高齢出産! 教育資金と老後資金、わが家は大丈夫?【お金の専門家に聞きました】

 専門家監修 2017/12/01更新
高齢出産! 教育資金と老後資金、わが家は大丈夫?【お金の専門家に聞きました】

畠中雅子 先生
ファイナンシャルプランナー。社会人の娘、大学生、高校生の息子の母。実体験に基づく的確なアドバイスに定評があり、多数のメディアで幅広く活躍している。

教育資金と老後資金の貯金が同時に始まる高齢出産。どうやって貯めていけばいいのか、そのコツや注意点をファイナンシャルプランナーの畠中雅子先生にお聞きしました。読者の家計診断つき。

30半ばで第一子を出産。どうやって教育資金と老後資金を貯めればいい?

すずまるさんの場合
夫30歳・自営業、妻36歳・夫の手伝い、娘1歳2ヶ月

35才のときに第一子出産。いまは自営業の夫の手伝いをしながら、育児をしています。自営業なので収入は毎月変動し、教育資金や老後資金もどうやって貯めていいのかわかりません。将来の年金が少ないのも心配!

すずまるさんの1ヶ月の家計をチェック

<収入>
夫婦……月によって40~50万円
児童手当……1万5000円
月額トータル……41万5000~51万5000円

<支出>
住居費……13万円
駐車場代……1万5000円
車維持費……5000円
食費……3万円(うち外食費1万5000円)
光熱費……1万3000円
通信費……2万3000円
日用品費……5000円
夫婦のこづかい……0円
レジャー費……1万~2万円
交際費……1万~2万円
子ども費……7万(うち保育園料6万5000円)
美容費……2万円
医療費……5000~1万円
保険(掛け捨て)……1万円
その他(国民健康保険料)……5万9000円
支出トータル……41万5000~45万円

〈貯金〉
貯金……0円
保険(積み立て)……0円

自営業だと毎月の収入がまちまち

夫婦ともに自営業なので、月々の収入がバラバラ。家計が把握しにくいゆえに、うまく貯金もできません。どうやって家計管理をすれば、うまく貯金ができるようになるのか知りたいです。

子ども服は「メルカリ」で

1カ月に子どもにかかるお金は、保育園料以外だと、紙おむつ2500円、粉ミルク300円、ベビー服3000円など。消耗品はお金がかかります。子ども服は安くてかわいいものを「メルカリ」でゲット。

1カ月の食費は3万円

疲れるとすぐに外食になりがちですが、食費はトータルで3万円におさまればよしとしています。「コストコ」に行ったら、まとめて買って冷凍。主に時短で用意できるものを購入しています。

畠中先生からのアドバイス

高齢出産の場合は、教育費と老後資金は同時に貯めるしかない!

高齢出産ということは、貯めようと思った時点で40代が近づいているということ。そうすると、教育資金が先で老後資金があと、というロジックが成り立ちません。ですから、もう同時に始めるしかありません。

まずは支出を安定化させて家計管理

すずまるさんの家計のいちばんの問題点は、支出入の管理がきちんとできていないこと。特にすずまるさんは自営業ですから、将来の年金は二人で約13万円。最大でいまの住居費分しかもらえないという現実がありますので、どんぶり勘定は絶対にNGです。会社員以上に、お金の出入りをしっかりと管理しなくてはいけません。しかし、自営業の家計は、日々お金の出入りがあるため、予算立てが難しいのも事実。収入を安定化することができない分、支出を安定化させて家計を把握しましょう。これをしなければ、貯金のふえ方もわかりません。自営業の家計管理の仕方は、次の通りです。

① 3カ月家計簿をつけて、それぞれの費目の平均値をとる。

② 平均値に合わせた予算立てをして、それよりも収入が多い月は特別支出としてプール、少ない月はプールしたところから使う。

③ 家計を安定させた上で、余裕資金で教育資金や老後資金をつくっていく。

支出が安定して初めて、家計の締めるべきポイントがわかり、教育資金や老後資金に目を向けられるということです。すずまるさんの場合、食費や子ども費はよく頑張っていると思いますが、夫婦のこづかいが使途不明金になっているのが気になりますね。

教育資金は学資保険+児童手当で貯める

まず教育資金は子どもが18歳までに400~500万円を目指して、学資保険と児童手当で貯めていきましょう。児童手当はすべて貯めれば約200万円になりますので、別の口座に分けて絶対に手をつけない。残りの200~300万円は学資保険でとりわけましょう。学資保険は返戻率(支払う保険料に対して受け取れる保険料総額の割合)の高いものを選ぶのが原則。100を割ると元本割れになってしまいますので、100をこえるものを選びましょう。最近は外貨建てのものも出てきています。予定利率が高ければ、為替リスクも軽減できるので、これからは外貨建ての保険で教育資金準備といった選択肢もあるでしょう。
高齢出産の場合、60代前半まで教育資金が残るケースも少なくないので、とにかく早く貯めてしまうのが正解。現役時代に払い終えられる10年払いをおすすめします。

“わが家”に必要な老後資金を知る

老後資金もまたiDeCo(イデコ)や積み立てNISA(ニーサ)を利用して、自分の手に届かないところにおきましょう。「老後資金はいくら必要ですか?」と、よく聞かれますが必要額はその人によって違います。必要額を出すステップは、次の通りです。

【老後の必要額を知る3ステップ】

ステップ1 自分が老後までに貯められそうな金額を出す

(例:月々2万円×12カ月×30年=720万円)

ステップ2 老後の生活費を見積もり、赤字額を出す。

(例:月々年金13万円-老後の生活費17万円=-4万円、4万円×12カ月×老後の年数25年=1200万円)

ステップ3 貯められる金額から赤字額を引いて調整する。

(例:1200万円-720万円=480万円)
→480万円を上乗せして貯めつつ、老後の生活費も下げる。

よく老後までに何千万円貯めましょうと言われますが、目標額を先に立てると足りなるのが一般的。そうすると運用しなきゃ……、と退職金をすべて運用に回して失敗して、という例がすごく多い。老後が不安で運用に走る前に、ぜひこのようなステップで“わが家”に必要は金額を出してください。老後資金に一般論は全く意味がありません。特にいまの若い人は生活コストが低いので、年金での赤字はほとんど出ないはず。ただし固定資産税や自動車税などの特別支出は、どうしても赤字になっていくので、そこは年間の支出額をきちんと見積もってほしいですね。固定資産税を払うのがきつくなってきたら、70代ぐらいでケアハウスに住みかえれば年金で暮らせるケースも。そうすると年間の赤字はほとんど出ないので、貯金が何千万円もなくてもやっていけます。自分が大丈夫にすると思えば、いろいろな方法が見つかるのです。

iDeCo(イデコ)は自営業者にもオトクな制度

自営業のよさは、老後資金も経費で落とせるところ。個人型確定拠出年金=iDeCo(イデコ)も、会社員は月額2万3000円しかできませんが、自営業者なら月額6万8000円までできるうえ、すべて所得控除になります。ただ、それも無理してやると教育資金が貯められなくなる恐れもありますから、やはり教育資金や老後資金の計画を立てる前に、家計をととのえることが前提となりますね。

取材・文/池田純子

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