水いぼはプールで感染するの?プールに入るときの対策やマナーは?

 専門家監修
公開日:2018/06/06
更新日:2018/06/21
水いぼはプールで感染するの?プールに入るときの対策やマナーは?
監修
澤田雅子先生
澤田こどもクリニック院長

暑い季節になると、よく「水いぼができてしまった!」という子が増えてきます。水いぼに感染してしまったら、夏でもプールはあきらめないといけないの?と気になりますね。そこで、水いぼはどんな感染経路でかかるのか、水いぼができたときはどうしたらいいのか、などについてまとめました。

水いぼとは?水いぼはどんな原因でなるの?

「水いぼ」と聞いたことがあっても、どんな原因でかかる病気なのか、知らない人も案外多いようです。水いぼの原因について知っておきましょう。

「伝染性軟属腫ウイルス」に感染してかかる皮膚疾患です

水いぼは、伝染性軟属腫ウイルスに感染して皮膚にいぼができる病気で、正式には「伝染性軟属腫」といいます。0~1歳代の赤ちゃんには比較的少ないのですが、兄弟がいたり、保育園などの集団生活を送っているとうつる可能性が高くなります。

水いぼができても体に害になることはなく、数ケ月から1年ぐらいで自然に治ることが多いでしょう。ただ、ときには治るまでに数年かかることもあります。また、放っておくと全身に広がりますし、感染力が強いのでほかの子にもうつります。

水いぼの症状とは?

水いぼはかかっても深刻な症状になることはありませんが、感染力が強く、広がったり人にうつったりするやっかいな病気です。

肌色の小さいいぼができ、どんどん増えていきます

伝染性軟属腫ウイルスに感染すると、皮膚と同じ色で、直径1~3mm程度の小さな盛り上がったいぼがパラパラとできます。いぼはよく見ると、中心部がツヤツヤしていて内部が黄白色に透けて見え、頂点がおへそのようにへこんでいます。

このツヤツヤした中心部にウイルスが入っているため、破れてウイルスが出てしまうと、ウイルスがついたところに広がっていき体中にできます。特にできやすいのは、肌と肌がこすれ合うわきの下や横腹などです。

水いぼは、はしかのように赤くなることはなく、痛みやかゆみはありません。ただ、皮膚のバリア機能が低下している場所に感染しやすいため、皮膚がカサカサして乾燥していたり、かいて傷がついたりしているところにできやすいのです。

典型的な水いぼで、表面が少しかたくなってツヤツヤしていて、中央が少しへこんでいます。中央部にウイルスが入っているので、つぶれるとウイルスがついたところはどこでも体中に広がり、さわった人にうつってしまいます。

腕の内側、わきの下から胸の横側にかけて、たくさんできている水いぼ。皮膚と皮膚がこすれ合い、水いぼが破れてウイルスが広がりやすい部位にたくさんできます。

水いぼの感染経路は?プールに入るとうつるの?

水いぼは、よく「プールに入るとうつる」と聞いたことがあるかもしれません。でも水につかっただけでうつるわけではない、ということを知らない人も多いようです。

水いぼは、プールの水を介しただけでうつることはありません

水いぼの感染経路は、直接ウイルスにふれることで感染する「直接感染」または「接触感染」です。水いぼができている子が入ったプールの水につかったからといって、うつることはありません。この点、誤解している人も多いようですが、「水を介してうつるのではない」ということを知っておきましょう。

水いぼに感染したらプールは禁止?

あまり知られていないかもしれませんが、水いぼができていてもプールに入ることが禁止されているわけではありません。それは、国などがはっきり認めています。

厚生労働省をはじめ、基本的には水いぼ感染者のプールはOKとしています

厚生労働省では、『2012年改訂版 保育所における感染症対策ガイドライン』で「プールや浴槽内の水を介して感染はしない…」と記述していて、登園停止扱いにはしていません。文部科学省でも、2013年に発表した『学校において予防すべき感染症の解説』で登校(園)の目安の欄に「出席停止の必要はない。」と明記しています。

また、日本小児科学会も『学校、幼稚園、保育所において予防すべき感染症の解説』2017年4月改訂版で、水いぼに関して「プールの水では感染しないので、プールを禁止する必要はない。」と発表していますし、日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会・日本皮膚科学会は、保護者や先生向けの文書で、水いぼは「プールの水ではうつりませんので、プールに入っても構いません。」との統一見解を発表しています。

このように、厚生労働省など国の機関をはじめ、さまざまな医療関係の団体も水いぼ感染者の登園や登校は禁止していませんし、プールに入ることもOKと言っているのですね。

水いぼがある場合のプールの感染対策とマナーは?

水いぼがあってもプールはOKとわかったら、暑い時期はプールに入れてあげたくなりますね。ただし水いぼができていてプールに入る場合には、まずほかの子にうつさないようにすることを第一に考えましょう。

水いぼがあってプールに入るときは、患部を絆創膏などで覆います

厚生労働省や日本小児科学会などでは、登園・登校のめやすとして「(水いぼを)かきこわして浸出液が出ているときは、被覆すること」と言っています。ただ、水いぼから浸出液が出てしまっているときは、覆ってもウイルスをまき散らしてしまう可能性があるため、マナーとしてプールに入るのは控えたほうがいいですね。

水いぼが破れていない場合は入ってもかまいませんが、その際は水いぼが何かにこすれて破けてしまわないようにしておくことが大切です。水いぼができているところを絆創膏や防水パッチなどで覆うか、たくさんできている場合はラッシュガードを着るなどして、水いぼができている肌が露出しないようにするといいでしょう。

水いぼの時にプールにつれて行く場合の注意点は?

水いぼ感染時にプールにつれて行くときは、周囲への気配りを忘れないことが、トラブルを防ぐためにも大切です。

先生や指導者には、水いぼがあることを伝えて

水いぼはウイルスにさわるとうつってしまうため、水いぼがある子が使ったビート板やタオル類は、ほかの子に貸さないようにすることが大切です。

また、幼稚園や保育園でプール遊びをする場合は先生に、スイミング教室に行くときはコーチなどの指導者に、水いぼができていることを事前に伝えましょう。一般のプールも含めて、二次感染予防のために水いぼ感染者はプールに入れないという方針のところもあるようですが、患部を絆創膏などで覆ったり、ラッシュガードなどを着せていればOKという場合もあります。事前にしっかり確認しておくといいですね。

水いぼはプールの水で感染しない、と知っている人でも、水いぼに感染している子とわが子が同じプールに入るとなると、気分的に快く思わない人がいるかもしれません。お互いがイヤな思いをしないですむよう、水いぼができてしまった場合はしっかり対策をしたうえで、楽しくプール遊びができるようにしてあげたいですね。

水いぼを治療したら、プールにはいつから入れるの?

では、水いぼの治療後は、すぐにプールに入ることはできるのでしょうか。いつから入っていいかはさまざまな条件によって違ってきます。

まず、医師と相談して治療するかどうかを決めましょう

水いぼの治療については、実は医師によって少しずつ考え方が違っていることがあります。水いぼは体に害にはなりませんし、痛みやかゆみもありません。さらに、1年くらいのうちにたいてい治る感染症なので、ケアしながら様子を見るという方針の医師も多いのです。

一方では、放置すると水いぼはどんどん増えますし、ほかの子にうつる可能性があるので、数が少ないうちに除去したほうがいい、と考える医師もいます。治療すべきかどうかは主治医とよく相談し、治療した場合と放置した場合、それぞれのメリット・デメリットをしっかり説明してもらったうえで、よく考えて決めることが大切です。

いつからプールOKかは、ケースバイケースなので確認を

水いぼを治療する場合は、特殊なピンセットを使ってつまみ取るのが一般的です。ただ、この方法は痛いので、治療するときには大泣きしたり嫌がったりする子もたくさんいます。そこで、つまみ取る場合は、できるだけ水いぼの数が少ないうちに行うといいでしょう。

医療機関によっては、ピンセットでつまみ取るときの痛みがやわらぐよう、治療前に患部に麻酔テープを貼ってから除去することもあります。そのほか、皮膚科では液体窒素を使って水いぼを凍らせて取り除く方法を行う場合もあります。

さらに、いぼに効くと言われている漢方薬を服用していぼが消えるのを待つ方法もありますが、これは薬が苦くて飲みにくく、効果が出るまでに時間がかかります。

いずれにしても、水いぼを取れば皮膚に傷がつくため、皮膚が良い状態に戻るまではプールは控えます。治療後どれくらいたったらプールがOKになるかは、除去した水いぼの数や治療法などによって違ってくるので、医師に確認して許可が出てからにすることが大切です。

プールやお風呂以外にも?水いぼの他の感染経路は?

水いぼは感染した子と肌がふれあう可能性が高い、プールやお風呂などではうつることがあるかもしれません。それ以外にはどんなときに感染しやすいのかも、知っておきましょう。

タオルなどの共用にも注意が必要です

水いぼは、いぼの中心部が破れて中のウイルスの白い粒がかき傷があるような場所につくことで感染します。感染力も強いため、感染者の肌だけでなく、ウイルスがついた場所にさわっただけでうつることがあります。

プールでは、水いぼができている子が使ったビート板やタオル類はウイルスがついていることがあるため、念のため共用するのはやめましょう。

家庭でも、兄弟で水いぼに感染している子がいる場合は、洗面所やトイレのタオル、お風呂あがりに使うバスタオルなどは別々にしましょう。

一部画像出典:『はじめてママ&パパの病気とホームケア』(主婦の友社 刊)

監修
澤田雅子先生
澤田こどもクリニック院長
1991年東京大学医学部小児科入局。国立小児病院新生児科、愛育病院小児科、東大病院小児科アレルギー外来などを経て、2003年に澤田こどもクリニックを開業。明るく親しみやすい人柄と、わかりやすい説明が評判のママ先生です。

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