赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の原因と症状は?ステロイドはどう使うの?【症例写真付&専門医解説】

 専門家監修 公開日:2017/10/11
赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の原因と症状は?ステロイドはどう使うの?【症例写真付&専門医解説】
監修
加藤さき子先生
高野医科クリニック副院長

「アトピー性皮膚炎」というと、アトピー性皮膚炎はやっかいな病気だというイメージを持つママも多いようです。でもアトピー性皮膚炎は、適切な治療やケアを行えば、症状を改善することができる病気です。むやみに怖れるのではなく、まずはアトピー性皮膚炎についての正しい知識を持ち、対応や予防対策を知っておくことが大切です。

赤ちゃんのアトピー性皮膚炎とは?

痒みの強い湿疹を繰り返します

アトピー性皮膚炎は、よくなったり悪化したりを繰り返す、痒みの強い慢性の湿疹のことです。
アトピー性皮膚炎の症状は乳児湿疹とよく似ていますが、
①悪くなったりよくなったりを繰り返す
②痒みが強い
③アレルギー体質を持っていることが多い
④湿疹のできる部位に特徴がある
という4点が乳児湿疹とは違っています。「③アレルギー体質を持っていることが多い」かどうかは、赤ちゃんの場合、両親や兄・姉にアトピー性皮膚炎、花粉症、喘息などがあるかどうを参考にします。

赤ちゃんは、いつからアトピー性皮膚炎になるの?

発症の時期はさまざまです

アトピー性皮膚炎の症状が出る時期には、個人差があります。早ければ生後2ヶ月ごろから見られることもありますが、幼児期や小学校入学後に発症することもあれば、思春期や大人になってから発症する例も、とまちまちです。
赤ちゃんの場合は乳児湿疹と症状が似ていて区別が難しいため、湿疹ができて2ヶ月以上繰り返すかなど、経過を見ながら慎重に判断していきます。月齢が低いうちは、「湿疹=アトピー性皮膚炎」と決めつけず、気になるときはまず、受診することが大切です。
アトピー性皮膚炎と診断されても、適切な治療とケアを行なうことで、早ければ2歳過ぎ、遅くとも3歳過ぎには症状が落ち着いてくる子が多くなります。

赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の原因はなに? 母乳や遺伝は関係ある?

赤ちゃんの場合、アレルギーが関係しているアトピー性皮膚炎は少なくありません。でも、アトピー性皮膚炎=アレルギーと思うのは間違いです。アトピー性皮膚炎とアレルギーの関係についても、知っておきましょう。

アトピー性皮膚炎=アレルギー、ではありません

私たちは、細菌やウイルスなどの異物(抗原)が体内に入ってきたときに、排除しようとする働き(免疫)が備わっています。体内に異物が侵入すると、それに立ち向かうため体内に「抗体」ができ、2度目にその異物が入ってきたときに、それを撃退しようとします。
このシステムが特定の異物に対して過剰に作用し、誤作動を起こしてさまざまな症状を引き起こすのがアレルギーです。アトピー性皮膚炎とアレルギーの関係には経皮感作が大きく関係しています。経皮感作とは、抗原を皮膚で認識して、全身性のアレルギーを発症することです。2010年に加水分解小麦を含む石鹸を使用していた人の中に小麦アレルギーが多く発症して社会問題となりました。今まで小麦食品を問題なく食べていた人が、小麦成分が皮膚から入ることにより、それを抗原と認識してアレルギー反応が起きたのです。口から入ってもアレルギーは発症せず、皮膚から入ると発症しやすいのです。アトピー性皮膚炎の場合、皮膚が乾燥し、バリア機能の低下がアレルギーを発症すると考えられているのです。アレルギーを発症した場合、抗原に触れることが皮膚の発疹などの症状を悪化させるので、避けなくてはなりません。アレルギーの発症を予防するためにも保湿をしっかりすることがとても重要なのです。

赤ちゃんのアトピー性皮膚炎は、バリア機能の未熟さが原因

赤ちゃんのアトピー性皮膚炎の場合、一番の原因は、皮膚のバリア機能の働きが弱いということです。
人間の皮膚の表面は角層という細胞の層でおおわれていて、外からほこりや汚れ、ウイルスなどが体に侵入したり、体内から水分が出てしまったりするのを防いでいます。この働きを皮膚の「バリア機能」といいますが、赤ちゃんは皮膚が薄いうえに、このバリア機能が未熟で弱いのです。
そのため、夏に汗をかく、冬に空気が乾燥する、洋服がこすれる、体をゴシゴシ洗うなど、外からの刺激を少しでも受けると炎症が起きやすい状態です。炎症が起こると痒みが出てくるため、そこをかいてしまい、傷ついた皮膚から空中のアレルゲン、ウイルスや細菌、ホコリなど、さまざまなものが体内に侵入して、その結果アトピー性皮膚炎を引き起こすのです。

母乳が原因で、アトピー性皮膚炎になる?

ママがアトピー性皮膚炎で、その母乳を飲ませていたとしても、赤ちゃんがアトピー性皮膚炎になることはありません。ママがアレルギー体質の場合は、母乳を飲ませても飲ませなくても、すでに赤ちゃんに遺伝している可能性が高いでしょう。
また、赤ちゃんが検査によって食物アレルギーとわかり、医師の指導で食品の除去をしている場合は、母乳を与えているママにも食事制限が加えられることがあります。ただ、なかには自分の判断で食品制限をしているママもいるようですが、それでアトピー性皮膚炎が防げたり、治ったりするわけではありません。赤ちゃんにアレルギーやアトピー性皮膚炎の心配があるときは、必ず医師に相談しましょう。

親がアトピー性皮膚炎だと、赤ちゃんにも遺伝する?

両親のどちらか、または2人ともアトピー性皮膚炎であっても、必ずしも赤ちゃんがアトピー性皮膚炎になるわけではありません。でも、両親のどちらかでもアレルギー体質だと、赤ちゃんにもその体質が遺伝する確率は高いといえるでしょう。アレルギー体質の赤ちゃんは、今はアトピー性皮膚炎の症状が出ていなくても、後から症状が出てくる可能性もあります。むやみに心配する必要はありませんが、予防のために今からていねいなスキンケアを心がけるといいですね。

アトピー性皮膚炎の症状

痒みの強い湿疹が上から下へと広がります

アトピー性皮膚炎になると、赤くジクジクしていて、痒みの強い湿疹ができます。赤ちゃにアトピー性皮膚炎の湿疹が出るのは、まず顔や頭からです。痒いために、赤ちゃんは抱っこしたときのお母さんの洋服や、寝かせたときシーツに顔をこすりつけることもあります。また、耳のつけ根が切れる「耳切れ」になる子も多いでしょう。これは、アトピー性皮膚炎の特徴的な症状です。
顔や頭に出ていた湿疹は、やがて手足の関節の内側、おなか、足首など、徐々に体の下に向かって左右対称に広がっていきます。痒みも変わらず強いので、夜は熟睡できずに何度も起きてしまったり、無意識に湿疹をかきこわして膿みが出たりするなど、ひどくしてしまうこともあります。そして、治療をしないと、一時的によくなったかと思うとまたひどくなる、ということを慢性的に繰り返します。

アトピー性皮膚炎の症状を写真で確認!

ほお、あご、おでこにできたアトピー性皮膚炎

ほお、あご、おでこにできたアトピー性皮膚炎の画像最初は、顔や頭から赤い湿疹が出始めます。この赤ちゃんは、かきむしって真っ赤になっています。

掻いて真っ赤になった胸の湿疹

かいて真っ赤になった胸の湿疹の画像痒みが強いためかいてしまうと、皮膚がはがれてバリア機能がさらに悪化するという悪循環に。

アトピー性皮膚炎の特徴「耳切れ」

アトピー性皮膚炎の特徴「耳切れ」の画像アトピー性皮膚炎になると、耳のつけ根が切れたりただれたりします。

関節の内側やこすれやすい部位にも湿疹が

関節の内側やこすれやすい部位にも湿疹ができた赤ちゃんの画像汗や汚れがたまりやすくこすれやすいので、ひじの内側やひざの裏側もアトピー性皮膚炎ができやすい部位です。

監修
加藤さき子先生
高野医科クリニック副院長
1984年日本医科大学卒業。同大学日本医科大学付属病院皮膚科助手、複数のクリニック勤務などを経て、2003年から現職。日本皮膚科学会認定専門医。葛飾区にあるクリニックは、アトピー性皮膚炎をはじめとした肌トラブルの診療やスキンケアの指導が評判で、幅広い年齢層の患者でにぎわっています。

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