モロー反射とは?赤ちゃんがビクッと起きて泣くのはいつまで続くのかとその対策

 専門家監修
公開日:2018/01/22
更新日:2019/07/02
モロー反射とは?赤ちゃんがビクッと起きて泣くのはいつまで続くのかとその対策
監修
木下智恵先生
成城木下病院

赤ちゃんは、抱っこしようとしたり、大きな音がしたときなどに、ビクッとしたように両腕を広げることがあります。これは、新生児赤ちゃんによく見られる原始反射の代表的なもので、「モロー反射」と呼ばれます。初めて見たパパやママは、驚いたり心配になったりしてしまうかもしれません。今回は、成長とともに消えていくこのモロー反射について、詳しく解説しましょう。

モロー反射とはどんなもの?

原始反射の一つで、音を含む刺激に対して起こります

人間の赤ちゃんは、動物の赤ちゃんと違って、生まれたばかりのときには目もよく見えず、快・不快を泣いて訴えることくらいしかできないほど未熟な状態です。そんな赤ちゃんが生命を維持するために、生まれつき備わっている体の反応を「原始反射」といいます。これは、頭で考えて脳から指令を出して体を動かしているのではなく、無意識な反応です。
原始反射には、ママの乳首を探す「探索反射」、おっぱいを飲むため口にふれたものに吸いつく「吸てつ反射」などがありますが、中でも代表的なものが「モロー反射」です。
モロー反射は、音を含む外からの刺激に対する反射。ドアがバタンと閉まるなどの大きな音がしたときや、上体が急に傾いたときなどに、驚いたように両手をパッと開いて何かに抱きつくような動きをします。これは、人類の祖先が大昔に、樹上生活をしていたころの名残ではないかと言われています。木の上から落ちるのを防いだり、落ちたときに頭や体を守るための動きからきているというわけですね。

モロー反射がない場合もあるの?

病気によりモロー反射がないケースは少ないので、心配しすぎないで

モロー反射は、程度の差はあってもほとんどの赤ちゃんに見られます。ただ、モロー反射がかなり弱いか、ほとんど見られない場合には、黄疸の一種の「核黄疸」である疑いもあります。
黄疸は、新生児期の赤ちゃんによくある、肌や白目の部分が黄色っぽくなってしまう状態のことをいいます。これは、ビルビリンという黄色色素が何らかの原因で増えてしまい、体外に排出されなくなって、皮膚や粘膜に沈着するために起こります。
赤ちゃんの黄疸の多くは、「新生児黄疸(生理的黄疸)」と呼ばれるもので、ほとんどの場合は治療の必要はなく、1~2週間ほどで肌や白目の黄色っぽさも治っていきます。
また、母乳の赤ちゃんの場合は、黄疸が長引く「母乳性黄疸」になることもありますが、この場合もたいてい放っておいても治ります。
新生児黄疸や母乳性黄疸は病気ではありませんが、「核黄疸」という病的な黄疸は、ビリルビンが脳に流れ込んで脳の神経に沈着することで起こります。その結果、脳機能や運動機能、筋力などに影響を及ぼすので、モロー反射も弱くなったりまったく見られなくなったりすることがあります。

また、核黄疸以外の病気で脳に障害が起こっているときも、モロー反射が見られないことがあります。
いずれにしても、こういった病気が隠れていないかを調べるため、赤ちゃんが生まれた直後と退院前に、お産をした病院ではモロー反射の状態をチェックします。
モロー反射のチェックのやり方は、上半身を起こした状態または抱っこした赤ちゃんの頭を、急に落とすように後ろに傾け、ビクッと両手が広がるかどうかを見ます。医師によっては、モロー反射のチェックで聴覚の確認をすることもあります。

問題があれば、退院前までにたいていの場合はわかりますが、モロー反射がないケースはごくまれなので、まず心配いりません。生後3~4ケ月ごろまでに原始反射は徐々に弱くなっていくものですが、逆に退院後にモロー反射が強くなってくるようなことがあって気になるときは、出産した病院か小児科を早めに受診して相談しましょう。

監修
木下智恵先生
成城木下病院
2001年、横浜市立大学医学部卒業。東京大学医学部産婦人科、順天堂大学医学部産婦人科勤務を経て2005年より現職に。専門は周産期学のほか、婦人科腫瘍、不妊症、月経異常。元気で気さくな1男2女のママドクターです。

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