【産婦人科医監修】妊娠中の貧血とは? 原因と対策、体験談を教えて!


竹内正人先生
妊娠前は貧血ではなかったのに、妊娠したら「貧血」と診断される妊婦さんも多くいます。妊娠中の貧血について、貧血にならないための対策なども含め、産婦人科医の竹内正人先生に教えてもらいました。
目次
妊娠中の貧血とは?
妊娠中に多く見られるのは、鉄分の不足による「鉄欠乏性貧血」です。
ひどくなるとお産に影響することもあるため、早めに改善を心がけることが大切です。鉄分を補給して出産までに改善しておきましょう。
妊娠初期と末期には、血液検査で貧血の有無をチェックします。具体的には、
ヘモグロビン濃度が、妊娠中の女性で11g/㎗未満(非妊娠時の女性では12g/㎗未満)
ヘマトクリット値が、妊娠中の女性で33%未満(非妊娠時の女性では35%未満)
のときに貧血と診断されます。
ヘモグロビン濃度とは、血液1㎗あたりの赤血球の色素成分であるヘモグロビンの重さのこと。ヘマトクリット値とは、血液中の赤血球の容積の割合です。
妊娠前は貧血ではなかったのに、妊娠が進むにつれ貧血になる人も少なくないようです。
なぜ妊娠中に貧血になりやすいの?
赤ちゃんや子宮が大きくなると、体内の血液の量が急激にふえます。これは、子宮にたくさんの血液を届けるためです。そのとき、血漿成分(水分)が急激にふえるのに対し、赤血球の増加が追いつかないため、「血液が薄い状態」になります。もちろん、おなかの赤ちゃんの体をつくるためにも鉄分が必要となります。
これが、妊娠中の鉄欠乏性貧血の主な原因です。
どのくらい鉄分が必要なの?
鉄分は、普段でも不足しがちなミネラルですが、妊娠中は赤ちゃんの血液をつくるためもあって、いつも以上に鉄分が必要になります。
成人女性の1日に必要な鉄分量は10〜11㎎ですが、妊娠中期以降では2倍以上の21.5㎎が必要量とされています。そのため、毎日の食事で鉄分補給を心がけることが大切です。
体内で吸収されやすいのは、魚介類や赤身の肉、豚や鶏のレバーなど動物性食品に含まれる「ヘム鉄」。一方、青菜やひじきなど植物性の食品に含まれる「非ヘム鉄」は、吸収率は低いものの、各種ビタミンなどの栄養素もとれるのが魅力です。
「ヘム鉄」「非ヘム鉄」とも、ビタミンCや酢といっしに摂ると吸収されやすくなる特徴があるので、さまざまな食材を組み合わせてバランスよく摂りましょう。
妊婦用の鉄分サプリメントでもいい?
妊婦さん向けのサプリメントは、吸収されやすい「ヘム鉄」ですが、含まれている鉄分の量はそれほど多くありません。
一方、医師から処方される鉄剤は吸収率の低い「非ヘム鉄」ですが量は多く含まれています。貧血の状態も含めて、ドクターに確認してみましょう。
妊娠中、貧血になるとどんな症状が出るの?
急激に貧血が進んだ場合は、息切れ、めまい、動悸、立ちくらみなどの症状が見られることがあります。ただし、徐々に貧血になった場合や、妊娠前から月経のときの出血量が多くて貧血だった人などは、体が貧血の状態に慣れてしまい、特に自覚症状を感じないこともあります。
貧血はおなかの赤ちゃんに影響する?
ママが貧血でも、よほど重症でなければおなかの赤ちゃんには影響ありません。
しかし、母体にはさまざまな影響があります。重度の貧血になると出産時の出血量が増えることがあります。また、母乳の出が悪くなるなどのトラブルにつながることも。できれば出産前に、貧血を改善しておきましょう。
妊娠中の貧血はどんな治療をするの?
食事で貧血の状態が改善されない場合は、鉄剤が処方されることがあります。
鉄剤を飲むと便が黒くなりますが、これは吸収されなかった鉄が排出されているためなので、心配はありません。貧血を改善するために必要な薬なので、処方されたらきちんと飲みましょう。
鉄剤を飲むと、胃のむかつきや便秘などの症状があらわれる人もいます。つらい場合は、自分の判断で飲むことをやめるのではなく、必ず医師に相談しましょう。副作用がつらい場合や、重度の貧血の場合などは、鉄剤の注射をすることもあります。
妊娠中の貧血に関して先輩ママの体験談が知りたい!
先輩ママたちに聞いてみると、貧血の自覚症状があったという人は少数で、自覚がないまま、妊婦健診で貧血を指摘されたという声が。妊娠初期から、食事などで対策をとっておくことをおすすめします。
「貧血に気づかず、医師に指導されて気付きました」(高橋美紀ママ)
「自覚はなかったのですが、妊娠36週で貧血と診断されました。食事を気を付けるように言われたので、乾燥果実プルーンのエキスを食べていました。産後も貧血で薬を飲むほどでした」(高橋麻奈美ママ)
※本記事中の画像はイメージです。
構成・取材・文/木村美穂

竹内正人先生
よりやさしい「⽣まれる・⽣きる」をサポートするため、国や地域、医療の枠をこえて活動する⾏動派産科医。
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