赤ちゃんの乾燥性湿疹とは?原因と症状・治療方法は?【症例写真付&専門医解説】

 専門家監修
公開日:2017/10/16
更新日:2019/03/13
赤ちゃんの乾燥性湿疹とは?原因と症状・治療方法は?【症例写真付&専門医解説】
監修
加藤さき子先生
高野医科クリニック副院長

赤ちゃんの肌は、もともと、とてもデリケート。さまざまな原因で皮膚が乾燥してくると、少しの刺激でも皮膚が傷つき、湿疹ができやすくなります。赤ちゃんに多い「乾燥性湿疹」の原因や症状を知って、治療とケアの方法を確認しておきましょう。

赤ちゃんにできる乾燥性湿疹ってなに?

赤ちゃんの乾燥性湿疹とは

「乾燥性湿疹」は、名前のとおり皮膚が乾燥することで起こる湿疹です。赤ちゃんの肌は、みずみずしくしっとりしている、という印象がありますが、実はかなり乾燥ぎみなのです。
皮膚には、細菌やウイルス、アレルゲン(アレルギーの原因物質)といった有害なものが侵入しないようにする「バリア機能」があります。でも、赤ちゃんはもともとこのバリア機能が未熟で弱いため、肌の水分が外に出やすく乾燥しやすい状態です。乾燥でカサカサした肌は、そのすき間から有害物質が侵入しやすく、肌トラブルが起こりやすくなっています。

なぜ乾燥性湿疹になるの?原因について

皮脂の分泌量が減って、皮膚が乾燥するのが原因

皮膚から分泌される皮脂は、肌の表面をおおって有害物質の浸入や水分の蒸発を防ぐ役割をしています。赤ちゃんも、生まれてしばらくの間はママのおなかの中にいたときにもらったホルモンの影響で、皮脂の分泌がとても盛ん。皮膚は脂っぽくなりがちで、「乳児脂漏性湿疹」や「新生児ニキビ」などがよくできます。
ところが、生後3~6ヶ月ぐらいになるとママからもらったホルモンの影響がなくなるので、今度は皮脂の分泌量が急速に減っていきます。こうした原因から、赤ちゃんの肌はカサカサして乾燥しやすい状態になっていきます。もともとバリア機能が未熟なうえに、乾燥ぎみになった赤ちゃんの肌は、刺激にとても弱くかゆみが出やすい状態。かいたり衣類などでこすれたりした結果、「乾燥性湿疹」ができてしまうことがよくあります。
特に、寒くなって空気が乾燥してくると、皮膚の乾燥もひどくなるので要注意です。

乾燥肌との違いはなに?

乾燥性湿疹は、皮膚の乾燥が原因で起こる湿疹ですが、乾燥肌は肌の状態のことをいいます。乾燥性湿疹ができたからと、必ずしも元の肌が乾燥肌だからというわけではありません。一時的に肌状態が乾燥していることにより、湿疹ができることもあります。

乾燥肌はトラブルの起こりやすい肌質のこと

健康でバリア機能がしっかり働いている皮膚は、水分が保たれてうるおった状態。細菌やウイルスなどの有害物質もはね返し、肌をこするなどの刺激にも強いのです。
一方、乾燥肌は「ドライスキン」ともいい、肌質の一種のこと。体質的にもともと皮膚にうるおいが少なくバリア機能も弱いため、乾燥ぎみでカサカサしているのが特徴です。
乾燥肌自体は病気ではありませんが、乾燥のために常に肌トラブルを起こしやすい状態なので、それを防ぐためには毎日のケアが必要です。

乾燥性湿疹の症状を写真で確認!

乾燥性湿疹は、皮膚の表面が乾燥してカサカサ・ザラザラしていたり、粉をふいたようになったりしているところに何らかの刺激が加わり、湿疹ができて赤くなります。湿疹はポツポツしている場合もありますが、湿疹同士がくっついて広い範囲が赤くなることもあります。

太ももにできた乾燥性湿疹

太ももにできた乾燥性湿疹カサカサしていた太ももに赤い湿疹が。さわるとザラザラしています。

乾燥性湿疹の赤ちゃん Before→After

【Before】乾燥性湿疹の赤ちゃん(生後1ヶ月)

【Before】乾燥性湿疹の赤ちゃん(生後1ヶ月)両親がアレルギー体質のせいか、冬生まれで新生児期から顔はガサガサ。顔や頭の皮がポロポロむけたようになったところがやがて赤くなり、1ヶ月健診で「乾燥による湿疹」と言われました。

【After】乾燥性湿疹の赤ちゃん(生後3ヶ月)

【After】乾燥性湿疹の赤ちゃん(生後3ヶ月)入浴後に全身にベビーオイルを塗るなど保湿を徹底。暖かくなったこともあって、3ヶ月になるとかなりよくなりました。それ以降もスキンケアは日課。

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どんなケアをすればいい?

乾燥性皮膚炎のケアも、ほかの肌トラブルと同じく、「清潔」「保湿」が基本。バリア機能が弱っている皮膚に対する刺激もNGです。

保湿を徹底しましょう

乾燥している皮膚は、ちょっとした刺激にも弱く、すぐにかゆくなります。かいてしまうと皮膚が傷つき、湿疹になってかゆみが増し、またかいてしまって悪化する…という悪循環に。
これを防ぐには、こまめな保湿で皮膚から失われた水分を補ってうるおいを正常に保ち、刺激から皮膚を保護することです。保湿のタイミングは、入浴後、授乳や離乳食、おむつ替えのあと、目覚めたとき、外出から帰宅後など。肌をきれいにしてからしっかり保湿剤を塗りましょう。
保湿剤は、油分が多く保湿効果の高いベビー用の植物由来のオイルや白色ワセリンがおすすめ。水分の蒸発や外部の刺激から守るため、赤ちゃんの皮膚に油の膜をはるようなつもりで塗ります。

刺激を避けましょう

保湿に加えて大切なのは、皮膚に刺激になるようなことは極力避けることです。
・皮膚を清潔に保つ
・お風呂はぬるめに
・石鹸は低刺激のものを
・肌をゴシゴシこすらない
・寒い時の外出は、肌の露出を避ける
・下着や寝具は、肌にやさしい素材を
・室内の乾燥を防ぐ
などがポイントです。

病院での治療はどんな内容?

皮膚の状態を見て、ケアの方法を指導してくれます

赤ちゃんの肌が日ごろからカサカサしていて、衣類や布団でこするなどして赤くなったときは、早めに皮膚科を受診しましょう。

受診すると、医師は赤ちゃんの肌の様子を見るだけでなく、これまでの肌の状態の移り変わりや、家族にアレルギー性の病気の人がいないかなどを聞くことも。両親のどちらかがアレルギー体質だと、赤ちゃんは乾燥肌になりやすいからです。必要があれば、日常のスキンケアの方法なども指導してくれるでしょう。

乾燥性湿疹に効く薬はある?どんな薬を使うの?ステロイドは?

治療は保湿が中心で、ひどいときは塗り薬を使用

乾燥性湿疹の治療は、皮膚の乾燥を抑えて肌コンディションをいい状態にすることを第一にします。湿疹の症状が軽かったり範囲が狭い場合などは、保湿を中心としたスキンケアを続けていれば、だんだんよくなるでしょう。
赤ちゃんがかいてしまったため赤い湿疹になったときは、症状に合わせて消炎作用やかゆみ止めの働きがある塗り薬が処方されます。ひどい場合は、ステロイド剤を使っていったん症状を抑えることも。
どんな皮膚の病気にも言えることですが、ステロイド剤は医師の指導に従って正しい使い方をすれば、副作用の心配はありません。湿疹がひどいときはステロイドの塗り薬を短期間だけ使い、症状が落ち着いてきたら保湿のスキンケアだけに切り替え、皮膚のいい状態をキープする、という方法がベストです。

取材・文/村田弥生
写真協力/育児雑誌『Baby-mo』の全国読者のみなさん
一部写真出典/『はじめてのママ&パパの病気とホームケア』(主婦の友社刊)

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監修
加藤さき子先生
高野医科クリニック副院長
1984年日本医科大学卒業。同大学日本医科大学付属病院皮膚科助手、複数のクリニック勤務などを経て、2003年から現職。日本皮膚科学会認定専門医。葛飾区にあるクリニックは、アトピー性皮膚炎をはじめとした肌トラブルの診療やスキンケアの指導が評判で、幅広い年齢層の患者でにぎわっています。

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