赤ちゃんに発疹(ほっしん)が出たときの原因と症状と対処法は?【症例写真付&小児科医解説】

 専門家監修
公開日:2018/05/30
更新日:2018/07/04
赤ちゃんに発疹(ほっしん)が出たときの原因と症状と対処法は?【症例写真付&小児科医解説】
監修
澤田雅子先生
澤田こどもクリニック院長

赤ちゃん時代は、肌にポツポツと発疹が見られることがあります。すべすべしたきれいな赤ちゃんの肌に、発疹ができると心配ですね。発疹もは心配する必要のないものもありますが、病気のサインとして出ている場合もあり、病気の中には特徴的な発疹が出ることから診断がつくこともあります。今回は、病気が原因で出る発疹についてまとめました。発疹の種類や出方、発疹が出る病気などについて知っておき、正しく対処ができるようにしておきましょう。

赤ちゃんの発疹の種類と症状は?

「発疹」とは、ひと口に言えば皮膚に起きた変化の総称です。「発疹」と「湿疹」の違いがわかりにくいという人もいますが、湿疹はたとえば「脂漏性湿疹」のように、皮膚に炎症が起きて表面が変化した状態のことをいい、病名を表します。

発疹の原因は、ウイルスや細菌などが体内に侵入してきたときの防御反応や、皮膚の表面に何らかの刺激があったときの反応で起こる肌トラブルなどさまざまです。

また、発疹は形状によって、以下のような種類があります。

斑(はん)

皮膚の盛り上がりはなく、あざのような平らな発疹。色だけが赤く変わります。りんご病や紫斑病の発疹がこれにあたります。

丘疹(きゅうしん)

円形にポツポツと盛り上がった、直径1㎝までの発疹。はしか、突発性発疹、風疹などにかかるとできます。

膨疹(ぼうしん)

皮膚のごく表面が、境界のはっきりしたみみずばれ状に盛り上がる発疹。じんま疹がこれにあたります。

水疱(すいほう)

皮膚の表面に水がたまった水ぶくれの発疹。水疱瘡、手足口病、とびひなどがこれにあたります。

赤ちゃんに発疹が出る仕組みは?

発疹は、病気によってさまざまな出方をします

発疹には、病原体が血管に作用してできるものもあれば、水疱瘡のように、発疹にウイルス自体が存在するケースもあります。また、細菌が出す毒素か発疹を引き起こす場合もあり、発疹が起きるメカニズムはさまざまです。

また、発疹は病気ごとに独特なあらわれ方をするため、診断するための大きな手がかりになります。

発疹が出たときのチェックポイント5

赤ちゃんの顔や体に発疹が出たときには、裸にして全身をよく観察し、次のような点をチェックします。受診した際に、医師に伝えましょう。

1)熱はあるか

何らかの感染症によって発疹が出ている場合は、発熱を伴うことが多いのですが、発熱を伴わない発疹もあります。

2)発疹はいつ出たか 

発疹が出たタイミングが、
①発熱とほぼ同時に出た
②いったん下がった熱がぶり返すと同時に出た
③熱が下がってから出た
などのどれかを覚えておきましょう。

3)発疹の色、大きさ、形 

発疹の出始めから、色や大きさ形をよく見て、それがどう変わっていったかもよく観察します。

4)出た部位と出方 

顔、手足、背中、お腹などをくまなく見ます。足の裏や手のひらも忘れずにチェックしましょう。

5)かゆみはあるか 

赤ちゃんが発疹にしきりに手を伸ばすときは、かゆみがある可能性が高いでしょう。

発疹が出る病気ってどんなのがあるの?

発疹は、乳児脂漏性湿疹やあせもなどのように、皮膚の表面に起こる肌トラブルのこともあれば、はしかや水疱瘡などのように、ウイルスや細菌などに感染したことで起こることもあります。また、食べ物やハウスダストなどのアレルゲンに接したときに、アレルギー反応によって発疹が出ることもあります。

身体の部位によって発疹の出方が違うの?

発疹は、あらわれた身体の部位によって出方が違う、ということはありません。発疹は、発疹の原因や病気の種類によって出方や出る部位、形状などが変わってきます。

そのため、発疹に気づいたときは全身をよくチェックして、出方や出た部位のほか、形状をよく確認することが大切なのです。

発疹の出る体の部位と考えられる病気

皮脂の分泌が盛んな月齢の低い赤ちゃんの場合、新生児にきび、乳児脂漏性湿疹などの肌トラブルができやすい部位です。そのほか、アトピー性皮膚炎ができることもあります。

また、はしか、風疹、水疱瘡、溶連菌感染症、りんご病といった感染症でも顔に発疹が出ることがありますが、発疹の形状は病気によって変わってきます。

手足

あせも、アトピー性皮膚炎、アレルギー反応などのほか、感染症では、はしか、風疹、水疱瘡が手足全体に出ます。手足口病は手のひらや足の裏、ひじやひざに、溶連菌感染症は手のひらや足の裏、りんご病は上腕や太ももに、と病気によっては手足のほぼ決まった範囲に出ることも。

背中

肌トラブルでは、あせも、アトピー性皮膚炎のほか、アレルギー反応など。感染症では、はしか、風疹、水疱瘡、手足口病、溶連菌感染症、突発性発疹などの発疹が出ます。

お腹

あせも、アトピー性皮膚炎、アレルギー反応などはお腹にも出ます。感染症は、突発性発疹がお腹や背中を中心に出るのをはじめ、はしか、風疹、水疱瘡、溶連菌感染症もお腹に出ることがあります。

発熱なしで赤ちゃんに発疹が出たときの原因と症状と対処法は?

熱が出なくて発疹が出るのは、肌トラブルやアレルギー反応が多いでしょう。原因によって対処法が異なります。

新生児にきびの原因と症状と対処法

新生児にきびの画像

原因・症状

生後1ヶ月ごろをピークに、赤ちゃんの頭皮やおでこやほおなどに赤いポツポツができます。新生児期にホルモンの関係で出る生理的なもので、2~3ヶ月ごろには治っていきます。

対処法

皮脂の分泌量が多いことからできるので、石けんでしっかり洗ってよく流したあと保湿ケアを続けているとよくなります。

乳児脂漏性湿疹の原因と症状と対処法

乳児脂漏性湿疹の画像

原因・症状

皮脂の分泌量が多い、生後3ヶ月くらいまでの赤ちゃんに多く見られる湿疹。頭やひたい、眉毛、小鼻の周りなど、脂っぽくなりがちな部位にでき、ふけのようなかたまりがこびりついて、やがて黄色いかさぶた状になります。たいていの場合、かゆみはありません。

対処法

ベビーオイルなどでふやかしたあと石けんでよく洗い、皮脂にこびりついた汚れをしっかり落とすことが第一ですが、取ろうとして爪を立てたりして傷つけるともっとひどくなります。かさぶたが厚くてなかなか取れない時は受診して医師に相談しましょう。

あせもの原因と症状と対処法

あせもの画像

原因・症状

大量の汗をかいたことで皮膚がふやけて汗の穴がふさがれ、行き場を失った汗が皮膚の内側にたまって炎症を起こした状態。頭やひたい、首の周りやわきの下、背中など汗をかきやすいところに小さな赤いポツポツができ、たいてい強いかゆみを伴います。

対処法

軽い場合は、汗をかいたらこまめに着替えさせたりシャワーなどで洗い流し、エアコンを上手に使って汗をかかないようにするとすぐに治ります。かゆみが強かったりかきむしってしまったときは、受診を。

アレルギー反応の原因と症状と対処法

アレルギー反応を起こした赤ちゃんの画像

原因・症状

アレルギー体質を持った赤ちゃんが、アレルギーの原因となるアレルゲンの食品を食べたり物質に触れたときに出る反応で、皮膚にも出ます。じんましんもアレルギー反応のひとつです。

対処法

原因となる食品や物質を特定するため、アレルギー検査をすることもありますが、じんましんの原因などはわからないことも多いです。アレルゲンがわかったときは、医師の指導のもとで除去が必要か相談したり、必要な場合は薬を服用します。

アトピー性皮膚炎の原因と症状と対処法

アトピー性皮膚炎の赤ちゃんの画像

原因・症状

アトピー性皮膚炎になる子は、もともと皮膚のバリア機能が弱く壊れやすいため、何かの刺激を受けて皮膚をかいて傷ついたところからアレルゲンが侵入し、肌にアレルギー反応が出て炎症を起こすと考えられています。

アトピー性皮膚炎は、かゆみの強い湿疹が顔や頭から出始めます。やがて、手足の関節の内側、おなか、足首など、徐々に体の下に向かって左右対称に広がっていき、よくなったり悪くなったりをくり返すのが特徴です。

対処法

対処法は、まずバリア機能を回復させ皮膚を良い状態に戻すことです。十分な保湿剤と、場合によってはステロイド剤の軟膏を使って炎症を抑えます。皮膚の状態がよくなったら、清潔にして保湿を続け、肌をよい状態に保つことが大切です。

虫さされの原因と症状と対処法

虫さされの赤ちゃんの画像

原因・症状

蚊などの虫に刺されたことが原因で、皮膚が赤く腫れるなどの炎症が起きます。赤ちゃんの肌はデリケートで刺激に弱いので、虫に刺されたところをかきむしって腫れたり、赤くて小さくかたい発疹ができてしまうこともあります。

対処法

虫に刺されたら、水で洗い流すか、冷たい水でしぼったタオルで冷やします。市販のベビー用虫刺されの薬を使ってもいいですが、赤く腫れてきたりかきむしったりした場合には小児科か皮膚科を受診しましょう。

とびひの原因と症状と対処法

とびひの赤ちゃんの画像

原因・症状

すり傷や虫刺され、湿疹をかきこわしたところに黄色ブドウ球菌などの細菌が感染して、水ぶくれができます。水ぶくれの中には菌が含まれているため、水ぶくれが破れて菌がつくと、皮膚のほかの場所やほかの子にも次々とうつります。

対処法

小児科を受診し、原因となる菌に効く抗生剤を処方してもらいます。とびひ同士がくっついて範囲が広くなったりジュクジュクがひどいときは、塗り薬も処方されます。家庭では薬を塗り、ガーゼと包帯でおおいます。

発熱ありで赤ちゃんに発疹が出たときの原因と対処法は?

突発性発疹の原因と症状と対処法

突発性発疹の赤ちゃんの画像

原因・症状

鼻水やせきなど風邪のような症状はあまり見られず、かなり高めの熱が3~4日続き、その後、急に熱が下がります。解熱後半日~1日たってから、おなかを中心に盛り上がりの少ない細かく赤い発疹が出始めて、次第に全身に広がります。

発疹が出たあとで別人のように機嫌が悪くなるのも、この病気の特徴の一つです。2~3日で機嫌は戻ります。

対処法

熱は高くても、赤ちゃんは比較的元気で余裕があります。高い熱が急に出るので熱性けいれんを起こすことはありますが、合併症を起こすこともほぼないので、水分補給と安静に努めて回復を待ちましょう。

はしかの原因と症状と対処法

はしかの赤ちゃんの画像

原因・症状

麻疹ウイルスに感染してかかり、せきや鼻水などの風邪症状が強く出て、熱も38度台まで上がります。熱は3~4日で一度下がり、半日~1日して再び上昇して39度以上になり、同時に発疹が出ます。白目も充血して重症感があります。ややぼこぼこした印象の発疹は赤みが強く、いくつかがくっつくこともあります。発疹は、顔の方から次第に下に広がっていきます

対処法

症状が出ている間は、安静第一にして水分補給に努めます。肺炎や中耳炎、脳炎・脳症といった合併症が怖い病気なので、発疹が出た後も高熱が続いたりけいれんを起こした場合は、大至急病院へ。

ただし、はしかは感染力がとても強く、抗体を持っていない乳児や免疫力が低下している人に決してうつしてはいけません。周囲に患者さんが出たというニュースを聞いたり、同じような症状の人がいて感染した可能性がある場合は、自分の判断で動かず、まずは電話で医療機関に相談してください。

水疱瘡の原因と症状と対処法

水疱瘡の赤ちゃんの画像

原因・症状

水痘帯状疱疹ウイルスが原因の感染症で、感染して約2週間で微熱が出て、虫刺されのような赤く細かい発疹が顔や体に出ます。発疹は頭や陰部など身体中にできて、やがて水ぶくれになって全身に広がります。かゆみが強いのが特徴。水ぶくれはしだいに乾き、1~2週間かかってだんだんかさぶたになります。

対処法

発症して2日以内なら、発疹や発熱などの症状を軽くするのに抗ウイルス薬が有効です。発疹のかゆみが強いので、赤ちゃんがかかないよう爪を切って、よく注意します。かゆみを抑えるため、抗ヒスタミンの塗り薬を使うことも。

手足口病の原因と症状と対処法

手足口病の原因と症状と対処法

原因・症状

コクサッキーウイルスやエンテロウイルスなど複数のウイルスが原因でかかり、文字通り、手のひら、足の裏のほか、口の中に発疹ができます。

発疹は周囲が赤くて真ん中が白く、米粒くらいの大きさの水ぶくれになるのが特徴。口の中の水ぶくれは破れてただれ、痛くて飲んだり・食べたりしづらくなります。熱は出ても38度くらいで、出ないこともあります。

対処法

特に治療はせず、家で水分補給をして安静にしていれば自然に治ります。

風疹の原因と症状と対処法

風疹の原因と症状と対処法

原因・症状

原因は風疹ウイルスで、38度程度の発熱と同時に、赤くて小さい発疹が体中に出ます。発疹同士がくっつくことはあまりありません。耳の後ろのリンパ節が腫れるのも特徴です。「三日ばしか」ともいわれるように、短期間で済むことがほとんどですが、大きい子がかかると倦怠感が強くなります。

対処法

症状が軽く短期間で治るので、家で静かに過ごします。

りんご病の原因と症状と対処法

りんご病の赤ちゃんの画像

原因・症状

ヒトパルボウイルスB19というウイルスが原因で、ほほや二の腕、太ももなどにレース模様のような赤くて盛り上がりのない発疹が出ます。両頬の発疹はほてりを伴います。熱は出ても微熱程度で、ほとんど出ません。

対処法

特に治療はしなくても、家で安静にしていれば自然に治ります。

溶連菌感染症の原因と症状と対処法

溶連菌感染症の赤ちゃんの画像

原因・症状

溶血性連鎖球菌(溶連菌)という細菌によって起こり、のどの奥が真っ赤になって痛みを伴い、高熱が出ます。熱は1~2日でひくことが多く、同時に赤く細かい発疹が全身に広がります。手のひらや足の裏や、身体の一部だけが真っ赤になったり、発疹の出方はさまざまです。舌のボツボツが赤く大きくなる「いちご舌」が特徴です。

対処法

小児科でキットを使って検査をすれば、すぐに診断がつきます。腎炎やリウマチ熱といった合併症を起こさないために、溶連菌がいるとわかったら抗生剤で治療します。治療を開始すれば、熱や発疹の症状は1~2日ですぐによくなり、登園・登校もできますが、処方された薬はしっかり飲み切ることが大切です。繰り返しかかることが多い病気です。

のどの痛みのために、飲む量・食べる量が極端に落ちることも。子供が好んで飲むものを与えて、こまめに水分補給をしましょう。

赤ちゃんの発疹で病院を受診する目安は?

感染症によって発疹が出たと思われるとき、症状が発疹だけなら急を要するものではありませんが、診察時間内に受診しましょう。発疹が出る病気には、赤ちゃんによっては重症化するものもあるので、発疹に気づいたら必ず小児科を受診して、原因を確認することが大切です。

発疹ができて受診する際は、受付で発疹ができていることを伝えて、感染症でうつる疑いがあれば別の部屋で待たせてもらいましょう。

熱は出なくて肌トラブルによる発疹ができた場合でも、かきむしってしまったりジュクジュクするなど症状がひどいときには、受診して症状に合った塗り薬などを処方してもらうといいでしょう。

赤ちゃんにできやすい発疹は、原因がさまざまでいろいろな形状のものがあります。病気によっては特徴的な発疹が出るものもありますが、ママでは判断することは難しく、感染症のサインであることも多いので、医師に診断してもらうことが必要です。赤ちゃんに発疹が出ているときは、よく観察したうえで受診すると安心です。

文/村田弥生

画像出典:『はじめてママ&パパの病気とホームケア』(主婦の友社 刊)

監修
澤田雅子先生
澤田こどもクリニック院長
1991年東京大学医学部小児科入局。国立小児病院新生児科、愛育病院小児科、東大病院小児科アレルギー外来などを経て、2003年に澤田こどもクリニックを開業。明るく親しみやすい人柄と、わかりやすい説明が評判のママ先生です。

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