赤ちゃんのあせもの原因は?保湿や薬はどうする?予防や対策方法は?【症例写真つきで専門医が解説】

 専門家監修 2017/10/11更新
赤ちゃんのあせもの原因は?保湿や薬はどうする?予防や対策方法は?【症例写真つきで専門医が解説】

加藤さき子先生
高野医科クリニック副院長
1984年日本医科大学卒業。同大学日本医科大学付属病院皮膚科助手、複数のクリニック勤務などを経て、2003年から現職。日本皮膚科学会認定専門医。葛飾区にあるクリニックは、アトピー性皮膚炎をはじめとした肌トラブルの診療やスキンケアの指導が評判で、幅広い年齢層の患者でにぎわっています。

汗をかく季節にできる、赤ちゃんのあせも。暑くなると、赤ちゃんの体に急に赤いポツポツがたくさんでき、ビックリするママもいます。あせも=暑い時期の肌トラブル、と思いがちですが、赤ちゃんは真冬でもあせもができることがよくあります。赤ちゃんの肌トラブルの代表格・あせもの原因や予防法、そして保湿の仕方や薬の使い方を知っておきましょう。

赤ちゃんもあせもができるの?

赤ちゃんは、大人に比べて体はとても小さいですが、汗を分泌する汗腺(かんせん)の数はなんと大人と同じ。そのため、大人の約3倍もの汗をかくと言われています。新陳代謝も盛んなので、赤ちゃんはもともと、とても汗かきなのです。汗はデリケートな赤ちゃんの肌に刺激となるので、汗をかくと赤ちゃんは大人よりずっとあせもができやすいといえます。

赤ちゃんにあせもができる原因は?どんな症状?

あせもの原因

汗をかくと、皮膚がふやけて汗を分泌する汗腺がつまりやすい状態になります。さらにたくさん汗をかくと、汗の出口(汗孔・かんこう)がふさがれて、皮膚の表面近くに汗がたまってしまい、小さな発疹ができます。これがあせもです。
あせもは汗をたくさんかくことでできるので、夏だけでなく、暖房や着せ過ぎにより冬でもできることがあります。

あせもの症状

初めは炎症を起こさず、小さな透明の盛り上がりができます。かゆみはなく、この段階ですぐにケアすれば半日くらいで治るでしょう。
一般的に「あせも」といわれるのは、皮膚のやや深い場所に炎症を起こした状態の赤いあせも(紅色汗疹・こうしょくかんしん)のこと。首のまわり、わきの下、背中、頭など、汗をかきやすい場所に、赤くて細かいブツブツができます。赤ちゃんは特に、くびれて皮膚と皮膚が重なっている部分にあせもができやすいので、二の腕やおしりまわりなども日ごろからチェックしましょう。

背中一面にできたあせも

背中一面に出て、かゆみも強いあせも。範囲が広いあせもは、炎症を抑えるためにステロイド軟こうで治療します。

首のまわりにあせもがびっしり!

首の皮膚が重なって、こすれる部分にできたあせものブツブツ。皮膚の重なりを広げて汗をきれいにふくか洗い流します。その後、薬を塗って治療。


太もものくびれにできたあせも

おむつが当たる部分も汗がたまりやすいので、あせもができやすい場所です。

赤ちゃんにあせもができたら、どう対応したらいい?

あせもができたときの対応

あせものケアは、「汗をかいたままにしないで、肌を清潔に保つこと」がポイントです。1日1回はおふろで石けんを使い、汗をきれいに洗い流してあげましょう。低刺激のものや赤ちゃん用の石けんなら、成分があせもに刺激になることはありません。暑い時期、日中に汗をかいたらふくか、シャワーなどで流します。
汗をふいたり水分を取るとき、タオルでゴシゴシこするのは×! 刺激になって肌を傷つけてしまうので、タオルで軽く押すようにしてふくのがコツです。
肌をふいたり洗ったりしたあとは、乾燥させてから洋服を着せましょう。

赤ちゃんの首や顔にあせもができたときの対応方法は?

首にできるあせも

赤ちゃんの首のように皮膚が重なっているところは、特に汗がたまりやすいもの。汗をかいているときは、早めにふいてあげましょう。
お風呂では、よく泡立てた石けんをママの手につけて、皮膚の重なりを広げるようにして指できれいに洗い、石けん分が残らないよう十分流します。

顔にできるあせも

ひたいや髪の毛の生えぎわは汗がたまりやすいので、首と同じく、汗をかいていたら早めにふいてあげましょう。

赤ちゃんのあせもを予防する方法はある?

あせもの予防

あせもの予防も、あせもができたときのケアと基本は同じです。汗をかいたらそのままにしないで、肌を清潔に保ちます。 

あせも予防のための対策

暑い時期は、エアコンを上手に使って室温を調節したり、通気性&吸湿性のある衣服を着せたりするのがおすすめです。
また、赤ちゃんは特に、寝つくときに汗をたくさんかきます。背中にハンドタオルやガーゼを入れておき、汗をかいていたら引き抜くといいでしょう。
暑いときは、肌の露出が多い服のほうが涼しそうに見えますね。でも、わきの下などにかいた汗を吸い取れないので、露出の多い服はあせもになりやすいのです。あせも予防には、そでがあって汗を吸い取る綿素材のTシャツなどがおすすめです。
寒い季節では、暖房のしすぎや着せすぎに注意しましょう。赤ちゃんの背中に手を入れてこまめにチェックし、じっとりと汗をかいていたら着替えをさせたり、ふきとってあげます。また、室温を少し下げるか、1枚脱がせたりして調節しましょう。

保湿すれば赤ちゃんのあせもは治るの? ローションやベビーパウダー、ワセリンを使ったほうがいい?

赤ちゃんにあせもができたときの保湿

保湿は、あせもの治療にはなりませんが、肌を保護するためにはとても大切です。保湿することで肌のバリア機能が高まり、外からの刺激に対してダメージを受けにくくなるので、あせももできにくくなります。入浴やシャワー、おむつ替えなどの後には、清潔な肌に保湿をする習慣をつけたいですね。

ローション

伸びがよくつけやすいので、保湿のためによく使われます。ただ、ローションにはいろいろな成分が含まれているものがあり、赤ちゃんによっては肌に合わないこともあります。ローションをつけて赤くなったり、赤ちゃんがかゆがったりしたら、すぐに使用を中止しましょう。

ベビーパウダー

ベビーパウダーは、つけすぎると固まって汗の出口をふさぎ、あせもやかぶれの原因になってしまうことがあります。「肌を清潔に保ち、保湿する」というケアをしていれば、ベビーパウダーはあえて使う必要はありません。

ワセリン

白色ワセリンには添加物などが入っていないので、安心して使えます。つけるとややベタッとした感じはしますが、肌に定着し保湿効果も高いので、赤ちゃんの保湿におすすめです。

赤ちゃんにあせもができたら、病院に行ったほうがいいの?薬はある?

あせもで病院に行くめやす

赤いあせもができたときは、「肌を清潔にして保湿する」というケアをします。2~3日ケアを続けてもよくならないときや、ひどくなったときは、皮膚科を受診しましょう。特に、赤いあせもがひどくなると、化膿してあせもの「より」ができてしまったり、かゆみが強いためにかきこわして、湿疹やとびひになることがあります。

あせものよりとは?

汗腺の奥深いところが菌に感染し、膿んでしまった状態です。おもにひたいや頭などに赤くしこりのあるはれができます。37~38度くらいの熱が出たりリンパ腺がはれたりして、赤ちゃんが不機嫌になるので、早めに受診しましょう。

あせものより

菌に感染して化膿したあせもの「より」。

あせもの治療に使われる薬

受診すると、あせもの程度によって、抗菌剤含有外用薬や、ステロイド剤の塗り薬が処方されます。あせもの「より」ができてしまったときは、患部を切開したり針を刺すなどして、たまった膿みを出すこともあります。また、抗菌剤の飲み薬による治療が必要です。
ひどくならないようにするためにも、「清潔&保湿」のケアを行い、高温多湿の環境を避けて、必要以上に汗をかかないようにすることが大切です。

取材・文/村田弥生

写真協力/育児雑誌『Baby-mo』の全国読者のみなさん

一部写真出典/『はじめてのママ&パパの病気とホームケア』(主婦の友社刊)

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