神崎恵さん 毎日ギリギリの生活を送った離婚後。バネになったのは自分の「夢」と子どもの「未来」だった  ~mama’s LIFE Vo.12 第3回~

神崎恵さん 毎日ギリギリの生活を送った離婚後。バネになったのは自分の「夢」と子どもの「未来」だった ~mama’s LIFE Vo.12 第3回~

連載 MAMA'S LIFE〜Vol.12〜神崎恵さん

10代のころに芸能活動をし、23歳のときに結婚。2人の男の子の母となり、離婚、そして美容家として新たな人生のスタート。時は過ぎて再婚、40代での第3子出産……。「紆余曲折」「波乱万丈」、そんな言葉が思い浮かぶ神崎さんのこれまで。離婚という大きな壁にぶつかりながらも、前を向いて歩くことができたモチベーションは何だったのでしょう。一心不乱に走り続けた、その日々を振り返っていただきました。


養育費もなく、まさに「ゼロ」からのスタ―トだった

2人の息子を連れて、離婚という選択をした神崎さん。裁判で決定したはずの養育費の支払いはなく、小さな子どもたちと神崎さんの3人での生活は、予想以上に過酷なものでした。

「やはりお金がないのは大変です。お金はたくさんあるからといって幸せになるものではありませんが、ないと何もできない。日々の選択肢も狭まり、そのときほど、100円や200円の大切さを実感したことはありません。息子たちそれぞれの保育料もあるし、バッグなどの私物をすべて売り、日銭を稼ぐことだけで精一杯のときもありました。とにかく生活を一定のレベルまで上げないと、職にさえきちんと就けない。私の親もそのときばかりは、『孫たちはどうなるんだろう。このまま娘と孫を残して死ねない』と思っていたんじゃないかな。手に職をつけるために両親から援助を受けたときもありましたが、借りたお金はすべてメモに残し、全額返済しました。心配や迷惑をかけたぶんの気持ちも、今は少しずつ返しています」

同じ苦労なら自分のしたい方を選ぶ。人生の「やり直し」で力がついた

「子どもたちの人生の選択肢を狭めたくない」。その思いがバネになり、30歳でアイラッシュ&アイブロウのサロンをオープン。その後は、美容家としての才能を発揮し始めます。

「養育費をもらえるほうがめずらしいなんて思いもよらなかったし、不安や焦り、行き場のない怒りも抱きました。でも『子どもたちのことは、私が守らないといけない』と、ある意味覚悟もできました。当時の結婚生活では、経済的にいつも夫に後ろめたい気持ちがあって、自分で自由に選択できることが少なかったんです。『小さなことから生き方まで、全部自分で選べたらどんなにいいだろう、幸せだろう』と思っていたので、むしろ力になったところもあります。それは子どもに対しても同じで、私がどうなるかによって息子たちの選択肢は変わる。わがままを許すという意味ではなく、本当にやりたいことが見つかったら、母である私はそれを全力で応援してあげたい、息子たちには生きる道を我慢させたくない。何よりその思いが強かったかもしれません」

幼稚園から小学校、中学校と、教育費や日々の生活費など、子どもにかかるお金は成長するごとに増していくもの。子どもたちとの生活を考えたら、収入が安定する職業に就くことが安心な気もしますが……。

「離婚後は2回目の新たなスタートのようなもの。武器となるキャリアや資格もなく、これから大変なことがたくさんあるのは予測できます。それならば、自分が納得できる苦労をしようと思ったんです。もし人生をやり直せるなら、少しでも自分が本当にやりたいものを選びたい。この『やり直し』も私にとっては大きかったのかもしれません」

上の子たちと同じ屋根の下で暮らせるのはあと数年。できる限りたくさんのことをしたい

どん底の日々を乗り越え、やがて生活も安定。その後も、神崎さんはスピードをゆるめることなく、美容の道をまい進します。34歳で初の著書が発売されたあとは、雑誌の美容企画、セミナーなどで、ママ世代はもちろん、20代など幅広い世代からも支持される存在に。瞬く間に美容家としての地位を確立していきます。

「シングルマザーのときは、パパ、ママ、子どもみんなで買い物をしている家族を見て何回も涙を流しましたが、決して後ろ向きになることはありませんでした。成し遂げたい目標と守るべき子どもたちがいたし、悩んだりメソメソ泣くよりも、一歩でも前進するほうが断然大事だと確信していたから」

2人の子どもを守るため、自分の夢を実現するため、とにかく無我夢中だった毎日。高校生、中学生に成長した神崎さんの子どもたちは、将来の夢に向かっての一歩を踏み出しています。ここまで育ったことにホッとしている半面、母としてはこんな気持ちが……。

「ふたりとも、大きな反抗期がないんですね。私の言うことに面倒くさそうな顔をしたり、『うん』と素っ気ない返事しか返ってこなかったり、そういうものも多少はあるけれど、それでも私に対してワーッと思いの丈をぶつけたり、感情のままに言葉を発することがなくて、そのことには本当に申し訳ない気持ちがあります。息子たちにとって、きっと私は頼りない母だと思うし、私に言いたいことも、たくさんあるかもしれない。今はお世話などで一番下の3歳の子が中心の生活になっていますが、気持ちの面では、お兄ちゃんたちが中心になることもあります。この先、自立して家を出ることを考えると、お兄ちゃんたちと生活できるのもあと数年。できるだけ上の子たちとの時間を過ごしたい、おいしいものを食べさせたい、いろいろな話を聞きたいと、この先一緒にいられる時間を考えながら過ごしています」

第4回へ続きます

撮影/朴 玉順/ヘア&メイク/赤羽麻希(Un ami)/取材・文/長澤幸代


この連載について

美容家として数々の雑誌やセミナーを通じてリアルで説得力のある情報や知識を発信し、これまでに執筆した書籍は累計発行部数118万部超え! 同世代だけではなく、幅広い年代の女性から支持される神崎恵さん。そのやわらかな笑顔やしなやかな雰囲気からは想像できませんが、高校生、中学生、3歳の男の子を育てるスーパーワーキングマザーです。年齢の離れた子どもたちを育てながら、仕事にも全力で挑む毎日をクローズアップ。

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PROFILE
神崎恵さん
神崎恵さん
1975年生まれ。美容家であり、3人の息子をもつ母。アイブロウ/アイラッシュデザインのディプロマ取得。何気ない日常から特別な瞬間まであらゆる場面での女性の美しさを叶える応援をしている。ひとりひとりに合わせたメイクやビューティスタイルを提案するアトリエ「mnuit」を主宰しながら、美容誌をはじめ、幅広い世代の雑誌で連載を持つ他、全国各地にてイベントやメイク講座も数多く行っている。また、複数のコスメブランドのアドバイザーを務め、女性を美しく導くアイテムの開発、プロデュースなど活動の幅を広げている。
自らあらゆるものを試し、ほんとうにいいと実感できるものだけをすすめる、というスタンスが世代を問わず支持されている。書籍も数多く執筆し、累計発行部数は118万部を超える。最新刊「あの人がいつも色っぽいワケ」(大和書房)も好評発売中。

神崎恵さんオフィシャルブログ https://ameblo.jp/kanzakimegumi/
公式インスタグラム https://www.instagram.com/megumi_kanzaki/

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