妊娠した!「復職しづらい会社だから退職しようかな……」と思っている人、 ちょっと待った~!【お金の専門家に聞きました】

 専門家監修 2017/12/06更新
妊娠した!「復職しづらい会社だから退職しようかな……」と思っている人、 ちょっと待った~!【お金の専門家に聞きました】

畠中雅子 先生
ファイナンシャルプランナー。社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。

妊娠したママたちが最初に悩むのは、このまま会社に勤め続けるかどうかということ。会社に女性が少ない、あるいは育休取得者が少ないという状況であれば、なおさら悩むところです。

会社に育休取得者がおらず退職。辞めたとたんに貯金はゼロに

Sさんの場合
夫35歳・会社員、妻32歳・パート、息子3歳、1歳8ヶ月

勤めていた会社は育休取得者の前例がなく、子育てを応援してくれる雰囲気でもなかったので辞めました。しかし、すぐに貯金がなくなったので、いまは内職でコツコツ稼ぐ日々。やっぱり辞めないほうがよかった?

Sさんの1ヶ月の家計をチェック

<収入>
夫……30万円
妻……10万円
児童手当……2万5000円
月額トータル……42万5000円

<支出>
住居費……10万3000円
食費……4万円(うち外食費1万円)
光熱費……9500円
通信費……1万5000円
日用品費……1万円
夫婦のこづかい……夫4万円、妻そのつど
レジャー費……1万5000円
交通費……5000円
子ども費……2万3000円
美容費……8000円
保険(掛け捨て)……夫1万5000円、妻3000円
支出トータル……28万6500円

〈貯金〉
貯金……2万円
保険(積み立て)……4万5000円

10万円稼ぐのはけっこう大変

子どもといっしょにいられる仕事を探し、データ入力やポスティングなどの在宅ワークや子連れでできる仕事をしています。子育てしながら月々10万円を稼ぐのは、正直けっこう大変です。

格安スマホに変えて通信費ダウン

「ソフトバンク」から「Y!mobile」に変えたら、夫婦2台で2万4000円だった通信費が1万5000円に減りました! 使いがってに特に問題なし。店舗も多いので、いざというときには駆け込めます。

保険が多すぎる?

夫の掛け捨ての生命保険は、亡くなったら700万円もらえる保険と、毎月20万円もらえる収入保障保険。妻は掛け捨ての医療保険。他にもドル建ての終身保険に加入していますが、保険が多すぎる気がしています。

畠中先生からのアドバイス

2017年10月より育児休業が2歳まで延長されました

育児休業は会社の理解がないと難しいところがありますが、10月1日から育休がこれまでの1歳半から2歳まで延長されました。制度はどんどんよくなっていますので、簡単に退職するのはもったいないかも。

内職よりも外で働くほうが効率的

Sさんの家計を見ると、やはり妻の収入10万円がきいていますね。貯金もできていて家計的には問題ありませんが、妻のおこづかいもぜひ予算に入れたいところ。ママランチは、家計のあちこちに入りがちですから。
「保険が多いのでは」と心配されていますが、貯蓄性を兼ねている保険も含まれているので、中身については問題ありません。生命保険の内容も妥当です。ただ、いまは子どもにお金がかからないので、無理なく払えていますが、子どもが高校生ぐらいになると塾代や携帯代などの出費がふえるので、家計の負担になる可能性があります。終身保険は最後まで払いきれないとメリットが下がるので、途中で解約しないで払いきってほしいですね。また、これ以上貯蓄性のある保険に入る必要もありません。
子どもが成長しても、いまのように余裕で生活するためには、やはりママの働きが重要です。いまは在宅ワークをされていますが、在宅ワークによっては教材を買わされて研修を受けてからといったものも多く、なかなかお金になりにくい。やはり働こうと思ったら、内職的なことよりも、3時間でも外で働いたほうが効率がよいでしょう。例えば、パパが帰ってから3時間だけコンビニで働けば、保育園に預けなくてもすみます。週1回、土曜日か日曜日に働くだけでも、けっこうなお金になります。毎日のすき間時間に頑張って在宅ワークをするよりも、割り切って週に1日だけ働いたほうがママも楽ですよ。  

同じ時間働いてもパートは安い!

育休をとって続けるかどうかというのは個々の事情があるので、一概に働き続けたほうがいいとは言えませんが、育児休業は最大2年まで延長されることになり、それによって育児休業給付金の支給対象期間も延長できるようになりました。離職を防ぐために制度自体は改善されていますので、前例がないという理由だけで辞めてしまうのはもったいないですね。
いったん退職すると、再就職は様子をみながらパートで、となりますから、復職する人に比べると絶対的に年収は下がります。職場に制度があるなら、ぜひ頑張れるだけ頑張ってほしいですね。女性のキャリアデザインを考えたときに、正社員をいったん辞めてパートになるということは、いままでとあまり変わらない時間働いても収入が半分以下になるという現実があります。それを冷静に考えたら、うまく育児休業を使い、一回復職してみる。それで、どうしても子育てとの両立が難しければ、その時点で退職を検討してみるというのでもいいと思います。実際にやってみて、やっぱり子どものそばにいたいとか、収入より子育てを優先したいという気持ちが出てくることもありますので、それは育休から復帰してから考える。復職して働いてみて、どうしても仕事と育児・家事の両立が難しいから辞めるとしても、辞める前に教育訓練給付金を使って何か資格をとるなど、あとのことを考えてから辞めたほうがいいですね。

再就職するなら早いほうがいい!

会社を辞めて、また一段落したら働こうと思っている人も、なるべく早く再就職することをおすすめします。たとえば「下の子が高学年になるまではちょっと」という人がよくいますが、そのときの自分の年齢を考えてみてください。10年のブランクがあると、多くはパートからスタートになるうえ、40半ばを過ぎてからパートを始めた人が正社員になれる仕事はそんなにありません。そうすると貯金する余裕のないまま、老後に入る可能性があります。
しかも50代になると更年期などで不調を訴える人が続出。出産後は早めに働き始めて、体の無理がきかなくなる前に早く辞めるプランを立てたほうが女性の体にも合っているのです。「いつか」働くなら、「早め」がいいと知っておきましょう。

取材・文/池田純子

あなたにおすすめ