赤ちゃんがかぜをひいたときのホームケア、どうすれば?

 専門家監修
公開日:2018/08/29
赤ちゃんがかぜをひいたときのホームケア、どうすれば?
監修
十河 剛先生
済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科副部長

赤ちゃんがかぜをひいたり、発熱したりするとママはオロオロしてしまいますよね。いざというとき慌てないために「解熱剤は使ったほうがいいの?」「熱のとき服は着せるの? 脱がせるの?」など、かぜと発熱のホームケアについて知っておきましょう。

かぜはなるべく居心地をよくして、自然に治るのを待つのが基本。
かぜ以外の病気も、発熱時のケアは同じです

かぜのようにウイルスが原因の病気には、それを治す特効薬はありません。かぜをひいても、軽いせきや鼻水程度の症状なら、特に治療はせず自然に治るのを待ちます。あわてて病院へ行くよりも、家でゆっくり過ごしながら様子を見るほうが、赤ちゃんにとっても負担が少ないでしょう。
発熱時のチェックポイントは、熱の高さではなく赤ちゃんの全身状態です。熱が出るのは、免疫システムがウイルスや細菌をやっつけようとはたらいているからなので、薬などで無理に下げる必要はありません。多少熱が高くても、さほど機嫌が悪くなく食欲もあるなら、様子を見ていいのです。熱のためにぐずったり食欲が落ちたりしている場合、呼吸や顔色などが普段と大きく変わらず、水分が十分にとれているなら、診察時間内に受診すればいいでしょう。
かぜのホームケアは、赤ちゃん自身がかぜのウイルスをやっつけるまで、できるだけ過ごしやすく体力を消耗しないように手助けしてあげることがポイントです。室内は温度・湿度を調節し、快適な状態を保ちましょう。鼻水が出たら軽くふきとり、せきが出ているときは室内が乾燥しないよう工夫します。
熱が出て汗をかいているときは着せすぎず、水分補給を第一に心がけます。熱のために赤ちゃんの元気がない、おっぱいやミルクを飲まないなどのときは、病原菌と戦う体力を温存するために、解熱剤を使って一時的にラクにしてあげてもかまいません。

<発熱時のホームケアはこれが基本>

1 熱が上がりきったら着せすぎに注意

熱の出始めは手足が冷たいのですが、熱が上がりきると手足があたたかくなります。顔が上気しているときに、厚着をさせないこと。

体温が上がるときは、末梢の血管が収縮し、手足が冷たくなって寒そうな様子が。あたたかくしてあげましょう。

熱が上がりきったら、ことさらに薄着にする必要はありませんが、体内に熱がこもるのを防ぐため、着せすぎないようにします。

2 無理に熱を下げようとしない

熱は、ウイルスをやっつけるために分泌された免疫物質の反応で出るもの。赤ちゃんにひどくつらそうな様子が見られなければ、薬などで無理に下げなくてもいいのです。

わきの下や太もものつけ根など、太い血管が通っている場所を冷やすとラクになることも。いやがらないなら、タオルで包んだ保冷剤を当てても。

保冷ジェルシートは皮膚の表面温度を約4度下げるので気持ちがいいのですが、解熱効果はありません。いやがらないなら使ってもいですが、無理じいはしないで。

3 水分補給をしっかりと

発熱時は水分が失われやすいので、水分補給が大切。母乳やミルクが十分飲めていればいいのですが、下痢やおう吐がある場合は、経口補水液など電化質を含むものを与えます。

*おっぱい・ミルク
おっぱいやミルクをいつもどおり十分に飲めているなら、多少熱があっても水分補給はそれだけで十分です。

*離乳食
食事からも水分をとっています。食べられるなら内容はいつもどおりで。食欲がないときは、食べられるものなら何でもかまいません。

*白湯・麦茶
症状が熱だけなら、水分補給は白湯や麦茶で十分。飲みたがらなくても、おっぱい・ミルクを飲んでいるなら無理じいしなくても。

*イオン飲料・経口補水液
下痢やおう吐、大量の汗などのときに効率よく脱水を防げます。イオン飲料は大人用を薄めるのではなく、必ず赤ちゃん用のものを。

<鼻水はどうする?>

とったほうがいいのですが、無理にとろうとすると、鼻腔を傷つけることも。ティッシュでぬぐう程度にし、呼吸がしにくい、中耳炎が心配などの場合は、耳鼻科でとってもらいましょう。

<おふろはどうする?>

赤ちゃんが元気で期限もいいなら、熱があっても入れてかまいません。入浴させたほうが早く治るという研究者もいます。ただし、疲れないよう短時間で汗を流す程度にしましょう。

<かぜと発熱のQ&A>

赤ちゃんの熱をはかるのは、どんな体温計がいいですか?

A 短時間ではかれる予測式の棒状体温計がおすすめ
正確なのは水銀体温計ですが、入手しづらく、はかるのに時間もかかります。家庭では、20~30秒ではかれる予測式の棒状電子体温計がおすすめです。

解熱剤は必要ですか? 坐薬がこわくて入れられません

A 基本的には必要ありません。坐薬ではなく飲み薬もありますよ
さほど機嫌が悪くなく水分もとれているなら、解熱剤は不要です。もし赤ちゃんがつらそうで水分がとれないようなら、解熱剤で一時的に体をラクにし、病原菌と闘う体力を回復させましょう。坐薬が苦手なら飲み薬を処方してもらえます。効果は同じです。

透明な鼻水が青っぱなになるのは重症化のしるし?

A かぜの悪化ではなく、細菌感染した鼻水です
青っぱなは、細菌に感染したときに出ます。ウイルス性であるかぜをこじらせて細菌感染を起こしたケースは「悪化」といえるのかもしれませんが、最初から色のついた鼻水が出ることもあります。

熱性けいれんを起こしたらどうすればいいの?

A 窒息しないよう横を向かせ、体をゆすったりしないこと

衣服をゆるめて横を向かせ、持続時間をはかり、けいれんの様子を確認します。口の中に物を入れたり、体をゆすったりしないこと。体質的に熱性けいれんを起こしやすい子もいますが、5分以内におさまればまず心配ありません。5分以上続くけいれん、左右非対称なけいれんは、救急車を呼んで病院へ。

かぜで処方されるのはどんな薬ですか?

A ウイルスに特効薬はなく、処方されるのは対症療法の薬
ウイルスをやっつける薬はないので、かぜのときに処方されるのは症状をやわらげる薬。おもにせき止め、鼻水止め、たん切り、解熱剤などでしょう。

市販のかぜ薬を使うのは、どんなときですか?

A 休日や夜間など病院を受診。できないときは使って様子見
熱やせきがあっても赤ちゃんがとくにつらそうでなければ、市販薬は不要です。また、市販薬を使っても赤ちゃんがつらそうな様子なら受診して。症状に合った薬を、必要な回数分処分してもらいましょう。

撮影/佐山裕子(主婦の友社写真課) イラスト/もり谷ゆみ

出典 :Baby-mo2017年秋冬号※情報は掲載時のものです

監修
十河 剛先生
済生会横浜市東部病院 小児肝臓消化器科副部長
1995年、防衛医科大学校医学部卒業。複数の病院勤務を経て2007年に済生会横浜市東部病院小児科医長、13年より現職。専門は肝・胆道疾患。武道の有段者で、二児のパパでもあります。

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