子供の熱が上がったり下がったりするのはどうして?その原因と対処法

 専門家監修
公開日:2018/11/22
更新日:2019/03/15
子供の熱が上がったり下がったりするのはどうして?その原因と対処法
監修
渋谷紀子先生
総合母子保健センター愛育クリニック

この記事では、子供の発熱で考えられる原因と受診のタイミング、対処法について解説します。熱が下がった、とひと安心していたら、また上がってくる……。赤ちゃんや子供にはよく見られる発熱のパターンです。いったん下がった熱がぶり返すのはどうしてなのでしょうか。

子供の熱が上がったり下がったりする原因は? 
免疫や体温調節の機能に関係することも

そもそも熱がなぜ高くなるのかというと、ウイルスなどの病原菌から体を守るためです。ウイルスは熱に弱いので、体温が上がると増殖しにくくなります。同時にウイルスを攻撃する免疫機能の働きも、体温が高いと活発になります。

ですから、熱がぶり返したのなら「病原菌との闘いはまだ終わっていない」ということ。それを踏まえた上で、熱が上がったり下がったりする原因としては、次のようなものが考えられます。

体温の日内変動

一般的に体温は早朝が最も低く、夕方に最も高くなります。食事をとったり動いたりといった日中活動も体温を上昇させます。病気のときもこの体温リズムに変わりはないので、朝には下がっていた熱が、午後や夕方になると上がるのです。

ホルモン分泌のリズム

炎症を抑える働きのある副腎皮質ホルモンは朝から午前にかけて多く分泌され、夜にかけて減少していきます。そのため副腎皮質ホルモンの分泌が少なくなる夕方以降の時間帯に、熱が上がりやすくなります。

体温調節機能が未熟なため

子供、特に赤ちゃんは体温調節機能が未熟なため、外気温など環境の影響を受けて体温が上下することがあります。また授乳や食事、運動、外出、入浴などの日中活動によって体温は上がりますが、このときも大人以上に体温が高くなりがちです。

免疫の働きが成長中だから

赤ちゃんや子供は体の機能や免疫機能が発達している最中です。そのため、大人とは熱の上がり方、下がり方が違うことがあります。子供によっては、下がったり上がったりを繰り返すこともあるでしょう

病気によるパターン

病気によって熱の出方にパターンがあります。熱が上がったり下がったりしやすい病気には主に次のようなものがあります。

腎盂(じんう)腎炎

腎臓のなかで尿が集まる腎盂から尿管、膀胱へと続く尿の通り道を尿路といいます。この尿路のどこかに炎症を起こすのが尿路感染症です。

尿の出口である尿道口から大腸菌などが入って起こることが多いようです。熱は高くなりやすく、尿の回数が増える、排尿時に痛みがあるなどの症状がでます。

ただし、症状をうまく伝えられない乳幼児の場合、高熱とともに機嫌が悪くなるだけなので、気づかれないうちに炎症が進んでしまうことがあります。

ウイルス感染症

子どもの風邪のほとんどはウイルスが原因で起こります。原因となるウイルスの種類は200種類以上におよぶといわれています。1日の中で熱が上がったり下がったりするパターンをとりやすいウイルスもありますが、子どもの側の体力との兼ね合いでも熱の出方は変わってきます。

マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマは細菌の一種で、呼吸器感染症の原因となります。症状はただの風邪症状から気管支炎、肺炎までいろいろですが、特に肺炎を起こしやすい菌として知られています。熱は微熱のこともありますが、39度以上の高熱になることもあり、上がったり下がったりするパターンをとることもよくあります。咳は病状が進むにつれて、ゴホゴホとたんが絡んだような湿った咳になります。

インフルエンザ

インフルエンザでは、数日続いた熱が下がった後に再度上がることがあります(これを「二峰性(にほうせい)発熱」といいます)。2回目の発熱は通常様子をみるだけで自然に下がりますが、1回目の熱が下がった直後では治ったと判断するのが難しいため、出席停止期間が、解熱後2日(乳幼児では3日)と定められています。

麻しん(はしか)

麻しんは、10日くらいの潜伏期間の後に、風邪のような症状で始まります。38℃くらいの熱が出て3‐4日したところで少し下がり、その後高熱とともに発疹が出現するという経過をとります。途中で熱が下がるのは半日程度ですが、非常に感染力が強い病気なので、そのときに周囲に感染を広げないよう注意が必要です。

中耳炎

鼓膜のある「中耳」という部位に炎症が起こる病気です。風邪のウイルスや肺炎球菌などの細菌が、鼻やのどの奥から耳管という管を通って中耳に入ることによって発症します。

風邪症状に続いて熱が出るほかに、しきりに耳を触る、耳を痛がる、耳を触ろうとすると嫌がる、耳だれが出る、不機嫌になるなどの症状が見られます。

薬剤が影響している可能性も

発熱は体が病原菌と戦っているサインですから、元気であれば体温を無理に下げる必要はありません。しかし、熱のために食事がとれない、眠れない、などが続くと、体力を消耗してしまうため、つらそうなときは解熱薬を使用することがあります。解熱剤は治療薬ではなく、あくまで「一時的に」熱を下げる薬であるため、効き目が切れるとまた熱は上がります。このように解熱薬の使用で「熱が上がったり下がったり」している場合もあるので、使用した時間はメモしておくとよいでしょう。

監修
渋谷紀子先生
総合母子保健センター愛育クリニック
東京大学医学部卒業。東京大学医学部附属病院、山王病院、NTT東日本関東病院などの勤務を経て、現職。専門は小児アレルギー。私生活では四女の母でもある、やさしくパワフルなドクターです。

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