乳児湿疹の原因と症状は?スキンケア方法と薬の使い方【皮膚科医監修】

 専門家監修
公開日:2017/10/16
更新日:2018/08/30
乳児湿疹の原因と症状は?スキンケア方法と薬の使い方【皮膚科医監修】
監修
加藤さき子先生
高野医科クリニック副院長

赤ちゃんの肌は、すべすべできれい、というイメージがありますね。でも、赤ちゃんの肌はとてもデリケートで、乳児湿疹ができることが意外に多いのです。多くの赤ちゃんが経験する乳児湿疹ですが、一時的なことが多く、きれいに治るケースがほとんどです。適切なスキンケアを知って、早く治してあげたいですね。

乳児湿疹とは?

「乳児湿疹」は肌トラブルの病名と思われがちですが、そうではありません。赤ちゃんによくできる湿疹をまとめて、「乳児湿疹」と呼んでいます。

赤ちゃんの湿疹の総称で、症状はいろいろ

赤ちゃんに湿疹ができて受診すると、医師は月齢や症状などによって診断しますが、乳児湿疹は原因を特定することが難しいケースも多く、原因が複合していることもよくあります。
乳児湿疹は、月齢や湿疹の種類などによって、できる部位や湿疹の状態は多少違います。たいていほほやおでこを中心に、おもに顔にできることが多いのですが、体にできることもあります。
湿疹は赤いポツポツのことが多く、広がって一つ一つがつながり、皮膚全体が赤くなることもあります。また、かゆみは弱いこともあれば、かかずにはいられないほど強いこともあります。ひっかいて皮膚がむけてしまうと、ジュクジュクしてしまう場合も。

乳児湿疹はいつからなるものなの?

生後すぐからできることがあります

乳児湿疹は、たいてい生後1~2週間ごろからでき始めますが、生まれてすぐから、ほほなどに湿疹ができる赤ちゃんもいます。
脂漏性湿疹の場合は、生後1~2週間ごろからでき始め、長くて6ヶ月ごろまでには治るでしょう。新生児ニキビも、生まれてしばらくしてでき始め、1ヶ月ごろをピークにだんだん治ってきます。
一方、生後3ヶ月過ぎてからでき始めた湿疹のなかには、長引いたり、よくなったと思ってケアの手を抜いたらぶり返す、というものもあります。

乳児湿疹の原因は?母乳が原因になることもある?

乳児湿疹の原因は、「生まれてすぐから2~3ヶ月ごろまで」と「3ヶ月ごろから」とで、時期によって違いがあります。それはおもに皮膚の状態が大きく関係しています。

生後3ヶ月頃までは皮脂の分泌量が多いことが原因

私たちの皮膚から分泌される皮脂は、肌の表面をおおって有害物質の浸入や水分の蒸発を防ぐ役割をしています。赤ちゃんも、生まれてしばらくの間はママのおなかの中にいたときのホルモンの影響で、皮脂の分泌がとても盛んです。そのため、毛穴が詰まりやすく、皮脂腺に脂がたまって湿疹ができやすいのです。

生後3ヶ月頃からは皮膚の乾燥が原因

3ヶ月を過ぎたころから、赤ちゃんは皮脂の分泌量が急速に減っていきます。それにより、皮膚が乾燥していてカサカサしがちになります。
人間の皮膚には、外からほこりや汚れ、ウイルスなどが体に侵入したり、体内から水分が出てしまったりするのを防ぐ「バリア機能」があります。でも、赤ちゃんはもともと皮膚が薄いうえに、このバリア機能が未熟です。それに乾燥が加わり、外から少しの刺激を受けただけでも炎症を起こして、湿疹ができやすいのです。

母乳が「乳児湿疹」の直接の原因になることはありません

赤ちゃんに湿疹ができると、「母乳や食べ物が原因?」と心配になるかもしれません。でも、特定の食品を食べたり、それを食べたママの母乳を飲んだりしたことが原因で湿疹が出るのは、「食物アレルギー」です。脂漏性湿疹や新生児ニキビなどの乳児湿疹は、母乳が原因ではありません。

乳児湿疹の症状を写真で確認!

乳児湿疹の症状は、時期や肌トラブルの種類によって違います。3ヶ月ごろを境に、原因や見た目が違ってくるので、湿疹の状態をよく観察することが大切です。

3ヶ月頃まではベタベタ・ジュクジュクしてかゆみのない湿疹

生後すぐから3ヶ月ごろまでにできる湿疹は、皮脂の分泌が多い頭皮やおでこ、まゆ毛のはえぎわ、ほほなど顔によくできます。また、首や太もものつけ根など、皮膚が重なってこすれるような部分にできることもあります。
皮脂の分泌量が盛んなことが原因なので、湿疹は赤く脂っぽくて、ジュクジュクしているものが多いでしょう。脂漏性湿疹は皮脂がこびりついてかさぶたのようになり、新生児ニキビは赤いポツポツの先端に小さな脂のかたまりのようなものがついています。
脂漏性湿疹や新生児ニキビは、見た目が痛々しいのですが、かゆみや痛みはほぼありません。ただし、患部が洋服など何かでこすれたりすると皮膚が傷つき、かゆみが出ることもあります。そこをかいてしまうとさらにかゆみがひどくなる、という悪循環になることもあるので、注意が必要です。

ほほを中心に赤い湿疹が

ほほを中心に赤い湿疹がほっぺからあごにかけて、赤い湿疹ができています。皮脂の分泌が多いまゆげのあたりも赤くなっています。

おでこやまゆ毛にできた脂っぽい湿疹

おでこやまゆ毛にできた脂っぽい湿疹髪の毛の生えぎわ、おでこからまゆ毛にかけて、脂漏性湿疹と思われる湿疹がびっしりできています。

3ヶ月以降は赤くてブツブツ・ザラザラしたかゆみのある湿疹

赤ちゃんの皮膚が乾燥してくる3ヶ月ごろからは、ほほや手足など外気にさらされる部分に加えて、胸、おなか、せなか、太ももなど、大人でも乾燥するとかゆくなりやすい部位に湿疹ができやすくなります。
乾燥した皮膚にできるので、赤みはそれほど強くなく、さわるとブツブツ・ザラザラしています。皮膚に汗やホコリ、細菌やウイルスなどの刺激となるものがついて炎症を起こした状態なので、かゆみもあります。

監修
加藤さき子先生
高野医科クリニック副院長
1984年日本医科大学卒業。同大学日本医科大学付属病院皮膚科助手、複数のクリニック勤務などを経て、2003年から現職。日本皮膚科学会認定専門医。葛飾区にあるクリニックは、アトピー性皮膚炎をはじめとした肌トラブルの診療やスキンケアの指導が評判で、幅広い年齢層の患者でにぎわっています。

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