママ&パパの妊娠・出産※情報は掲載時のものです

監修
竹内正人先生
⽇本医科⼤学⼤学院修了。⽶国ロマリンダ⼤学留学を経て、葛飾⾚⼗字産院などに勤務。
よりやさしい「⽣まれる・⽣きる」をサポートするため、国や地域、医療の枠をこえて活動する⾏動派産科医。

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