新生児の目はいつから見えるの? 視力を確認する方法は?【医師監修】

 専門家監修
公開日:2018/11/01
更新日:2019/03/15
新生児の目はいつから見えるの? 視力を確認する方法は?【医師監修】
監修
浜 由起子
日本橋はま眼科クリニック院長

この記事では、赤ちゃんの視力の発達と月齢ごとの目の見え方などをまとめました。赤ちゃんの目は、生まれたばかりのころはぼんやりとしか見えていないといわれますが、その後はどのように見えるようになっていくのでしょうか。知っているようで知らないことばかり。

赤ちゃんはいつから目が見えるようになるの? 新生児の目が見えるようになる時期はいつごろ?

赤ちゃんの目は、ママのおなかの中で、生まれる直前(正期出産と言われている37週)には器官としてほぼ完成します。ただし、視力の発達は生まれてから始まります。

見える力は、生まれてから少しずつ発達していきます

赤ちゃんの眼球の大きさは、大人の3分の2くらいしかありません。成長とともに少しずつ大きくなっていき、3歳ぐらいで大人とほぼ同じ大きさになります。

生後まもない赤ちゃんの目はまだそれほど見えておらず、目の働きも未発達なので、ちゃんと見えているのか、どこを見ているのか心配になることがあるかもしれませんね。

目の機能は、「視力」をはじめ「色覚」「調節」「視野」「立体視」「眼球連動」の計6つあります。これらの機能は、生まれてから脳、目の発達と、日常生活におけるさまざまな刺激によって、少しずつ発達していきます。

新生児の視力はどの程度? はっきり見えるの?

新生児の目は、焦点も定まらずぼんやりしているように見えますね。それでも、目の発達は始まっていて、見えるもの、わかるものもあるのです。

明暗の区別がつき、白・黒の色はわかります

新生児の目は、焦点も定まらずぼんやりしているように見えますね。生まれてすぐから目の発達は始まっていますが、このころの視力は0.01~0.02くらいです。

「暗い」「まぶしい」といった明暗の区別がつく程度で、色は黒、白、グレーなら区別がつきますが、まだ物の形をしっかりと認識することはできません。

月齢ごとの赤ちゃんの視力はどれくらい?

赤ちゃんの視力は体の成長とともに発達していくので、月齢ごとによく見えるようになっていきます。具体的には、以下のような見え方をします。今、我が子がどんな世界で生活しているのか、想像してみましょう。

【1~2ヶ月ごろ】視力はまだ弱く、両目が別の動きをすることも

生まれてすぐから生後2ヶ月ごろまでの視力は、0.01~0.02程度。左右の目を一緒に動かす機能が発達していないので、左右の目を上手に動かすことがまだできません。そのため、両目が少し外側を向いているように見えたり、両目が違う動きをしたりすることがありますが、見えるようになってくるとそのような動きもしなくなるので、様子を見ましょう。

生後2ヶ月ごろから、1箇所をじっと見る「固視」がだんだんできるようになってきます。

【3~4ヶ月ごろ】視力が0.01ぐらいまで発達してきます

このころになると、「固視」や物を追って見る「追視」がしっかりとできるようになります。見え方としては、何かがぼんやりあるのがわかる程度で、ママとパパの区別はまだできません。30㎝以上離れたものも少しずつ見えるようになり、物を見る時の目の動きがスムーズになってきます。

【5~6ヶ月】視力は0.05~0.06くらい。物の輪郭がなんとなくわかってきます

首がすわり、おすわりができるようになると、目線が高くなり視界も少しずつ広がります。生後6ヶ月では視力は0.05~0.06程度です。色の濃いものは、ややはっきり見え、ママとパパの違いもわかってくるようになります。

また、生後6ヶ月を過ぎたあたりから徐々に両眼視機能の発達が始まり、遠近感・立体感などの間隔が育ってきます。

【7~12ヶ月ごろ】両眼視機能の発達が始まってきます

月齢が上がるにつれ、視力はさらに発達します。ちょうど1歳になるころには、0.1~0.2くらいは見えるようになるでしょう。なんとなくは見えているので、興味のあるものにはどんどん近づいていきますが、細かな部分はまだはっきりとは見えません。

【1歳3ヶ月ごろ】2歳までに0.5くらいまで見えるように少しずつ発達

満1歳ごろ、0.1~0.2ぐらいまで発達してきた視力は、その後も少しずつ発達を続けて、2歳ごろまでには0.5程度まで見えるようになっていきます。その後も発達は続き、3歳で0.7~1.0程度の視力になります。

新生児の目の大きさが左右で違う場合はどうする?

赤ちゃんの目の大きさが左右で違って見えることがあります。たいていは心配のないことが多いのですが、ときには目の病気が原因の場合もあるので、気がついたら一度眼科で相談してみると安心です。

大きさが違って見えるのは、むくみやまぶたの脂肪が多いことなどが原因

生まれたばかりの赤ちゃんは、まだ顔がむくんでいてまぶたの脂肪も多いため、目の開き具合に左右差があって、大きさが違って見えてしまうことがあります。この場合は、日数が経つにつれてまぶたのむくみもとれてきて、目の大きさも左右同じくらいになってくるでしょう。

また、まぶたの脂肪が多いために目頭の皮膚が眼球の一部をおおってしまい、「斜視」に見えることもよくあります。これを「偽内斜視(ぎないしゃし)」と言います。気になるときはまぶたをママの手であげて、黒目の位置を確認しましょう。黒目が目の中心に来ているようなら心配いりません。

〈赤ちゃんに多い偽内斜視〉

赤ちゃんは、こんなふうに寄り目に見えることがよくあります。

                      

斜視のように見える場合でも、鼻のつけ根をつまんでみると黒目が目の中心にあるのがわかれば斜視ではありません。

斜視や弱視の場合も、早期発見&早期治療で回復することが多いのです

偽内斜視は斜視のように見えるだけで問題はないのですが、斜視自体は赤ちゃんの目のトラブルとしてよく見られます。斜視とは、片方の黒目が内側、または外側に向き、左右の目が同時に中心にない状態です。黒目の向く方向や発症の時期により、いくつかのタイプに分けられます。

斜視があると、無意識のうちにそちら側の目では見なくなるため、視力が低下して弱視になることもあります。赤ちゃんは目を使ってものを見ないと、視力が発達しないため、斜視や弱視は早期発見・早期治療が大切です。

黒目の位置がおかしい、よく片目をさわる、顔を傾けて見るなどの症状がある場合は、早めに眼科を受診しましょう。早いうちに適切な治療や訓練を受ければ、多くのケースは正常な視力に発達することが可能です。

新生児の視力を鍛える方法は?

赤ちゃんは、目を使ってものを見ることで視力や目の機能が発達していきます。そのため、日常的に良い刺激を与えることはとても大事なのですが、特別難しいことをする必要はなく、日常の遊びや親子のふれあいが良い刺激になります。

抱っこで顔を近づけたり、色のはっきりしたものを見せてあげましょう

新生児期は、目から20~30㎝くらいまでの距離しか見えないので、抱っこや授乳の時には赤ちゃんの顔から30㎝くらいまでママの顔を近づけて、見つめながら話かけみましょう。

また、新生児でも色は黒、白、グレーなら区別がつきます。白&黒などコントラストのはっきりしたおもちゃや、新生児用の絵本は、子供の興味もひきやすく、視力の発達には効果的ですね。そうして、赤ちゃんとのふれあいや遊びを通して良い刺激を与えることが、視力をはじめ目の機能の発達を促します。

新生児の視力の確認方法は? 生後1ヶ月以降の赤ちゃんの見え方は?

赤ちゃんの視力を確認するのは難しいのですが、毎日接していると目の機能が少しずつ発達していることがわかると思います。時期ごとの見え方を知って、あやすときや遊ぶときの参考にしてください。

【新生児期ごろ】

赤ちゃんの目が見えているかどうか判断するのは、まだ難しい時期です。ただ、赤ちゃんを寝かせていると窓など明るいほうによく顔を向けるようであれば、明暗の区別はついています。

【1~2ヶ月ごろ】

赤ちゃんを抱っこして、ママの顔を30㎝ぐらいの距離に近づけてみましょう。顔の正面にあるものをじっと見つめる「固視(こし)」をするようなら、ママの顔は見えているということです。

あお向けに寝たときにベッドメリーが見えるように設置してあると、じっと見るでしょう。ベッドメリーの形や色は、ぼやーっと見えています。このころから色も徐々に認識してきます。白黒以外にも赤はわかりやすいので、赤いおもちゃなどで遊んであげるといいかもしれません。

【3~4ヶ月ごろ】

このころになると、左右に動くものを目で追う「追視」ができるようになります。カラフルなおもちゃなどを赤ちゃんの目の前で、ゆっくり左右に動かしてみましょう。目で追い、顔をそちらに向けるようになります。

【5~6ヶ月】

おすわりができて上半身が安定してくると、左右だけでなく上下に動くものも追視できるようになってきます。このころになると、目で追ったものに手が連動して出る動きがでてきます。また物音がした方向を見るなどの行動もでてきます。

音が出るおもちゃなどを、自分で持たせて遊ばせてあげることは良いですね。赤ちゃんを抱っこして、ママが持ったおもちゃなどをゆっくり上下に動かしてみましょう。

【7~10ヶ月ごろ】

このころから、高さや奥行きの認識を脳でするようになりはじめ、立体感を感じとれるようになります。また、はいはいなどで移動が自由になると、物との距離感も少しずつ理解しはじめます。

【1歳3ヶ月ごろ】

1歳を過ぎて、立ったり歩いたりできるようになると、さらに遠近感・立体感といった空間認知能力が育ってくるため、遠くを見渡して少し離れた場所にあるものも見つけられるようになります。

赤ちゃんの視力発達で注意したいことは?

赤ちゃん時代は、視力が日々発達していく大切な時期。視力が順調に発達していくよう、心がけたいことや注意点を知っておきましょう。

いろいろな色のものを見せたり、成長に合った遊びをさせて

視力をはじめ、目の機能の発達のためには、日常生活での刺激を与え続けることが不可欠です。適度に明るいところで生活し、さまざまな色を見せることが刺激となり、目の発達を促します。「赤いお花がきれいね」「空は青だね」など、赤ちゃんの目にふれるものを言葉にして、たくさん語りかけてあげてください。

また、その子の成長に合わせた遊びを取り入れることも視力の発達を促す大切な刺激になります。くり返し同じ刺激を何度も受けるのは、見たものを脳に伝える練習になります。脳と目、視神経のつながりを強くするので、お気に入りの遊びは何回でもさせてあげましょう。

スマホやタブレットは、1日15~30分くらいまでにしましょう

赤ちゃんがぐずったり、ママが忙しい時に強い味方になるのがスマホやタブレットの動画ですね。ただ、長時間見せていると、赤ちゃんの目への影響が気になるというママも多いようです。

赤ちゃんは、目の発達の中でも物を立体的に見る感覚が育っている過程で、毎日のように長時間にわたりスマホやタブレットを見せていると、立体的に見る力が正常に育たないのではないか、と言われています。スマホやタブレットの画面は平面なので、そればかり見ていると奥行きや遠近感が感じとれないからです。

また、スマホやタブレットから出ているブルーライトという光は、人が目で見える光の中でも強いエネルギーを持っています。そのため、見続けていると網膜に直接的なダメージを与えたり、体内時計を狂わせて寝つきを悪くさせたりする、などと言われています。

こうした悪影響が出るのは、スマホを長時間、継続的に見せているケースかもしれません。しかし、スマホの動画は楽しいので、赤ちゃんは月齢が高くなるほどいくらでも見たがるようになります。

スマホやタブレットを見ることが習慣化してしまう前に、月齢の低いうちからルールを決めておきたいですね。見せるとしてもダラダラと見せるのはやめて、1日15~30分くらいにしておきたいものです。

赤ちゃんの目は日に日に発達して、だんだんはっきり見えるようになっていきます。それにつれて、いろいろな反応を見せるようになったり、遊びの幅が広がったりします。目にとっていい刺激となるものを見せてあげながら、赤ちゃんの目が順調に発達していく様子を見守ってあげましょう。

一部画像出典:『はじめてママ&パパの育児』(主婦の友社 刊)
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取材・文/村田弥生

監修
浜 由起子
日本橋はま眼科クリニック院長
杏林大学医学部卒業。国立成育医療センターなどを経て2011年に開院。眼科全般の治療を行うかたわら、杏林大学病院で斜視、弱視、小児眼科を専門に診療する、子どもの目のスペシャリストでもある。

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