水疱瘡の予防接種は必要?受ける時期・間隔・注射回数は?【医師監修】

 専門家監修
公開日:2018/04/06
更新日:2018/07/09
水疱瘡の予防接種は必要?受ける時期・間隔・注射回数は?【医師監修】
監修
澤田雅子先生
澤田こどもクリニック院長

水疱瘡(みずぼうそう)は、症状がそれほど重くない病気と思われがちで、予防接種も以前は希望者が自費で受ける任意接種でした。でも、水疱瘡は感染力が強く、合併症を起こしたり、大人になって帯状疱疹(たいじょうほうしん)を発症するなどあなどれない病気で、予防接種は2014年からは定期接種になりました。水疱瘡ワクチンの大切さをしっかり理解して、赤ちゃんの健康を守るためにきちんと受けましょう。

水疱瘡の予防接種は必要なの?定期接種だから受けるべき?

水疱瘡は、ママやパパが子供のころは、「かかっても軽くすむ病気」「自然感染したほうがいいらしい」などと思われていた病気かもしれません。でも、水疱瘡は、感染力がとても強い水痘帯状疱疹ウイルスが原因で、新生児から老人まであらゆる年代の人がかかる病気です。

水疱瘡は子供がかかりやすく、合併症を併発する恐れも

水疱瘡はおもに、くしゃみやせきで飛び散ったウイルスが、気道や結膜から侵入することで感染します。もっともかかりやすいのは、1歳から5歳ごろの子供です。水疱瘡にかかると、発熱が続くこともあり、全身に赤い発疹が出てそれが水ぶくれのようになり、完治するまで1~2週間かかります。症状はわりあい軽いことが多いのですが、合併症で脳炎や肺炎などを併発し、ときには命にかかわることもあります。

感染力が強い水疱瘡を防ぐため、予防接種は必要です

最近では、帯状疱疹にかかる大人が増えているというニュースもありました。帯状疱疹は、水疱瘡のウイルスが原因の病気です。水疱瘡にかかると、治ってもウイルスは全滅せず神経節にずっとひそんでいて、過労やストレスなどで免疫力が落ちたときに、皮膚の感覚神経や三叉神経に沿ってとても痛い発疹が出ます。

水疱瘡は、このようにあなどれない病気です。赤ちゃんが病気にかかって苦しまないようにするためにも、受けられる時期が来たら、できるだけ早く予防接種を受けることが大切なのです。

水疱瘡の予防接種はいつ受けるべき?時期はいつから?

水疱瘡の予防接種は、1歳過ぎたら受けられます

水疱瘡の予防接種を定期接種として受けられる時期は、1歳のお誕生日から3歳になる前日までです。赤ちゃんも、1歳過ぎるとあちこちお出かけしたり人と会う機会も多くなり、水疱瘡に感染する機会も増えますね。特に、1歳前から保育園などの集団生活に入っている子や、今後保育園に入園予定のある子は、1歳になったらできるだけ早く、水疱瘡ワクチンの1回目を受けておくと安心です。

水疱瘡の予防接種の回数と間隔は?

接種回数は2回で、1回目から3ケ月以上あけて2回目を接種

水疱瘡のワクチンは、確実に免疫をつけるため2回接種します。標準的には生後12ケ月から15ケ月(1歳から1歳3ケ月)までに1回目を接種後、3ケ月以上(標準的には6~12ケ月)あけて2回目を接種します。

予防接種を受けるワクチンは、0歳代ほどではありませんが、1歳代でもかなりあります。1本ずつ受けるようだと、接種のスケジュールを組むのはとても大変です。そこで、水疱瘡の1回目の接種は、ほかのワクチンと同時接種をするといいでしょう。水疱瘡と同時に受けられるワクチンは、定期接種のものではヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、四種混合ワクチンそれぞれの追加接種、MRワクチンの1回目があり、任意接種のものではおたふくかぜのワクチンの1回目などがあります。

水疱瘡の予防接種は、同時接種で受けると効率的

同時接種というと、「一度に何種類かのワクチンを注射して、赤ちゃんの体に負担にならない?」と心配になる人もいるでしょう。でも、厚生労働省も日本小児科学会も、同時接種は一度に何本打っても問題ないとしていますし、ワクチンの組み合わせにも制限はありません。また、同時接種と単独接種で、副反応の起こる頻度に差はないということもわかっています。

【水疱瘡の予防接種スケジュール例】

1歳になったらすぐ、MRワクチン(麻しん風しん混合)・水疱瘡ワクチン・おたふくかぜワクチン(任意接種)の1回目を同時接種

 4週間以上あけて、ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチン、四種混合ワクチンなどの追加接種

 1歳6ヶ月~2才の間に、水疱瘡ワクチンの2回目を接種

水疱瘡のワクチンの中身は?何が入っているの?

水疱瘡や帯状疱疹を予防する水痘ウイルスの毒性を弱めて作られています

水疱瘡の予防接種は、水疱瘡を起こす水痘ウイルスから作られた生ワクチンを皮下注射します。生ワクチンとは、ウイルスなどの病原体の毒性を弱めたものです。十分な抗体ができるのには約1ケ月かかるため、次の予防接種まで4週間あける必要があります。

ワクチン接種しても、2割程度はその後、水疱瘡にかかっている人と接触すると発症することがあると言われています。それでも、体にできる水疱は数個と軽い場合が多く、早く治ります。そして、予防接種を2回受ければ、かかるリスクがさらに減ります。なお、水疱瘡のワクチンは、水疱瘡に自然感染したあとで起こる帯状疱疹も予防します。

水疱瘡のワクチンには副作用やリスクはあるの?

水疱瘡の予防接種による副反応は、ほとんどありません

水疱瘡のワクチンは水痘ウイルスの毒性を弱めた生ワクチンですが、一般的には副反応はほとんどないといわれています。ただし、免疫機能が落ちているときに受けると、まれに熱が出たり、水疱瘡の発疹が軽く出ることがあります。その場合でも、軽くすんで症状はすぐにおさまります。

水疱瘡に限らず、接種後の副反応でこわいのは、アレルギー反応であるアナフィラキシーショックです。ただし近年、赤ちゃんの予防接種で重大な副反応が起こったという報告はありません。

水疱瘡の予防接種でも重い副反応が起こることはまずありませんし、以下のようなリスクを考えると、予防接種はやはり積極的に受けて予防することが大切です。

水疱瘡の予防接種を受けなかったときのリスク

● 副作用はほぼないが、水疱瘡にかかる確率は高い
● 水疱瘡に自然感染すると、重症化する恐れがある
● 水疱瘡に自然感染すると、大人になって水痘ウイルスが原因の帯状疱疹が発症する可能性がある

水疱瘡の予防接種の料金はいくら?

定期接種のため、基本的には無料です

水疱瘡の予防接種は、2014年10月から定期接種の対象となったので、決められた期間内なら無料で受けられます。決められた期間を過ぎて接種する場合は任意接種となって有料になります。ただし、料金は医療機関によって変わってくるので、前もって確認しておくといいでしょう。

水疱瘡のワクチンを受ける際の注意点は?

水疱瘡の予防接種に限らず、予防接種を受けるときは以下の点に気をつけましょう。

当日は、赤ちゃんの体調をよく見る

赤ちゃんの様子に変わったところはないか、よく見ておきましょう。接種に行く前に、念のため家でも体温を測っておきます。

接種後は、しばらくその場で様子を見る

ごくまれに、予防接種後に急な副反応が起こることがあるため、たいていは接種後30分ほど、会場で過ごすように言われます。きちんと指示を守りましょう。 

帰宅後は激しい運動を避けて

接種後は、いつも通りの生活を。授乳や離乳食も、赤ちゃんのペースで与えてかまいません。ただし、念のため激しく体を動かすようなことはやめて、ゆっくり過ごしましょう。

お風呂もOK

接種当日でも、入浴してかまいません。ただし、接種部位をこすったりもんだりしないように注意しましょう。

水疱瘡の予防接種は大人も必要なの?

水疱瘡にかかったことのないパパ・ママは、接種をしましょう

水疱瘡に自然感染すると、年齢が上がるほど症状が重くなると言われています。特に大人になって初めてかかった場合は、子供より重症のことが多く、肝炎や脳炎などの合併症が起こる確率が高くなり、入院するケースも多くあります。また、水疱瘡は感染力が強いため、家族の誰かがかかると、一家で次々かかってしまうこともあります。水疱瘡にかかった人と接触すると、約2週間で発症します。

パパやママが、過去に水疱瘡に自然感染したことがあるなら予防接種の必要はありませんが、一度もかかっていない、予防接種も受けたことがない、というときは、水疱瘡の予防接種を受けたほうがいいでしょう。

また、予防接種は受けたことがあるが、何年も前というときは、十分な抗体がついているか検査で調べることもできます。ただ、検査には費用もかかりますし、抗体がついているうえに予防接種を受けたとしても、何も問題はありません。ですから、気になるときや予防接種を受けたかどうか不明な場合は、予防接種を受けておくと安心です。

ただし、赤ちゃんと違って大人が水疱瘡の予防接種を受ける場合は、自費になります。料金は医療機関によっても違うので、前もって確認しておきましょう。

画像出典:『はじめてママ&パパの病気』(主婦の友社 刊)

※関連記事
【医師監修】水疱瘡の症状と治療方法と妊娠中の予防接種と予防法

監修
澤田雅子先生
澤田こどもクリニック院長
1991年東京大学医学部小児科入局。国立小児病院新生児科、愛育病院小児科、東大病院小児科アレルギー外来などを経て、2003年に澤田こどもクリニックを開業。明るく親しみやすい人柄と、わかりやすい説明が評判のママ先生です。

あなたにおすすめ

注目コラム