赤ちゃんにできるサーモンパッチって? 原因や治療方法は?【専門医監修】

 専門家監修 公開日:2018/10/12
赤ちゃんにできるサーモンパッチって? 原因や治療方法は?【専門医監修】
監修
加藤さき子先生
高野医科クリニック副院長

赤ちゃんの顔にできる薄赤色のあざを「サーモンパッチ」と言います。顔にあるため「消えるの?」「大きく広がらない?」など気になることも多いでしょう。今回は、サーモンパッチの原因や治療方法、消えるのかどうか、などについてまとめました。症例写真も参考にしてくださいね。

サーモンパッチとは? その症状は?

サーモンパッチがひたいから鼻の上、鼻の下にかけてできています。

サーモンパッチは、あざの一種です。あざとは、皮膚を作っている色素細胞や血管の先天的な異常により、皮膚の一部が着色して見えるものの総称で、正式には「母斑(ぼはん)」と言います。

正式には「正中部母斑(せいちゅうぶぼはん)」という名前のあざです

あざにはでき方などによって色が異なり、「赤あざ」「青あざ」「茶(黒)あざ」などに分けられますが、サーモンパッチはその色からわかるように「赤あざ」の一種です。名前の由来は、産卵期のサケの体にあらわれる赤い模様に似ていることからで、医学的な正式名称は「正中部母斑(せいちゅうぶぼはん)」と言います。

症状は、他のあざと同じく皮膚の一部に色(薄い赤色)がついていて、表面に盛り上がりはなく平らでなめらかです。

サーモンパッチの特徴は? できる場所はどこ?

いろいろな種類のあるあざの中でも、サーモンパッチにはいくつかの特徴があります。

赤色で顔の真ん中のラインにできます

サーモンパッチの特徴の1つは、赤い色をしたシミのようなあざであること。そして、生まれたときからできていることです。
できる場所にも特徴があり、サーモンパッチは、まぶたやひたいの中央、唇や鼻の下など、顔の真ん中(正中)の線にそって見られます。そのため、正式名称が「正中部母斑」なのですね。また、サーモンパッチは新生児の約2~3割に見られるほど珍しくないあざです。(日本皮膚科学会による)

サーモンパッチの原因は?

サーモンパッチをはじめ、ウンナ母斑、イチゴ状血管腫、海綿状血管腫、ポートワインステインといった赤いあざは、正式には「血管腫」といいます。

あざは偶発的にできるもので、原因はわかっていません

赤いあざは、皮膚内の毛細血管が整わず、異常に増殖することが原因で皮膚が赤く見えています。ただし、サーモンパッチをはじめ、あざができる原因についてははっきりとわかっていません。

でも、あざは先天性で偶発的にできたもの。ママが妊娠中に病気をしたからとか、何かしたことが原因であざができることはありません。

昔は、「妊娠中に家事を見ると赤いあざのある赤ちゃんが生まれる」などと言う人もいましたが、それもまったくの迷信です。また、最初の子にあざができたから2人目にも、とは限りません。

また、ほとんどのあざは遺伝とは無関係です。ただ、ごくまれに病気の症状の一つとして、ある種のあざが出ることはあります。このような場合には、あざ以外にほかの症状も伴うことが多いので、あざがあるというだけですぐに病気がひそんでいると心配する必要はありません。

とはいっても、素人が判断することは難しいので、赤ちゃんにあざがある場合は一度皮膚科で見てもらっておくと安心ですね。

サーモンパッチは消えるの? 消えるならいつ頃?

赤ちゃんにあざあると気になるのは「消えるのか消えないのか」ということではないでしょうか。サーモンパッチは消えることが多いのですが、消えない場合も治療法があります。

多くは、2歳ごろまでに消えていきます

眉間や鼻の下にできたサーモンパッチは、多少消えにくいこともあります。でも、たいていは1歳前後までにはほとんど目立たなくなり、2歳ごろまでには多くが消えてしまいます。

また、サーモンパッチはたとえ消えなくても、放置した場合に悪性化することはありません。そのため、サーモンパッチができていても、医学的には治療は必要ないのです。

サーモンパッチが消えない時はどうすればいいの? サーモンパッチの治療方法は?

ほとんどのサーモンパッチは1歳ごろまでに目立たなくなりますが、1歳を過ぎても消えないと顔にあるために気になるかもしれませんね。その場合は、レーザー治療を受けると治療効果が期待できます。

あざの治療にはレーザーが効果的です

赤ちゃんにサーモンパッチと思われるあざがあることに気づいたら、皮膚科か形成外科を受診しましょう。一般的には、どんなあざか診断することが多いのは皮膚科ですが、あざの治療は外科的な方法がほとんどなので、治療は整形外科が受け持つことが多いのです。経験豊富な専門医のいる形成外科なら、治療しても傷跡はきれいになることが多いものです。

レーザー治療とは、レーザー光線をあててあざの原因となっている色素細胞などを壊す治療法です。あざの種類によって、あてる光線が変わってきます。レーザーをあてることにより、完全に消えるあざもあれば、目立たない程度のあざが残る場合もあります。

サーモンパッチの場合は、おもに顔にレーザーをあてることになるため、目の周囲に当てないようにするなど技術が必要です。また、場合によっては麻酔をしなくてはいけませんから、少なくとも3歳くらいになってから行うほうがいいでしょう。

いずれにしても、レーザー治療を考える場合は本当に必要なのか、もしするとしたらいつごろから始めるのがいいのか、リスクは、など医師から詳しい説明を聞き、よく相談することが大切です。

サーモンパッチの治療費用の目安はどれくらい?

あざの治療は現在ではレーザーがメインですが、費用がどれくらいかかるのかはケースバイケースなので、よく確認しましょう。

医療機関によって異なるので、受診の際に確認を

レーザー治療はどこの病院でもしているわけではないので、まずは最寄りの病院に問い合わせてみてください。レーザー治療を行っている病院でも、どのあざに効果のある機械が入っているか違うことがあります。

費用の面でも、あざの大きさなどによって医療機関ごとに差があります。あざの治療の多くは保険適用となるケースが多く、その場合赤ちゃんは自治体の乳幼児医療費助成制度により、乳幼児医療証があれば基本的に医療費はかからずにすむでしょう。

ただ、いちがいには言えないので、あざの治療を受ける場合は治療内容だけでなく、費用についても事前にしっかりと確認して説明を受けておきましょう。

サーモンパッチによく似たあざの種類と注意点は?

サーモンパッチのように、赤い色をしたあざはほかにもいくつかあります。ひと口に赤あざといっても、色味や表面の状態などには違いがあります。それぞれの特徴をまとめました。

【単純性血管腫(たんじゅんせいけっかんしゅ)】

単純性血管腫(ポートワインステイン)

ポートワインステインともいい、名前の通り赤ワインのような色をしている生まれつきのあざで、体中どこにでもできます。悪性化することはありませんが、自然に消えるあざではありません。
以前はドライアイス療法や手術で治療していましたが、今は色素レーザーを照射すると、かなりきれいに治るようになりました。ただし、ごくまれに目を含んだ顔半分に大きなあざがあると、知能障害などを伴う、スタージ・ウェーバー症候群と呼ばれる脳や神経の病気の症状の1つということもあるので、一度受診しておくと安心です。

【イチゴ状血管腫(いちごじょうけっかんしゅ)】

イチゴ状血管腫

生後2~3週目ごろから、真っ赤ないちご状に盛り上がったブヨブヨしたあざができます。体中どこにでもでき、大きさはさまざまです。生後6ヶ月ごろまでブヨブヨは大きくなっていきますが、その後だんだんしぼんでいき、放っておいても5~6歳ぐらいまでには約半数が自然に消えていきます。
ただし、目の近くにできて視力障害を起こしそうなときなど、ほかの部位に影響が出る場合には、ステロイドホルモン剤の内服薬で治療します。また、盛り上がりが大きく、治ってきたときに皮膚が伸びてたるんでしまった場合には、手術で切り取って治すこともあります。

【ウンナ母斑】

ウンナ母斑

頭の後ろの部分や、うなじにできるサーモンピンクのあざで、サーモンパッチの特殊型です。自然には消えにくいあざですが、髪の毛で隠れてしまうことが多く、悪性化することもないので、特に治療をしないケースがほとんどです。

サーモンパッチとその他のあざの違いは?

サーモンパッチのような赤あざのほか、あざには青あざ、茶(黒)あざもあります。

青あざ

蒙古斑

表皮の基底層という部分にはメラノサイト(色素細胞)があり、紫外線を浴びるとメラニン色素を作ります。このメラノサイトが皮膚の深い部分にある真皮に大量に集まり、少し黒味がかった青に見えるあざです。

太田母斑

青あざの代表的なものが、「蒙古斑(もうこはん)」。そのほか、顔の片側にできる「太田母斑」や、蒙古斑よりやや濃い青灰色の「青色母斑」などがあります。

茶あざ

扁平母斑

青あざと同じく、メラノサイトが皮膚の浅い部分に多くあるため、茶色く見えます。淡い褐色の「扁平母斑(へんぺいぼはん)」は、生まれつきのものと思春期以降にできるものがあります。

黒あざ

色素性母斑

神経やメラノサイトになるはずだったものが、何らかの原因で間違って母斑細胞となり、皮膚の深い部分にたくさん集まったことでできます。代表的な「色素性母斑(しきそせいぼはん)」はいわゆるほくろのことです。

その他のあざ

脂腺母斑

「脂腺母斑(しせんぼはん)」は皮膚の脂腺が増殖したため、頭部によくできるあざ。「白斑(はくはん)」は他のあざとは逆に、メラノサイトが抜けてしまったため、皮膚の色が白く見えるあざです。また、「表皮母斑(ひょうひぼはん)」といって、線状や帯状に小さないぼがたくさん集まったようなあざもあります。

サーモンパッチがあるときは、まず受診して相談を

サーモンパッチは、赤ちゃんによく見られるあざです。ほとんどが自然に消え、また、消えない場合もレーザー治療で目立たなくすることが可能です。赤ちゃんにできていて気になるときは、悩まずにまずは皮膚科か形成外科を受診し、相談してみてください。

画像出典:『はじめてママ&パパの病気』(主婦の友社 刊)

取材・文/村田弥生

監修
加藤さき子先生
高野医科クリニック副院長
1984年日本医科大学卒業。同大学日本医科大学付属病院皮膚科助手、複数のクリニック勤務などを経て、2003年から現職。日本皮膚科学会認定専門医。葛飾区にあるクリニックは、アトピー性皮膚炎をはじめとした肌トラブルの診療やスキンケアの指導が評判で、幅広い年齢層の患者でにぎわっています。

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