葉酸の含有量が多いおすすめ食材は?必要量や食べ合わせの良し悪しも知りたい!


上田玲子先生
帝京科学大学教育人間学部教授 栄養学博士
葉酸といえば、妊婦さんにとってすご~く重要な栄養素。しかし実際のところ、葉酸って一体何なのか、どんな食材に含まれているのか、どうしたら沢山とれるのか……そういう詳しい情報は意外と知らないもの。今回は、葉酸にまつわるすべてのギモンにお答えしちゃいます!
目次
そもそも葉酸とは?
ビタミンB群のひとつである葉酸は、DNAの合成や細胞分裂に欠かせない栄養素。そのため、どんどん細胞を増やしていく胎児の成長に必須なのです。とくに妊娠初期、葉酸を多くとるようにすすめられますが、それは神経管閉鎖障害(無脳症)といわれる胎児の先天異常のリスクを減らせるから。また、葉酸の不足は流産や早産、常位胎盤早期剥離、胎児発育不全などとも関連するといわれています。初期だけでなく、中期以降もしっかりとり続けましょう。
葉酸を食材から効率よくとるためのポイントは?
1. なるべく生で食べる!
葉酸は水や熱に弱いので、なるべく生の状態で食べましょう。また、鮮度が落ちると葉酸が減ってしまうため、食材は新鮮なものを選び、買った日に調理して食べるのがベスト。
2. 水にさらすのはササッと!
水溶性の葉酸は、水にさらす時間が長いととけ出してしまいます。洗うときはとにかく手早く! 水にとける性質をいかして、スープや煮びたしなど汁ごと食べられる料理にするのもアリ。
3. 熱調理はできるだけ短時間で
葉酸は熱に弱いので、加熱する時間は短めに。たとえば野菜炒めなら、強火でパパッと仕上げましょう。水どきかたくり粉でとろみをつけると、流れ出た葉酸もムダなくとれておすすめ。
4. 「蒸す」「油炒め」がgood!
ゆでるより「蒸す」、蒸すよりは「炒める」ほうが、栄養素の損失が減って◎。油を使った炒め物は、流れ出た葉酸を油が包みこんでくれるため、逃さず食べることができます。
5. 食品は日のあたらない場所で保管
葉酸は光に弱く、日があたる場所に3日間放置すると約70%が分解されてしまいます。冷蔵庫に入れないものは、冷暗所で保存しましょう。
葉酸を食材からとる場合、どのくらいの量が必要?
葉酸は野菜に多く含まれていますが、熱に弱いため、調理によってその50%が失われてしまいます。必要量の目安は、多種類の素材から1日350g以上の野菜を食べること。ビタミンB12を含む動物性の食品といっしょにとると働きがUPします。1日に食べる野菜の目標量としては、中期以降は400g(妊娠前+50g)、後期以降は450g(同+100g)を心がけましょう。
葉酸を食材からとりすぎるのはよくない?
葉酸は熱に弱く、調理などで半分は失われてしまうため、食事だけでとりすぎてしまうことはまずありません。長期間にわたって大量摂取すると亜鉛の吸収が阻害されてしまうことがあるようですが、1~2日なら大丈夫!ただし、葉酸サプリのとりすぎには注意が必要。サプリに含まれる合成葉酸は、とりすぎると血液検査のときに貧血が数値にあらわれず、正しく診断できないことも。1日あたりの耐用上限量(900~1000㎍)を参考に、適量を摂取して。


葉酸を摂取するとき、食材の悪い食べ合わせってあるの?
体内には葉酸を活性化する酵素があるのですが、オレンジジュースとバナナには酵素を阻害する成分が含まれています。そのため、葉酸を含む食材といっしょにとると、吸収率が悪くなってしまうおそれが!オレンジジュースとバナナ自体にも葉酸が含まれているので、おやつとして別の時間にとるなど、工夫してみて。
葉酸が多く含まれているおすすめの食材が知りたい!
葉酸の宝庫!積極的にとりたい「葉野菜」
菜の花/葉酸190㎍(ゆで、1/2束、100g)
葉酸だけでなく、鉄分も豊富に含む食材。利尿効果のあるカリウムも多く、妊婦さんにおすすめです。
春菊/葉酸114㎍(生、3株、60g)
β-カロテンをはじめ、カリウム、カルシウム、鉄分、植物繊維も豊富。葉先はやわらかく、生で食べてもおいしい!
芽キャベツ/葉酸110㎍(ゆで、5個、50g)
小さいけれど栄養がギュッと凝縮された食材。ビタミンC、β-カロテン、強い抗酸化作用のあるルチンなどの成分が豊富。
ほうれんそう/葉酸66㎍(ゆで、2株、60g)
妊娠中、積極的にとりたい鉄分の含有量も野菜のなかでトップクラス。鉄の吸収にはたらくビタミンCもたくさん含まれています。
小松菜/葉酸52㎍(ゆで、2株、60g)
アクが少ないので、下ゆでしなくてもおいしく調理できます。葉酸を効率よく摂取できてうれしい!
水菜/葉酸42㎍(生、30g)
サッと洗って生で食べるのがおすすめ。おひたしにするときは、塩分が多くなりすぎないように注意。
キャベツ/葉酸39㎍(生、大1/2枚、50g)
胃腸の粘膜を健康に保ってくれるビタミンU(キャベジン)を含む食材。揚げ物など脂っぽい料理のつけ合わせに。
にら/葉酸39㎍(ゆで、1/2束、50g)
独特の香り成分、アリシンには新陳代謝を高めるはたらきがあり、スタミナ野菜としても有名。食物繊維も豊富。
チンゲンサイ/葉酸37㎍(ゆで、1株、70g)
カルシウム、β-カロテンが豊富。ミルク煮にするとカルシウムがたくさんとれておすすめです。
モロヘイヤ/葉酸34㎍(ゆで、1/2束、50g)
β-カロテン、ビタミンE、カルシウムなども豊富。独特のねばりはムチンによるもので、胃腸を保護してくれます。
大根葉/葉酸27㎍(ゆで、1/2本分、50g)
大根の葉には鉄分、β-カロテン、ビタミンE・Cなどがたっぷり。捨ててしまわず、しっかり食べて。
サニーレタス/葉酸24㎍(生、1枚、20g)
葉酸の量はレタスの1.5倍以上! 活性酸素を抑えるβ-カロテンや各種ビタミンも豊富です。
「その他野菜」には含有量No.1の枝豆も!
枝豆/葉酸208㎍(ゆで、80g)
ゆでたそら豆の2倍以上の含有量を誇る“葉酸の宝庫”。免疫力を高めるβ-カロテンや植物性タンパク質も豊富です。
アスパラガス/葉酸108㎍(ゆで、3本、60g)
穂先部分に多いアスパラギン酸は、疲労回復や免疫力UPに効果アリ。鮮度が落ちやすいので早めに食べて。
とうもろこし/葉酸65㎍(ゆで、1/2本、75g)
炭水化物を主としてビタミン、ミネラルをバランス良く含む食材。食物繊維も豊富です。
かぼちゃ/葉酸60㎍(ゆで、80g)
ビタミンたっぷりの緑黄色野菜。カットかぼちゃを保存するときは、種とわたを除き、ラップで包んで冷蔵庫へ。
ブロッコリー/葉酸60㎍(ゆで、2房、50g)
ビタミンCの含有量は、野菜のなかでもピカイチ。ゆで汁をスープやあんかけにするなどして、ムダなく食べて。
そら豆/葉酸48㎍(ゆで、10粒、40g)
生でも、ゆでたものでも、葉酸の量は同じ。植物性タンパク質も豊富に含まれています。
さつまいも/葉酸25㎍(蒸し、1/2本、100g)
食物繊維が豊富なことでもおなじみ。妊娠中に多い便秘など、腸のトラブル解消にもおすすめの食材。
大豆もやし/葉酸20㎍(ゆで、1カップ、60g)
ゆでて食べることが多いもやしですが、ゆですぎると葉酸の量が半分ほどに減ってしまうので注意。ゆで汁はスープなどに活用して、栄養を逃がさずとって。
生で食べられる「果物」は調理での損失が少ない!
アボカド/葉酸84㎍(生、1/2個、100g)
抗酸化作用のあるビタミンEや、美肌に効果的なビタミンB2、食物繊維がたっぷり。
マンゴー/葉酸76㎍(生、1/2個、90g)
抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eを含み、アンチエイジングにもうれしい食材。果糖が多いので食べすぎには注意。
いちご/葉酸68㎍(生、5粒、75g)
ヘタ以外はまるごと食べられるいちごは、含有分をもれなく摂取できるのがポイント。ビタミンCも豊富です。
キウイ/葉酸32㎍(生、1個、90g)
美容に欠かせないビタミンCがたっぷり。さわやかな酸味で、つわりで食欲がないときにも食べやすいフルーツ。
バナナ/葉酸31㎍(生、1本、120g)
カリウムを豊富に含み、余分な塩分を排出してくれます。むくみの解消にもおすすめの果物。
高タンパク&低カロリーで妊婦にうれしい「豆類」
納豆/葉酸60㎍(1パック、50g)
鉄分や骨をつくるのに必要なビタミンKも多く含む納豆。ひきわり納豆より、普通の納豆のほうが含有量は多め。
ひよこ豆/葉酸33㎍(ゆで、30g)
タンパク質の代謝に必要なビタミンB6やマグネシウム、亜鉛が豊富。疲労回復にも効果が期待できます。
生揚げ/葉酸23㎍(1/2枚、100g)
葉酸の含有量は油揚げより少ないものの、カルシウムが豊富。エネルギーは油揚げの半分以下です。
きな粉/葉酸22㎍(10g)
大豆をいって粉末にしているきな粉は、鉄分やミネラルもたくさん含む食材。牛乳や豆乳、ヨーグルトに混ぜて食べるのも◎。
鉄などミネラル類もたっぷりの「乾物」
切り干し大根/葉酸42㎍(20g)
鉄分は、大根の葉の約3倍!干すことによってうまみが凝縮するだけでなく、ミネラル類も生の大根より豊富になります。
わかめ/葉酸22㎍(素干し、5g)
素干しのわかめは、水でもどしても塩蔵わかめなどより多くの葉酸を含んでいます。手軽に使える点もうれしい!
※乾物は水でもどす前の重さを表示。数値は小数点以下は四捨五入。目安の株数や個数は、野菜のサイズにより異なります。
文/遠藤まゆみ

上田玲子先生
帝京科学大学教育人間学部教授 栄養学博士
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