【管理栄養士監修】妊娠中の栄養不足の原因や症状、対策は?赤ちゃんへの影響は?


浜本千恵
妊娠すると、おなかの赤ちゃんのためにもバランスのいい食事を食べ栄養をとる必要があります。妊娠中は体調を崩しやすいため、思うように食事がとれず、栄養不足になることも。妊娠中に陥りがちな栄養不足について、原因や症状、対策からおすすめの食事まで紹介します。ぜひ、参考にしてみてください。
妊娠中って栄養不足になりやすいの?
妊娠中の栄養不足には2つのパターンがあります。1つは、妊娠中の体調の変化により思うように食事がとれないことによる栄養不足。2つ目は、妊娠すると、妊娠前よりも必要な栄養素の量が絶対的に増えるので、特定の栄養素が不足するという意味での栄養不足です。
妊娠中に栄養不足になると、おなかの赤ちゃんの発育に影響が出ることもあります。深刻な場合は低出生体重児として生まれてくる場合もあります。また、栄養不足になれば、ママ自身も体調を崩しやすくなります。妊娠中は意識して栄養不足にならないようにする必要があります。
妊娠中に栄養不足になる原因は?
妊娠中の栄養不足になる原因は、いくつかあります。
・ママの体調変化
代表的なものはつわりです。つわりは妊娠初期に見られる、胃がムカムカする、吐き気がする、食欲不振などの不快症状。つわりになると思うように食事がとれないことがよくあります。つわりが終わっても、体調が変化しやすい妊娠中は、食事のバランスが崩れがちに。また、妊娠前は考えられないようなジャンクフードにはまってしまったり、極端な偏食になってしまったりする妊婦さんも。偏った食事が続くと栄養不足に陥ってしまいます。
・たくさんの量を食べられなくなる
妊娠後期になると、大きくなった子宮が胃を圧迫するため、一度に食べられる量が減っていきます。少しずつでも小分けにして食べることができれば、栄養不足には至りませんが、絶対的な食事量が減ってしまうことになるので、どうしても栄養バランスを崩しがちに。
・普通に食事をしているつもりでも栄養不足に
普通に食べているつもりでも、必要な栄養素が不足している状態。なかなか自覚しにくいものですが、妊娠すると必要な栄養素の量が増えるため、食事に気をつけているつもりでも、妊娠前と同じような食事内容のままだと、栄養素が足りなくなる場合があるのです。
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妊娠中の栄養不足の症状は?
妊娠すると不足しがちな栄養素と、それが不足したときに起こる症状などについて説明します。
鉄分が不足になると・・・
妊娠すると、妊娠前の2倍はとらなければなりません。鉄分が不足すると、妊婦さんは鉄欠乏性貧血になりやすく、だるい、めまいがする、ふらふらするなど症状が出ることがあります。
葉酸が不足すると・・・
妊娠前から妊娠初期に葉酸が不足すると、おなかの赤ちゃんが二分脊椎症などの神経管閉鎖障害を発症するリスクが高まるといわれています。
カルシウムが不足すると・・・
妊娠中にカルシウムが不足しても、おなかの赤ちゃんに直接的な影響はまずありません。むしろ、お母さんの骨や歯がもろくなったり、将来的に骨粗鬆症になる可能性が高くなったりするので、注意が必要です。
妊娠中の栄養不足の対策と解消レシピ
鉄分不足の場合と解消レシピ
いちばん効率的に鉄分を補えるのが牛肉などの赤身の肉やレバーを食べること。ただし、レバーにはビタミンAが多く含まれます。ビタミンAの過剰摂取はおなかの赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があるため、とりすぎには注意が必要です。レバーなら毎日1かけらくらいなら問題ありません。鉄分は大豆や緑黄色野菜などにも多く含まれますが、植物性食品よりも、肉などの動物性食品から摂取したほうが効率よくとれます。
鶏レバーの作り置きレシピ
【材料】
鶏レバー
ウスターソースか中濃ソース
【作り方】
・鶏レバーを一口大に切る。小鍋に水を入れ、鶏レバーを入れて水からゆでる。沸騰して2分くらいしたら鶏レバーを取り出してザルにあげる。
保存容器やバットなどに鶏レバーを入れ、温かいうちにウスターソースまたは中濃ソースに30分以上浸しておく。
冷蔵庫に入れておけば1週間くらい日持ちもし、レバーが苦手な人にも食べやすい。
葉酸不足の場合と解消レシピ
緑黄色野菜に多く含まれます。ただ、葉酸は水溶性のビタミンなので、小松菜やホウレン草などの葉物野菜の場合、ゆでることで葉酸などの栄養素が溶け出してしまいます。そういう意味では葉物野菜よりもブロッコリーのほうが効率よく葉酸を摂取できるでしょう。いづれにしても、ゆでるよりもレンジで温めるか蒸すほうがおすすめです。
カルシウム不足の場合と解消レシピ
カルシウムというと牛乳を思い浮かべやすいのですが、脂肪分もカロリーも高めなので飲み過ぎは禁物。ヨーグルトや小魚、野菜なら小松菜などを上手にとり入れましょう。
妊娠中に注意すべき食べ物、栄養は?
妊娠中に注意したい食べ物や成分があります。家庭で、外食で、食事をする際には注意をしましょう。
・生もの
妊娠中は免疫力が低下しがちなので、加熱していないお刺身や生肉は避けましょう。また、よく洗っていない野菜や果物なども注意が必要です。というのも、トキソプラズマという寄生虫の一種に感染する恐れがあるからです。感染する妊婦さんは少ないものの、妊婦が感染すると、おなかの赤ちゃんにトラブルを起こすことがあります。
・ひじき
ひじきは鉄分やカルシウムを多く含む優秀な食材ですが、有害な無機ヒ素が含まれているという報告があります。少量をたまに食べる程度なら問題ありませんが、継続的に食べるのは避けましょう。
・ナチュラルチーズ
ソフトタイプのカマンベールチーズや、輸入チーズなど滅菌されていないナチュラルチーズは、リステリアという細菌の心配があります。感染するとおなかの赤ちゃんにトラブルを起こす恐れがあるので、妊娠中に食べるのはやめましょう。
・マグロ、金目鯛など
マグロや金目鯛などの大型回遊魚にはメチル水銀が含まれ、おなかの赤ちゃんの中枢神経に影響を与えると言われています。妊娠中はマグロや金目鯛などを毎日食べるのはやめましょう。ただ、魚は良質なタンパク質なので、量や種類に注意すれば、問題ありません。妊娠中に注意したい魚や、摂取の量の目安については、厚生労働省のホームページにも詳しく掲載されていますので、参考にしてください。
「これからママになるあなたへ」(厚生労働省)
http://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/iyaku/syoku-anzen/suigin/dl/051102-2a.pdf

浜本千恵
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