赤ちゃんの鼻水を取る方法は? 咳やくしゃみも伴ったら病気なの?【専門家監修】

 専門家監修
公開日:2018/05/31
更新日:2018/08/29
赤ちゃんの鼻水を取る方法は? 咳やくしゃみも伴ったら病気なの?【専門家監修】
監修
澤田雅子先生
澤田こどもクリニック院長

赤ちゃんが鼻水を出していると、「風邪?」などと心配になりますね。鼻水が出ているときは鼻づまりも起こりやすいので、苦しそうな赤ちゃんを見ているのはつらいものです。そんなとき、何科を受診したらいいのか、また鼻水に加えてどんな症状になったら受診すべきかなど、鼻水が出ているときの対処法と鼻水の原因などを詳しくお知らせします。

赤ちゃんは鼻水が出やすいの?

赤ちゃんは鼻の働きやつくりから、もともと鼻水が出やすいのです

赤ちゃんは鼻が短くて高さもないので、鼻腔(鼻の穴の中の空間)がもともと狭いうえ、鼻の粘膜が敏感なために大人と同じくらい鼻水が出ます。

また、私たちの鼻やのどには、空気中のウイルスや細菌が体に侵入しないよう、防御システムが働いています。でも赤ちゃんは鼻やのどの防御システムが未発達なため、ウイルスの侵入を防ぐ力も十分ではありませんし、自分で鼻をかむこともできません。そのためウイルスや細菌などに感染しやすいこともあります。

こうしたことが重なるため、赤ちゃんは大人と比べてさまざまな面で鼻水が出やすいと言えるでしょう。

赤ちゃんの鼻水が出る原因は?

鼻粘膜への刺激や病原体への感染、アレルギーなど、鼻水の出る原因はさまざまです

鼻の粘膜は、刺激を受けるとくしゃみとともに鼻水が出たり、鼻がつまったりします。ほこりっぽいところを出歩いたときなどには、大人でも鼻水が出やすいですね。赤ちゃんは鼻の粘膜が敏感なために、冷たい空気に触れるなど少し気温が変化したくらいでも、刺激を受けて鼻水が出ます。

また、ウイルスなどに感染すると鼻粘膜に充血やむくみが起きて、ウイルスを追い出すための体の体の防御反応として出る鼻水などの症状をよりつらくしてしまいます。

アレルギー体質があるために、鼻水が出ることもあります。花粉症がその代表ですが、アレルギーの原因となる物質に接したときに、アレルギー反応として鼻水が出たるのです。ただし、花粉症は症状が出るとしても2~3才ごろからで、赤ちゃん時代にアレルギー性鼻炎の診断がつくことはないでしょう。

そのほか、鼻水が主な症状の病気には以下のようなものがあります。

風邪

風邪のウイルスに感染すると、とくにひきはじめには軽い咳やくしゃみ、発熱とともに鼻水が出たり鼻がつまったりします。

一般に、風邪の初期はサラサラの鼻汁が出ますが、次第に粘り気のある鼻汁が出てくることがあります。粘り気はあっても、色がついていなければ心配いりません。

赤ちゃんが風邪にかかったときの症状や、対処・予防方法は?
赤ちゃんが風邪にかかったときの症状や、対処・予防方法は?
大人でも子どもでも、誰もが何度も経験する病気が「風邪」です。誰でもかかるだけに軽くすむものと思いがちですが、抵抗力の弱い赤ちゃんがかかると重症化したり合併症を起こすこともあり、実は甘く見てはいけない病気です。そんな風邪の症状や、かかってしまったときの対処方法、そして風邪をひかないための予防法などをまとめました。
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急性鼻炎(鼻風邪)

風邪などのウイルスに感染して、鼻の内側の粘膜が炎症を起こします。赤ちゃんは鼻の穴が小さく鼻粘膜も敏感なので、鼻炎の症状が目立ちやすいのです。ウイルスの感染が鼻だけですめば、鼻炎だけでおさまることもあります。

急性副鼻腔炎

副鼻腔とは鼻腔(鼻の穴の中)の奥にある空間で、副鼻腔の粘膜がウイルスや細菌に感染して起こる病気。たいていは、風邪から引き続いて起きます。

急性副鼻腔炎にかかると熱が出て副鼻腔にウミがたまるので、粘り気があって黄色や黄緑色の鼻水が絶え間なく出ます。粘り気のある鼻水は出にくいので、口を開けて呼吸するようになるでしょう。鼻水がのどにたまると、咳や痰(たん)が出ることもあります。

放っておくと慢性の副鼻腔炎(蓄膿症)に移行したり、中耳炎を起こすこともあるので、受診して治療し、しっかり治すことが大切です。

赤ちゃんの鼻水が続く時、病院に行く目安は?

苦しくて飲めない、眠れないなどのときは受診しましょう

軽い鼻水や鼻づまりは赤ちゃんによくあることです。また、鼻水が出ていると、ズーズーと音がすることがありますが、赤ちゃんはそれほど苦しくないことが多いものです。いずれにしても、赤ちゃんが元気でおっぱいやミルクも飲めていて、夜も眠れているなら心配いりません。

ただ、鼻水や鼻づまりのためにおっぱいやミルクが飲めない、息苦しくて夜も眠れない、など、以下のような様子が見られたときには、小児科を受診しましょう。症状をやわらげる薬を処方してくれます。

【病院に行く目安】

しばらく家で様子を見てOK

●朝や夜など気温が下がったときに、透明な鼻水が出る
●鼻水・鼻づまりだけで、熱などほかの症状がない
●鼻水は出ていても、元気でおっぱいやミルクはよく飲んでいる
●よく眠れている

受診しましょう

●鼻水以外に、熱などほかの症状がある
●鼻水・鼻づまりがひどくて、おっぱいやミルクが飲めない
●鼻水・鼻づまりのせいでよく眠れていない
●鼻水・鼻づまりのため口で呼吸している
●水っぽい鼻水が止まらない
●黄色いねっとりした鼻汁が止まらない
●黄色い鼻汁が出るうえに、不機嫌が続く
●黄色い鼻汁が出るうえに、咳もしている
●突然、鼻がフガフガ鳴り出した
●鼻がくさい、異臭がする

咳やくしゃみを伴う鼻水は病気なの?

鼻水+発熱、咳などの症状があるときは、病気の疑いがあります

鼻の粘膜が刺激を受けた場合は、鼻水が出るだけでほかに症状は見られませんし、少し時間がたつとおさまってきます。

一方、ウイルスや細菌などの病原体に感染したときには、鼻水だけでなく咳やくしゃみなどの症状を伴うことがあります。どのような病気があるのか、知っておきましょう。

インフルエンザ

インフルエンザウイルスに感染してかかります。初期には鼻水や咳など症状が風邪と似ていますが、風邪より感染力が強く症状も強く出るのが特徴です。

1~2日の潜伏期間をおいて、鼻水のほか高熱が出たり、咳も出ます。ウイルスのタイプによっては、下痢や嘔吐を伴うこともあります。のどの痛みや関節痛も伴うため、赤ちゃんがかかると非常に不機嫌になります。

RSウイルス感染症

風邪は多くの場合、鼻からのどにかけての上気道といわれる部位にウイルスがすみつくのですが、RSウイルスは気管支から肺にかけての下気道に感染します。

幼児以上の子どもがかかったときは、症状はたいてい、鼻水、咳、発熱などですみますが、乳児がかかって悪化すると呼吸困難などの重い症状をともなう細気管支炎を引き起こし、命にかかわることもあります。特に、生後6ヶ月までの月齢の低い赤ちゃんは注意が必要です。激しいせきが出たり、呼吸のたびに「ヒューヒュー」「ゼロゼロ」という音が聞こえたりするときは、至急受診してください。咳が激しく水分が取れない状態になった場合は、点滴目的で入院が必要です。

クループ症候群

パラインフルエンザやアデノなどのウイルスや、インフルエンザ菌などの細菌に感染して、喉頭(のどの奥から気管と食道が分かれるあたり)に炎症が起きます。気道の最も細い部分が、炎症のため腫れて狭くなって呼吸がしにくくなるため、「ケーンケーン」「オウッオウッ」など、犬の遠吠えやアザラシの鳴き声のような特有の咳をするのが特徴です。

原因がウイルスの場合、風邪のように鼻水が出ることもあります。風邪だと思っていたらだんだん黄色っぽい鼻水が出るようになってきたという場合は、クループ症候群の疑いがあります。クループ症候群になると、気道閉塞を起こす恐れもあるので、見逃せません。上記のような特有の咳をし始めたら、夜中でも大至急病院へ行きましょう。

細気管支炎

気管支が枝分かれして細くなった末端が炎症を起こす病気で、おもに冬に流行するRSウイルスやパラインフルエンザウイルスに感染してかかります。

生後6ヶ月未満の赤ちゃんがかかりやすく、新生児でもかかります。鼻水や軽い咳といった風邪症状に引き続いて起こります。咳がだんだんひどくなって息苦しそうな様子になり、呼吸をするたびに「ヒューヒュー」「ゼーゼー」と喘鳴(ぜんめい)がすることもあります。

普通の気管支炎とは比べ物にならないくらい苦しそうな呼吸になり、症状はあっと言う間に進行します。痰などの分泌物や粘膜のむくみなどによって細気管支が細くなったりふさがれたりすると、場合によっては命にかかわることもあります。

特に、生後1ヶ月未満の赤ちゃんがかかると、鼻水や咳などの初期段階でも無呼吸になることがあります。風邪のような症状が出ていると思っているうち、「ヒューヒュー」「ゼーゼー」と喘鳴が聞こえるようになってきたら、至急受診しましょう。

はしか

麻疹ウイルスに感染して起こります。このウイルスは感染力が強く、空気感染でもうつるため、かかっている人と接触した時抗体を持っていなければ必ずといっていいほど発症します。麻疹の予防接種を受けて抗体を持っていればかからないので、ワクチンは必ず受けましょう。

はしかは日本でも多くの人が予防接種を受けたおかげで、国外から持ち込まれない限り発生しません。そのため、発生すれば必ず報道されますので、そういう情報に注意することが大事です。

また、感染した可能性があり、状が怪しいと思ったら、受診する前に医療機関にまず電話してそのことを伝えてください。これは感染を広げないために特に重要なことですので、是非守りましょう。

症状は、はじめは鼻水や咳などの風邪に似た症状が強く、38度台の高熱が出ます。この時点では重症感がある人もない人もいます。熱は3~4日で一度下がり、半日~1日して再び上昇して39度以上になって、同時に発疹が出ます。

はしかは、肺炎や中耳炎、脳炎・脳症といった合併症が怖い病気なので、疑わしいときにはまず病院に電話してどうしたらよいか相談し、医師の指示に従ってください。

百日咳

百日咳菌の飛沫感染によってかかります。感染力が強く、ママから免疫をもらうことが少ない病気なので、新生児でもかかる可能性があります。

最初は鼻水、咳、くしゃみといった症状で風邪と間違えやすいのですが、咳がだんだん強くなっていき、2~4週間で独特な咳をするようになります。「コンコン」短い咳き込みを十数回したあと、「ヒューッ」と最後に音を立てて息を吸い込み、とても苦しそうです。この咳はその名の通り3カ月近くも続き、生後3カ月未満の赤ちゃんがかかると命にかかわることもあります。

百日咳ワクチンを含む四種混合の標準的な接種時期は生後3カ月からなので、ほかのワクチンとの同時接種を取り入れながら生後3カ月になったら早めに受け始めるのがおすすめです。

鼻水が出ているときは、急性中耳炎にも要注意

急性中耳炎の原因はおもに細菌ですが、ウイルスのこともあります。鼻やのどから入り込んだ細菌やウイルスが、のどと耳をつなぐ耳管を通して耳に感染することで、中耳が炎症を起こします。

鼻水が直接の原因ではありませんが、特に色のついた鼻水の中には細菌がたくさん含まれます。鼻水が長引いていると、鼻水の中の細菌が耳管を通って耳に感染を起こす可能性があります。鼻水はできるだけ吸い取ってあげたほうが、赤ちゃんも気持ちいいでしょう。

赤ちゃんの鼻水は何科の病院に行くべきなの?

迷ったときは、まず小児科で診てもらいましょう

赤ちゃんが鼻水を出しているとき、小児科か耳鼻科のどちらに行ったらいいのか、迷ってしまうこともあるでしょう。

耳鼻科は文字通り、耳と鼻、そしてのどが専門です。鼻水だけでほかの症状が見られないようなときには、耳鼻科で鼻水を吸い取ってもらうといいでしょう。

一方、小児科は子どものあらゆる病気を専門に診てくれます。子どもの病気の症状や病気について詳しい医師が診察するため、子どもに特有の病気を見つけてくれます。どちらを受診したらいいか迷ったときは、まずは小児科を受診するといいでしょう。

特に、鼻水以外の症状が出ているときは、何らかの感染症にかかっている疑いもあります。

小児科では、子どもの全身状態をしっかり診て総合的な診断をしてくれます。鼻水が出るから風邪だと思っていても、実は他の病気が隠れていることもあるものです。小児科なら、鼻水以外の症状も考慮に入れて、重大な病気が隠れていないかしっかり診てもらえるでしょう。

耳鼻科を受診する目安

・熱はなく、鼻水だけが出ている
・鼻水がたまっているため、息苦しい
・耳を気にしたり痛がったりしている

小児科を受診する目安

・鼻水に加えて、発熱、痰、咳、下痢、嘔吐などの症状がある
・耳鼻科を受診したが、症状が治まらない
・鼻水が出ているうえ、ぐったりして元気がない、不機嫌が続く などのとき

鼻水が出ているときは、急性中耳炎にも要注意

急性中耳炎の原因はおもに細菌ですが、ウイルスのこともあります。鼻やのどから入り込んだ細菌やウイルスが、のどと耳をつなぐ耳管を通して耳に感染することで、耳の中耳が炎症を起こします。

鼻水が直接の原因ではありませんが、特に色のついた鼻水の中には細菌がたくさん含まれます。鼻水が長引いていると、鼻水の中の細菌が耳管を通って耳に感染を起こす可能性があります。鼻水はできるだけ吸い取ってあげたほうが中耳炎になりにくく、赤ちゃんも気持ちいいでしょう。

赤ちゃんの鼻水への対処法を教えて!

湿度を保ち、寒い時期なら暖かくします

鼻水は咳と同様、ウイルスや細菌を追い出すための体の防御反応なので、基本的には薬で止めないほうがいいのです。とはいえ、赤ちゃんが少しでも楽になって気持ちよく過ごせるよう、ケアのポイントを知っておきましょう。

鼻水が出ているときのホームケアは、加湿・加温がポイントです。室内は、あたたかくして適度な湿度を保つようにすると、赤ちゃんが快適に過ごせます。熱がなければ、お風呂に入れるのもいいですね。お風呂はあたたかくて湿度が高いので、鼻も通りやすくなり、呼吸がラクになります。

赤ちゃんの鼻水の吸引方法を教えて!

鼻水が出やすい状態にしてから拭くか吸い取ります

鼻水を吸う前には、鼻水が出やすい状態にすることが大切です。

・室内を加湿する
・温かい蒸しタオルを赤ちゃんの鼻に当てる
・お風呂に入れる

上記のような方法で、鼻の粘膜をうるおわせて鼻の通りをよくしておくと、赤ちゃんの呼吸が楽になりますし、スムーズに鼻水を吸い取ることができます。
鼻水が出ているときには、次のような方法で早めにとってあげましょう。

くしゃみをさせる

ティッシュで細長いこよりを作ったら、先端を赤ちゃんの鼻の中に少し入れてくしゃみをさせましょう。くしゃみをするときの勢いで、鼻の奥にたまっていた鼻水が出てきます。鼻水は、ガーゼやティッシュですぐ拭きとりましょう。

綿棒でとる

赤ちゃん用綿棒の根元近くを持って、鼻の穴に入れます。綿棒をゆっくりまわして引き抜くと、手前の鼻水からつながっている奥のほうの鼻水まで、絡めとってくれます。赤ちゃんが急に顔を動かすと危ないので、片手でしっかり顔をおさえて行いましょう。

なお、鼻の粘膜は傷つきやすいので、綿棒を入れるのは鼻の入り口だけにしてください。綿棒の先を水で濡らしておくと、効果的です。この方法は、少し粘り気のある鼻水や鼻くそをとるのにおすすめです。

ガーゼやティッシュでふきとる

サラサラの鼻水が出ているときは、ぬるま湯でしぼったガーゼややわらかいティッシュでこまめに拭きとりましょう。ゴシゴシこすると赤ちゃんのやわらかいお肌を刺激するので、ティッシュなどで鼻水を吸わせるように、やさしく拭きとるのがコツです。

鼻水吸引器を使う

鼻水がたくさん出ているときは、市販の鼻水吸引器なら手軽に吸い取れて赤ちゃんも早く楽になります。鼻水吸引器にはいろいろなタイプがあります。ベビー用品店やドラッグストア、ネット販売などでさまざまな種類が販売されているので、比べてみて、使いやすく清潔にしておけるものを選ぶといいですね。

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一部画像出典:『はじめてママ&パパの育児』『はじめてママ&パパの病気とホームケア』(主婦の友社 刊)

文/村田弥生

監修
澤田雅子先生
澤田こどもクリニック院長
1991年東京大学医学部小児科入局。国立小児病院新生児科、愛育病院小児科、東大病院小児科アレルギー外来などを経て、2003年に澤田こどもクリニックを開業。明るく親しみやすい人柄と、わかりやすい説明が評判のママ先生です。

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