乳腺炎になる原因は? 熱や痛みなどの症状と対処、予防法をチェック

コラム 公開日:2017/09/07
乳腺炎になる原因は? 熱や痛みなどの症状と対処、予防法をチェック

おっぱいが詰まって乳腺に炎症が起こる「乳腺炎」。おっぱいが腫れる、熱を持つなど、授乳中のお母さんにとっては、つらいトラブルのひとつです。乳腺炎予防&もしものときのために、詳しい症状や対処法などを知っておくと安心。助産師として長年たくさんのお母さんのおっぱいケアをしてきた市川香織先生が解説します。

胸のしこり、熱、痛みなどが主な症状、対処法は「母乳を出す」こと

乳腺炎の主な症状としては、おっぱいがかたくなって赤く腫れる、ズキズキと痛む、熱を持つ、などがあります。かぜの症状に似ていて、お母さん自身に高熱が出ることもあります。

母乳がたまっていて胸にしこりがある、少し熱を持っている場合は、母乳を出すのが一番の対処法です。おっぱいが痛いからと、そのまま母乳をため込むと症状が悪化してしまう原因に。飲み残しがないように、いろいろな角度から赤ちゃんに吸ってもらうようにしましょう。

悪化すると薬の服用、膿がたまってしまうと切開も

症状が悪化すると一気に腫れ上がり、おっぱいの形が変わったのがハッキリとわかるほどになることも。細菌感染してしまったときは抗生物質で治療します。抗生物質を服用していても、基本的に授乳はできます。

急性うっ滞性乳腺炎・急性化膿性乳腺炎とは

急性うっ滞性乳腺炎は、母乳がおっぱいにたまってしこりができ痛みがある状態で、急性化膿性乳腺炎は、乳首の傷口などから細菌感染し、膿がたまってしまった状態です。母乳は栄養価が高く、母乳がたまっていると細菌も繁殖しやすくなります。膿がたまっていると切開しなくてはいけなくなるので、いつもと様子が違うと感じたら早めに対処を。母乳が詰まっていておっぱいが痛い、しこりがあって熱っぽい、おっぱいが赤く腫れてきたという場合は、すぐ助産師に相談するか病院で診察を受けてください。

母乳の出がとてもいい人は乳腺炎になりやすい?

母乳の出がとてもいい、母乳がたくさん作られるという人は、乳腺炎になりやすい傾向があります。産後3ヶ月くらいになると母乳の出が安定してきて、赤ちゃんが飲む量と母乳の量のバランスがよくなってくるのですが、なかには需要より供給のほうが多くなっていて、産後3ヶ月を過ぎてもずっと胸の張りを感じているお母さんもいます。

赤ちゃんが母乳を飲みきれずにおっぱいに残ったままになっている場合は、とくに気をつけましょう。ただ、母乳が残っているからといって全部しぼり出してしまうと、体は「おっぱいが足りない」と判断し、どんどん母乳が作られてしまいます。母乳が多く出る人は、片方だけで赤ちゃんがおなかいっぱいになってしまうこともありますが、そのときはもう片方のおっぱいは圧抜き(乳輪を指で押して圧を抜く)だけをして、次の授乳はそのおっぱいから飲ませるなど、片方のおっぱいだけに母乳がたまらないよう、工夫をしてください。

乳腺炎になりやすい人は、繰り返し症状が出ることもあるので、定期的に助産師にチェックしてもらうと安心です。

乳がんと乳腺炎の見分けはつくもの?

「しこり」があるという点で、乳腺炎と乳がんの見分けはママ自身ではつきにくいことがあります。母乳が詰まってしこりができている場合は、授乳をすればしこりはなくなるケースが多いのですが、ずっとしこりが残っていたり、助産師では判断がつかないときは、速やかに病院で診察を受けるようにすすめます。妊娠中に乳がんが見つかる場合もありますが、一番見分けがしにくいのが、授乳中で乳腺炎も起こしやすい産後2~3ヶ月までの産褥期。ふだんから自分の胸の状態をよく知っておくことが大切です。

乳腺炎を予防するには心身の疲れ、冷えに注意を

特定の食べ物が原因で乳腺炎になることはありませんが、助産師として多くのお母さんを見てきた経験上では、心身が疲れている状態で、脂っこいこってりとした、消化するのに胃腸に負担のかかるものを食べると、乳腺炎を起こしやすくなると感じています。季節の変わり目や疲れが出る時期は体調を崩しやすく、乳腺炎になる人も多いので、頑張りすぎは禁物です。

また、血液の循環が悪くなると母乳が詰まりやすくなるので、冷えは大敵です。冬など気温の低い時期は体を温めようとしますが、夏はエアコンや食べ物などで体を冷やしてしまうことが多く、要注意です。授乳期は水分補給が大切ですが、汗をかく夏場はとくに、水分をしっかりとるようにしてください。ただし、冷えすぎないよう、キンキンに冷えた飲み物は控えめに。

Profile
市川香織先生
助産師・文京学院大学 保健医療技術学部准教授
1990年千葉大学医学部附属助産婦学校卒業。千葉大学医学部附属病院、千葉大学医学部附属助産婦学校教員、厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課、公益社団法人日本助産師会事務局長等を経て、2014年4月より現職。2013年8月に一般社団法人産前産後ケア推進協会を立ち上げ、代表理事もつとめる。

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