眼科ドクターに聞きました!スマホを見せると目が悪くなる?

 専門家監修
公開日:2018/04/21
眼科ドクターに聞きました!スマホを見せると目が悪くなる?
監修
浜 由起子
日本橋はま眼科クリニック院長

大人でもスマホの画面を見ていると目が疲れたり、視力が悪くなったりと感じることがありますが、まだ視力が未発達な子どもがスマホの画面を見ることで目が悪くならないかなど視力への影響が気になりますよね。ホントのところはどうなのか、眼科ドクターにお話を聞きました。

「スマホで赤ちゃんの目が悪くなる?」に眼科ドクターがお答え!

子どもがジーッとスマホの画面を見ていると、「目が悪くなるのでは?」と心配になるママは多いと思います。

赤ちゃんにスマホを見せると目に悪い影響があるのか――答えは「まだわからない」です。スマホが一般に普及して10年もたっていないため、どんな影響があるのかわかっていないのです、ただし、全く影響がないとは考えにくいですね。

重要な目の機能である立体視は2歳までに育つ

生まれたばかりの赤ちゃんの目は、ほとんど見えません。そこからゆっくりと発達して3歳には0・7程度まで見えるようになり、個人差はありますが、6歳までに1・2程度まで見えるようになります。

これがいわゆる「視力」の発達ですが、目にはもうひとつ、「立体視」(遠近感)という機能があります。ものを立体的にとらえる感覚のことで、私たちは「視力」と「立体視」でものを見ているのです。

この立体視の機能が育つのが、生後半年から1歳半、遅くても2歳ごろまで。この時期の赤ちゃんに、過度のスマホを見せていると、立体視が正常に育たないのではないか、と言われています。

立体視は、正常なさまざまなものを見ることで育ちます。ところが、スマホの画像は実際の立体ではありません。3Dゲームの木と本物の木とでは、奥行きや遠近感が違いますね。

立体視が発達する時期の赤ちゃんに実際のものではない立体画像を見せつづけると、誤差が生じる――つまり、本物の立体視が育たないのではないか、と考えられるのです。欧米には、「3Dのテレビゲームは12歳以下の子どもに見せてはいけない」と法律で決まっている国もあります。立体視の発達とデジタルメディアとの関連は、世界的に問題視されているといっていいでしょう。

ダラダラ見せるのはNG。1日15~30分程度に

また、スマホから出ているブルーライト(※注1)が目の奥の網膜に影響を与えて、将来的に黄斑変性症など目の病気を引き起こす可能性も指摘されています。

目の神経のかたまりで、いちど病気になると治らないケースも少なくありません。だから、悪影響がありそうなものはとり除いて予防することが大切なのです。

すっかり普及したスマホですが、子どもへの与え方について、眼科学会から具体的な提言や指標は出ていません。一眼科医の立場で確実に言えるのは、「長時間ダラダラ見せるのはやめて」ということ。赤ちゃんに見せるなら、1日に15~30分ぐらいにとどめましょう。スマホを見たあとにはテレビを見せないなど、幼い目に負担のかかることをできるだけ減らして、リスク管理をしてあげてください。

(※注1)
ブルーライトって何?
スマホやパソコンから出ている青い光のこと。人の目で見ることのできる光の中でもっとも強いエネルギーを持っていて、網膜に直接的なダメージを与えるといわれています。長時間浴びると体内時計が狂ってしまう可能性も指摘されています。

子どもの目はこんなふうに発達します

左から、生後0ケ月、6ケ月、1歳、2歳、6歳のときの視力のイメージです。


<0ケ月>視力は0.1ぐらい
「まぶしい」「暗い」がわかる程度で、ものの輪郭はぼんやりしている。3~4ケ月ごろには、少しずつ1点を見つける「固視」をし始める。

<6ケ月>視力は0.2ぐらい。少しずつ立体視ができるように
ものの奥行きや距離感をつかむ「立体視」が少しずつできるようになってくる時期。ママやパパとほかの人との顔の区別もつくように。

<1歳>視力は0.3ぐらい。立体視の発達がつづく
上下左右や奥行きなど、空間を立体で把握できるようになり行動範囲が広がってきます。米粒など、かなりこまかいものも見えるように。この時期に斜視、左右の視力差、弱視があると立体視が育ちにくい。

<2歳>視力は0.5ぐらい。立体視がほぼ完成
ものを得一体的にとらえる立体視がほぼ完成する時期。

<6歳>視力は1.2ぐらい
視力がほぼ完成。弱視や視力の左右差などは、6歳までに治療すると、ある程度はとり戻すことができる。

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スマホと赤ちゃんのコレってどうなの?Q&A

Q 動画と静止画で目の負担に違いはある?

A 動画は近視を引き起こす可能性があります

動画を見ても視力の発達には影響しませんが、こまかく動くものを見続けるほうが、より目が離せなくなるので、近視を引き起こす可能性があります。動画よりは静止画のほうが、目への負担は少ないですね。

Q スマホとタブレットならどちらを選ぶ?

A 離れて見ることができるタブレットのほうがベターです

タブレットのほうがベター。どちらからも目や体内リズムに影響を与えるブルーライトが出ていますが、大きな画面を離れて見るほうが、影響は少ないです。

Q スマホ画面は明るすぎないほうがいいの?

A スマホの明るさはあまり気にしなくても大丈夫です

15~30分程度なら、あまり気にしなくて大丈夫。ただし、あまりに暗い画面を見過ぎると近視になりやすいので注意して。

Q 目に近づけて見ているのが気になります

A スマホは目に近づけないと見えないもの。長時間を避けましょう

スマホはそもそも目に近づけないと見えないものなので、距離をとるのは限界があります。長時間見せないことを心がけ、できればタブレットや、画像を取り込んだテレビを見せるといいですね。

撮影/松木 潤(主婦の友社写真課)

出典 :Baby-mo2017年秋冬号※情報は掲載時のものです

監修
浜 由起子
日本橋はま眼科クリニック院長
杏林大学医学部卒業。国立成育医療センターなどを経て2011年に開院。眼科全般の治療を行うかたわら、杏林大学病院で斜視、弱視、小児眼科を専門に診療する、子どもの目のスペシャリストでもある。

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