【赤ちゃんの耳掃除】やり方のコツは?毎日するもの?耳鼻科に行くべき症状はコレ!

 専門家監修 2017/10/11更新
【赤ちゃんの耳掃除】やり方のコツは?毎日するもの?耳鼻科に行くべき症状はコレ!

米山万里枝先生
東京医療保健大学大学院医療保健学研究科 教授。助産学、周産期医療などのエキスパートとして研究、講師などを積極的に行っている。

小さくて見えにくい赤ちゃんの耳の穴。間違ったケア方法で傷つけてしまっては大変です。そこで耳掃除の方法とそのコツを、新生児のエキスパート米山万里枝先生が伝授。やり方とコツさえわかれば誰でも上手にケアできるようになりますよ!

耳掃除はいつから? 毎日したほうがいいの?

耳まわりのケアは毎日。耳アカ掃除はときどき
赤ちゃんの耳は意外と汚れがたまりやすい場所。とくに耳たぶや耳の裏側、でこぼこした表面などは、毎日お風呂上がりにガーゼできれいにふいてあげるのがいいでしょう。見える耳アカは綿棒で。こちらは汚れがあるときだけでOKです。

赤ちゃんの「耳掃除」のコツ

小さくて見えにくい赤ちゃんのパーツケアにはコツがあります。あやまって奥をつついてしまわないかなど、お母さんの不安は尽きないかもしれませんねどういうときに、どうやってケアすればいいのかをしっかり理解していれば、不安になりすぎることなく、どんなときもあわてずにすみます。

安全にケアするための3つのポイント

①赤ちゃんが動かないように“大判のタオル”でしっかり固定!

パーツケアでいちばん大切なのが、赤ちゃんが動けないように固定すること。大判のタオルで赤ちゃんの体全体をしっかりくるみましょう。

<大判タオルの巻き方>
※写真は赤ちゃんを正面から見て、右側のパーツをケアする場合。左側をケアする場合はタオルの巻き方を逆にします

大判のタオルの上に赤ちゃんを寝かせて赤ちゃんの左手をまっすぐにしてからタオルで固定(写真左)。続けて右手もしっかりくるんで固定します(写真右)

②ケアするパーツを“よく観察”する

パーツケアには角度や明るさが重要。赤ちゃんのパーツは小さいですが、きちんとした角度で、明るさを確保して見れば、ちゃんと奥まで確認できます。この確認ができて初めて、どれくらい汚れているのか、どうやってケアするのかを考えるべき。汚れがきちんと見える場所を確保して。

③ケアをするのは“見えている部分”だけ

完璧に汚れを取ろうとしなくてOK。過剰なケアがかえって赤ちゃんを傷つけてしまう場合も。汚れが見えている部分を無理のない範囲でケアしてあげましょう

毎日の耳掃除「基本のやり方」

耳の汚れをきれいにするには、「ガーゼ」と「綿棒」の併用がおすすめです。

ガーゼでのやり方

お湯でしぼったガーゼを親指に巻き、赤ちゃんの耳のみぞに沿ってふいてあげましょう。耳に入った水分をふき取る意味でも、お風呂上がりが最適です。見落としがちな耳の後ろも忘れずに。

お湯につけてよくしぼったガーゼを、写真のように親指に巻きます。より細かいところをふくときは人さし指でも○。

親指以外の4本の指で、ガーゼの余分なところをたぐりよせれば準備OK。人さし指の場合も同じです。

耳全体をまんべんなくふいたら、耳の穴やでこぼこ部分をていねいにふいていきましょう。耳の後ろも忘れずに。

 

綿棒でのやり方

見える耳アカは綿棒で絡めとります。クルクルとまわしながらとるのがコツですよ!

指巻きガーゼでは届かなかった部分を綿棒でお手入れ。汚れがついたら新しい綿棒に取り替えましょう。

耳アカは見えている汚れだけを取るのがお約束。綿棒を回しながら挿入し、汚れをからめ取るイメージでやってみて。

綿棒を引き出すときも回しながら。穴のどこかに押しつけるように回し、汚れを巻き込みながら取り出します。

綿棒を押し込んではいけません!

よく綿棒をそのまま穴に押し込んで汚れを取ろうとするお母さんがいますが、汚れはますます奥にいってしまうだけ。綿棒を穴に沿わせて外側に動かし、最後穴から引き出すときに、汚れを巻き込むようにクルクル回しながらするとうまくいきます。「これだけで!?」と思うかもしれませんが、本当にこれだけできれいになるんですよ。

★こんな綿棒がオススメ★
◎先がけば立たないもの
◎柄が細すぎないもの
◎小分け包装になっているもの

1本1本小分けになっていると持ち歩きにも便利。1つのボックスに大量に入っているものはほこりや汚れが心配です

こんなときはどうしたらいい?Q&A

Q.沐浴のとき、赤ちゃんの頭を支えていると耳のつけ根がうまく洗えません。何かいい方法は?

(A.Oさん&Hちゃん・生後4ケ月)

A.お風呂で全部すまそうとせず上がってからふいてあげればOK!
沐浴のころは赤ちゃんの頭を支えていなければなりませんから、その部分が洗えないのは確かです。そんなときはムリにお風呂の中ですまそうとせず、お風呂から上がってからお手入れしてあげましょう。そのほうがお母さんもラクですし、赤ちゃんも安全です。

Q.耳そうじは見えるところまでといわれますが、耳アカはたまっていないのですか?

(K・Tさん&Kくん・生後6ケ月)

A.見える範囲で汚れがなければ一生懸命取る必要はありません。
赤ちゃんの耳の穴を奥までよく観察し、見える範囲に汚れがなければ、それ以上取る必要はありません。見えないところの耳アカは、徐々に外に出てきますから心配しないで。せっかく出てきた汚れをお母さんが綿棒で押し込まないよう、気をつけてくださいね。

こんな症状が現われたら耳鼻科へ

お風呂上がりでもないのにネバネバした粘液が出ていたら、炎症を起こしている可能性があります。一度ふいて取れれば問題ありませんが、症状が続くようなら病院でみてもらいましょう。
また風邪のときは中耳炎になりやすいもの。風邪が治ったのにいつまでも赤ちゃんの機嫌が悪い場合は要注意です。赤ちゃんの様子をよく観察してあげて。

知っておきたい耳の病気

耳の病気で最も多いのが中耳炎。とくに風邪から中耳炎になるケースが多くみられます。風邪の細菌やウイルスが中耳に侵入したり、くしゃみやせきをすることで鼻水が耳管を通って中耳に入ることでかかります。

急性中耳炎

<病気のサイン>
・発熱
・耳だれ

<どんな病気?>
耳の痛みで不機嫌になり高熱も出ます
鼓膜内側にある中耳が炎症を起こす病気。主に風邪の後、細菌がのどや鼻の粘膜から耳管を通って中耳に移行するのが原因です。赤ちゃんの耳管は短く太いため、細菌が侵入しやすく中耳炎になりやすいもの。高熱が出て赤ちゃんが不機嫌になったら受診して。症状が進むとうみがたまり鼓膜が破れることもあるので要注意。

<治療方法>
医師の指示に従って抗生物質で治します
風邪の後などにいつまでも機嫌が悪く、高熱がぶり返したり、しきりに耳をさわろうとする様子が見られたら、早めに小児科か耳鼻科でみてもらいましょう。急性中耳炎の場合は抗生物質の内服薬で治療します。症状が進行すると黄色い耳だれが出ますが、その場合はガーゼや綿棒で耳の外側をふき取ってあげて。

滲出性(しんしゅつせい)中耳炎

<病気のサイン>
・呼びかけに反応しない

<どんな病気?>
呼んでもすぐに反応しないなど、難聴の症状が出る
のどに炎症を起こして耳管が腫れ、組織からにじみ出た液(滲出液)が中耳にたまって起こる。原因は不明ですが、家族に喫煙者がいると起こりやすいともいわれています。症状の特徴は軽い難聴になること。耳だれや痛みなどの症状がないため見過ごされがちですが、ほうっておくと難聴が進行し治りにくくなることも。

<治療方法>
症状の軽重によって治療法も異なります
軽症の場合は鼻から空気を吹き込む耳管通気という治療を行います。中耳の気圧の状態を調節したうえで鼓膜を切開し、滲出液を抜く方法も。それでも滲出液がたまるときは、切開した鼓膜の穴に小さなチューブを入れて固定する手術を行い、滲出液を外に出します。急性中耳炎から移行することもあるので、経過を見守って。

外耳道炎(がいじどうえん)

<病気のサイン>
・耳にふれると痛がる、機嫌が悪い
・耳がにおう
・黄色い耳だれが出る
・微熱が出る(出ないことも)

<どんな病気?>
耳掃除のしすぎが原因になることも
外耳道とは、耳の入り口から鼓膜までの部分。耳掃除のしすぎや、ひっかいてできた傷から最近が入って炎症を起こす場合が多く、乳幼児の場合は耳の入り口にできたアトピー性皮膚炎の湿疹をひっかいて化膿させるケースも。
軽くふれただけでひどく痛がるのが特徴で、着替えの時やママの手がふれただけで泣くといった様子で気づくことも。高熱は出ませんが、37度くらいの微熱が出ることもあります。

<治療方法>
基本は消毒と抗菌薬の飲み薬のみ
初期であまりひどくない症状なら消毒と抗菌薬の飲み薬でおさまるでしょう。必要に応じて軟膏や点耳薬が処方されます。痛みが強い場合は鎮痛解熱薬を使ったり、耳を冷やしたりしてケアをします。
患部が化膿してしまった場合は、薬液をしみ込ませた綿球を耳に入れたり、切開してウミを出す処置をすることも。ウミを出してしまえば痛みもやわらぎます。

イラスト/しおたまこ

出典 :Pre-mo2017年秋号※情報は掲載時のものです

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