離乳食を始める時期はいつから?その理由や開始のサインを知りたい

 専門家監修
公開日:2018/10/01
更新日:2018/10/19
離乳食を始める時期はいつから?その理由や開始のサインを知りたい
監修
上田玲子先生
帝京科学大学教育人間学部教授 栄養学博士

今まで母乳やミルクだけを飲んでいた赤ちゃんが、はじめて乳汁以外のものを口にすることは、ママにとっては不安も緊張もあるもの。離乳食のスタートは、母乳とミルク以外の味に慣れ、ゴックンと飲み込めるようになることが大切!ママもおおらかな気持ちで、リラックスして離乳食をあげましょう。今回は、離乳食を始める時期の目安や、そもそも離乳食を開始する理由、注意点などをまとめてみました。

離乳食を始める理由が知りたい!

はじめて離乳食を作るママは、離乳食には細かい決まりがあって大変だと思う人もいるかもしれませんが、赤ちゃんの体は大人よりずっと未熟なので、赤ちゃんの体に適した食事を与えなければなりません。
もちろん、体の機能は成長とともに発達します。でも、胃腸だけではなく、腎臓や肝臓の機能も含めると、「大人と同じ食事でOK」といえるのは、8才頃。離乳食や幼児食のルールは、未発達の体を守るために大切なのです。まずは大人との体の違いや、赤ちゃんの体の機能を知っておきましょう。

赤ちゃんの特徴1:細菌に対する抵抗力弱い

免疫機能が未熟なため抵抗力が弱く、少しの細菌でも食中毒を起こす恐れがあります。大人には問題のない細菌でも、食中毒を発症させ重症化することも。離乳食はつぶしたり刻んだりするので、細菌感染の機会も増えてしまいます。豆腐や野菜も生のままではなく必ず加熱殺菌をしましょう。特に、刺し身を生のまま与えるのは厳禁です。

赤ちゃんの特徴2:かたいものはかめない、飲み込めない

赤ちゃんには「かむ力」がなく、前歯でかみ切り、奥歯でかみくだく、だ液とまぜて、口の奥から食道へ送るといった大人にとっては簡単な「食べる」ことも、赤ちゃんには練習が必要。食材はやわらかく、飲み込みやすく調理します。

赤ちゃんの特徴3:消化酵素が不十分だから、脂肪が苦手

母乳に含まれる脂肪は消化吸収しやすいのですが、食べ物の脂肪を分解する消化酵素の分泌は2~5才まで不十分。脂っこいものは吸収されにくく、うんちがやわらかくなったり下痢になったり、胃にもたれて吐いたりすることも。魚や肉なども脂肪分の少ないものからスタートするのが原則。いため物や揚げ物は生後9ヶ月以降に与えましょう。

赤ちゃんの特徴4:腎臓の機能が未熟なので、塩分は負担に

腎臓は体内でいらなくなった塩分を捨てる役割がありますが、生後6ヶ月の赤ちゃんの腎臓機能は大人の半分ほど。多すぎる塩分は赤ちゃんの未熟な腎臓に大きな負担です。特に離乳食をスタートしたばかりの初期は、味つけなしで調理をしましょう。

赤ちゃんの特徴5:魚や肉などタンパク質を消化するのが苦手

食べ物を消化吸収する主役は胃腸。でも、赤ちゃんは胃腸も未発達。特にタンパク質の分解、吸収が十分ではないので、離乳食は消化吸収しやすい米がゆ(穀類)から始め、野菜を加え、タンパク質の多い食品はゆっくりスタートします。

離乳食を始める時期の目安は?

離乳食スタートの目安をチェック項目で確認しましょう。

●生後5~6ヶ月になった

早くて生後5ヶ月、ゆっくり開始する赤ちゃんも生後6ヶ月中には離乳食を始めましょう。

●首がすわり、支えがあればおすわりができる

順調に成長・発達している目安。大人が支えればおすわりができるなら、離乳食を食べる受け入れ態勢もばっちりです。

●大人が食べているのを見ると、食べたそうなそぶりをする

口が動かすのは、口のまわりの筋肉が発達し、かむ準備運動が整ってきた証拠です。

●体調&機嫌がよい

赤ちゃんの体調や機嫌は変わりやすいもの。調子のいい日を見計らってスタートしましょう。

離乳食を始めるサインはあるの?

人が食べているのを見て食べたそうにしたり、哺乳反射が少なくなって赤ちゃんの口を指で刺激しても押し出さないようになったら、離乳食を始めてもいいでしょう。母乳だけではなく、食事からも栄養がとれる大事なスタートです。赤ちゃんの様子をしっかりみて、無理のない範囲で始めましょう。

離乳食を始める時の注意点

母乳やミルク以外のものを口に入れる初めての離乳食。食材によっては、アレルギー症状を引き起こす可能性があるものや、塩分や油分など体に負担がかかるものもあるので、しっかりと注意点を確認しましょう。

食材は必ず加熱して殺菌する

赤ちゃんは細菌に対する抵抗力がとても弱いので、赤ちゃんに食べさせるものは全て加熱すると安心。作りおきして時間が経ったおかずや、冷凍しておいた食材も、電子レンジで加熱しましょう。

どんな食材もスプーン1さじからスタート

離乳食デビューにぴったりな食材は、アレルギーの心配が少なく消化吸収のよい米がゆ(10倍がゆ)。これを、離乳食用スプーンの1さじから始めます。米がゆに慣れ、安定して食べるようになったら野菜を足しましょう。もちろん野菜もスプーン1さじからスタート!形状は、液体に近いポタージュ状。皿に盛ってスプーンですべらせるとあとが残り、まもなくすーっと消えるくらいのなめらかなゆるゆる状が目安です。徐々にプレーンヨーグルトのような、なめらかでぽってりとした形状にしていきましょう。

「油なし」「味つけなし」からスタート

余分な塩分を体の外に捨てる役割をする腎臓の機能は、生後6ヶ月で大人の半分。多すぎる塩分は赤ちゃんの腎臓に負担をかけてしまうので、離乳食初期(5~6ヶ月)の味つけはしません。離乳食中期(7~8ヶ月)で砂糖、塩、しょうゆ、みそなどをほんのひとつまみ以内にし、1才を過ぎても大人の食事を2~3倍に薄めましょう。油脂は離乳食初期後半(6ヶ月)以降、バター(できれば無塩)、オリーブ油をごく少量から始めます。

食物アレルギーに気をつける

アレルゲンになる可能性がある食品として、「卵」「乳製品」「小麦」「そば」「ピーナッツ(落花生)」「えび」「かに」の7品目は加工品などに表示が義務づけられています。アレルギー症状は、下痢や嘔吐など消化器系の症状、じんましんなどの皮膚症状、ゼーゼーする呼吸器系の症状などがあり、複数が起こる場合も。重症だと、アナフィラキシーショックを引き起こす可能性もあります。
しかし、自己判断で食物制限はしないことが大原則!自己判断による食物制限は、赤ちゃんの成長を妨げることになりかねません。ただし、アレルギー症状が出たり、その可能性がある場合は、早めに病院を受診しましょう。

赤ちゃんにはNGな食材に注意する

離乳食で使う食品は、赤ちゃんが食べやすい形に調理でき、塩分や脂肪が少ないものが基本です。赤ちゃんが処理できない菌を含む「はちみつ」、のどに詰まらせる危険のある「もち」、塩分が多くかみにくい「かまぼこ」などはNGです。糖分・油脂が多いお菓子も、もちろんNG。また、「刺し身」や「生卵」など、生食はNGです。

離乳食を始めるときに準備するものは?

離乳食は短期間といえ、裏ごしやすりつぶしなどの調理には専用の道具があると便利です。家にある道具で間に合えば特に購入しなくても大丈夫なので、焦らずに買い足しを。

調理の時にあるといいもの

●小鍋

直径14~16cmの小さい鍋がおすすめです。大きな鍋は水分の蒸発が多く、鍋にくっつく量も多いので、小鍋が◎。おかゆを炊いたり、食材をゆでたり煮たり、大活躍します。

●小フライパン

焼く、いためるなどの調理に小さくて使いやすい、直径20cmくらいのものがおすすめです。油を引かずに(または少量で)調理ができるフッ素樹脂加工のものが離乳食向きです。

●軽量スプーン、軽量カップ、キッチンスケール

軽量スプーンは大さじ1(15ml)、小さじ(5ml)の2つを用意。軽量カップは1カップ(200ml)をはかれるものを。キッチンスケールも、重さを正確にはかるには持っていたい道具です。

●裏ごし器

少しのかたまりも嫌がる離乳食初期は、裏ごし器が強い味方に。野菜の皮や繊維も除けます。なければ万能こし器で代用しても◎。

●すり鉢・すりこ木

おかゆ、いも類、野菜、豆腐、白身魚など、どんな食材でもすりつぶせます。水分を補ってまぜやすく、かたさ調節も簡単。

●おろし器

食材を使う分だけ手軽にすりおろせます。おろし目があらいと粒が大きく、目がこまかいとなめらかに。時期や用途に合わせて選びましょう。

食べさせる時にあるといいもの

●スプーン

離乳食を開始したばかりの頃は、スプーンの皿が小さくて平たいものだと、赤ちゃんが唇で食材をとり込みやすいです。量を食べるようになってきたら、少しくぼみのあるデザインが食べさせやすくなります。自分で持つには、短くて太めのグリップが◎。

●食器

赤ちゃん用の食器は離乳食の量に適したサイズで、食卓で安定する、すくいやすい形になっています。電子レンジで加熱できるものが便利です。

●スタイ

ポケットつきのプラスチック製やビニール製のエプロンは、食べこぼしをキャッチしてくれて、水洗いも簡単です。

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出典 :はじめてママ&パパの離乳食※情報は掲載時のものです

出典 :いつからOK? 離乳食 食べていいもの悪いもの※情報は掲載時のものです

監修
上田玲子先生
帝京科学大学教育人間学部教授 栄養学博士
栄養学博士・管理栄養士。小児栄養学の第一人者として活躍するかたわら、トランスコウプ総合研究所取締役として栄養コーチングの手法を開発。日本栄養改善学会評議員や日本小児栄養研究会運営委員なども務める。『はじめてママ&パパの離乳食』『離乳食大全科』(主婦の友社)など監修書多数。

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