【医師監修】破水とは?尿漏れとの見分け方と破水時の対処方法

 専門家監修
公開日:2018/01/22
更新日:2019/01/24
【医師監修】破水とは?尿漏れとの見分け方と破水時の対処方法
監修
北川道弘先生
山王バースセンター院長 国際医療福祉大学教授

臨月になるといつどこで起こるか予測できない破水。入院までの流れを頭に入れて準備していたつもりでも、突然の破水にはあわててしまったという先輩ママも多いようです。そこで、尿漏れとの見分け方、羊水の色やにおい、破水からお産入院までの流れを詳しくご紹介。いざというときのためにおさらいしておきましょう。

先輩ママ200人のお産の体験談

お産はどう始まった?

お産はどう始まった?

誘発分娩や計画無痛分娩などの「その他」や予定帝王切開を除くと、8割が陣痛か破水から始まったという回答。破水から始まったママは、約3割でした。

破水とは?すぐに出産になるの?

卵膜が破れ、子宮口から羊水が出てくることを破水といいます。破水で出てくる羊水の量は、子宮内のどの位置で起こるかで異なります。「高位破水(こういはすい)」といわれる子宮口から遠い箇所で起こると漏れ出る量は少量、「低位破水(ていいはすい)」といわれる子宮口に近い位置で起こると、大量の羊水が漏れ出てきます。
お産の始まりは、規則的なおなかの張りや痛みなどがある「陣痛」か、卵膜が破れて羊水が漏れ出てくる「破水」のどちらかです。 陣痛が始まる前に羊水が出てきてしまうことを「前期破水」といい、これは破水から始まるお産です。破水したあと陣痛が起こって、陣痛から始まるお産と同じように進んでいきます。破水の量によっては、尿漏れと区別がつきにくいこともあるので、産院に連絡して指示に従いましょう。

羊水のにおいや色は?

羊水は生ぐさいような独特なにおいがあります。 色は通常、淡い黄色ですが、おしるしが混ざると茶色っぽかったり、うすいピンク色になることも。赤ちゃんが苦しいと羊水に便が混じってみどり色になります。出産よりも前に子宮壁から胎盤がはがれてしまう常位胎盤早期剥離の場合には鮮血が大量に出ます。このような場合は、すぐに受診が必要です。少量の血が混じっているのは、破水におしるしが混ざったもので、比較的よくあることなので、心配ありません。全体が黄色やピンク色っぽい場合も同様です。産院に連絡するときに伝えられるよう、破水したときの色や状態はよく見ておきましょう。 羊水の色別状態見分け表

破水と尿漏れどう見分ける?少量で気づかない場合もある?

羊水の色は淡黄色で、生ぐさいような独特なにおいがしますが、妊婦さんが色やにおいで破水か尿漏れか見分けることはとてもむずかしいでしょう。ただ、尿漏れは体を起こしたときやくしゃみをしたときなど1回だけ出るのに対して、破水はずっと漏れ出てくるので、一つの目安にはなります。

破水すると音がする?

「破水したときに音がした」という妊婦さんは確かにいますが、お産のときに人工的に卵膜を破る処置をしても何も聞こえないので、耳に感じるような音ではないでしょう。卵膜が破れたときの衝撃が、妊婦さん本人には音のように感じられるのかもしれません。

破水から出産までの時間はどれくらい?

破水後は、多くの場合破水から24時間以内に陣痛が起こります。しかし、なかなか陣痛が起こらない場合もあります。 陣痛がなかなか起こらない場合、妊娠37 週以前の早産の時期は、抗生剤を投与して赤ちゃんへの細菌感染を防ぎます。妊娠37 週以降の正期産で赤ちゃんが成熟していて、子宮口の状態もよくやわらかいときは、陣痛促進剤を使ってお産を進めます。 陣痛が起こってからのお産の進み方は、陣痛から始まるお産と同じです。 

先輩ママの破水から出産まで体験談

破水から16時間で出産!~Wさんの場合

20:00 破水かも?

おふろ上りにチョロチョロと漏れてきたので、「破水かも?」と思ったものの確信が持てず。その後、やっぱり破水だと思い、産院、陣痛タクシーの順に連絡。

21:00 産院に向かう

到着後、内診。陣痛は起こらず、朝になって様子を見てから陣痛促進剤を使うと説明がある。

翌日3:00 陣痛室に移動

少しずつ痛みが出てきて寝つけず、見回りに来た看護師さんにそう伝えると、陣痛室に移動することに。

9:00 陣痛促進剤を投与

ますます痛みが強くなる。その後、夫が産院に到着。腰をさすってもらう。

12:00 いきみ逃しののち出産へ

このころ、今まででもっとも強い痛みがきて、早く終わってほしいと思っていた。でも生まれたときは感動で胸がいっぱいに。 おふろ上りに何かぬれたような感覚がありましたが、破水なのかがよくわからず、不安だったので、産院に連絡。陣痛タクシーで産院に向かいました。玄関から荷物を運んでくれ、下りる際には激励の言葉をかけてくれて、うれしかったです。夜中のうちも痛みはありましたが、陣痛促進剤を投与してからは、痛すぎてそれまで出ていた涙も出ないほどに。腰も砕けそうなほど痛くて、朝到着した夫にさすってもらいました。時間がとても長く感じ、とにかく早く産んでこの痛みから逃れたいと思っていました。

破水から37時間半で出産!~Yさんの場合

0:00 破水で目が覚める

バケツをひっくり返したようにザーッと生あたたかいものが出た感覚。布団もパジャマもびしょぬれに。

0:30 産院に到着

陣痛がこず、そのまま朝を迎える。1日待っても陣痛が始まらない場合は、陣痛促進剤を使うと説明がある。

翌日10:00 陣痛促進剤を投与

30分ほどで腰がねじれて引っ張られるような強い痛みがくる。

12:30 分娩室に移動後、陣痛室に戻る

子宮口全開で分娩室に移動したものの、先生に「まだ全開じゃない」と言われ、陣痛室に戻る。 

13:33 再び分娩室に移動し、出産

3回いきんだところで会陰切開。その後、数回いきんだところで「足が見えた!」と言われ、直後に「男の子かも」と言われてびっくり。その後はやはり女の子とわかり、無事出産。 逆子のまま里帰りした病院で、体位によっては逆子でも自然分娩できる先生がいると言われ、悩んだ末にトライしました。真夜中に尿とは違う感覚があり、すぐに破水と確信。急なことにふるえが止まりませんでしたが、産院への電話は「パパママ学級」で習っていたのでスムーズでした。入院翌日になっても陣痛が始まらず、陣痛促進剤を使うことになり、投与するとすぐに強い陣痛が始まりました。逆子でも無事に生まれ、先生に感謝!

臨月にみられる出産前の6つの兆候とは?

臨月に入ると、赤ちゃんやママの体はお産への準備を始めます。それがさまざまな体からのサインとなってあらわれます。

トイレが近くなる

赤ちゃんが下がってくることで胃や心臓への圧迫は減りますが、膀胱や直腸への圧迫が強くなり、頻尿や便秘に。

おりものが少し増える

お産が近づくと、子宮頸管がやわらかくなり、赤ちゃんが通りやすいようにおりものも増えてきます。

胎動が少し減る

赤ちゃんが骨盤内に入って固定されるため、次第に動きが少なくなります。ただし、まったく感じないことはありません。

おしるしがある

おりものに血が混じったようなもの。何日もたってから陣痛がきたり、おしるしがないこともあります。

赤ちゃんが下がってきた

臨月に入ると、生まれる準備で赤ちゃんが骨盤内に入ってくるので、母体の胃や心臓への圧迫が少なくなります。

前駆陣痛がある

おなかが張ったり、痛みがあったりしても、間隔が不規則だったり、長く続かずに消えてしまう「前駆陣痛」がある人も。

破水したらどうすればいい?入院までの流れをチェック

1.破水したら、まずナプキンやタオルを当てる

そのままだと下着や服が汚れてしまうので、生理用ナプキンを当てましょう。破水の量が多い場合は、夜用など吸収量の多いナプキンを使って。外出先などでナプキンがなかったら、清潔なタオルでもOKです。

2. 産院に連絡して指示をあおぐ

カルテ番号や出産予定日、初産か経産か、妊娠中に特別なことがなかったかなどのほか、「いつから破水しているか」「羊水の色」を伝えます。こちらからも、産院へ向かう際の注意点があるか、聞いておきましょう。

3. いざ、お産入院!

移動が最小限ですむよう、車で向かいましょう。大きく体を動かすと羊水が漏れ出てくることもあるので、念のため腰回りにバスタオルを巻き、座席にもバスタオルを敷きます。破水かどうか迷って受診する場合も、念のため入院バッグを持参して。

破水したら入浴やシャワーはNG!それ以外の準備を

卵膜が破れた箇所から、赤ちゃんに細菌が感染する可能性があるため、入浴やシャワーは絶対に禁止です。これから始まるお産にそなえて、消化のよい食事をとり、トイレをすませておきましょう。

山田ローラさん 妊娠34週で破水! 双子のお産は、ふたりめ誕生直前で子宮口が閉じてしまい…… ~mama’s LIFE Vol.8 第2回~
山田ローラさん 妊娠34週で破水! 双子のお産は、ふたりめ誕生直前で子宮口が閉じてしまい…… ~mama’s LIFE Vol.8 第2回~
モデルとして数々の広告やCM、雑誌で活躍する山田ローラさん。2015年にラグビー日本代表の山田章仁選手と結婚後は、情報番組やバラエティにも出演。公私共に充実の日々を送るなか、昨年9月に双子の赤ちゃんを出産しました。山田ローラさん第2回目は、前回のプレママ時代に続き、出産エピソードをお話しいただきます。想像をはるかに超えたお産ストーリーは必読です!
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出典 :Pre-mo2016年春号※情報は掲載時のものです

監修
北川道弘先生
山王バースセンター院長 国際医療福祉大学教授
医学博士。東京慈恵会医科大学客員教授。同大学卒業後、米国に留学。国立大蔵病院産婦人科医長、国立成育医療研究センター副院長・周産期センター長を経て、現職。

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