【医師監修】食物アレルギーはスキンケアで予防できる?卵を与える時期を遅らせるのは逆効果?

 専門家監修 公開日:2017/08/24
【医師監修】食物アレルギーはスキンケアで予防できる?卵を与える時期を遅らせるのは逆効果?
監修
成田雅美先生
国立成育医療研究センター アレルギー科

育児雑誌『Baby-mo』読者ママのアンケートでは、7割以上が「知らなかった」と答えた食物アレルギー予防法の最新情報。近年新しくわかったことを、アレルギー科の専門医がくわしく解説します。

食物アレルギーの原因は皮膚から体内に入り込む!

食物アレルギーは、原因食品を食べて発症すると考えられ、その食物を除去する研究がたくさん行われてきました。しかし食物除去をしても、アレルギーを発症することがありました。

一方で、食物アレルギーの原因として注目されるようになったのが「経皮感作(けいひかんさ)」です。経皮感作とは、湿疹などのトラブルがある皮膚を通して原因食物が体内に入り、免疫システムがその食物を「敵」とみなしてアレルギー反応を起こす準備をするということです。

イギリスで多く見られるピーナッツアレルギーの子を調べた研究があります。肌トラブルの保湿にピーナッツオイルを塗っていた赤ちゃんは、塗らなかった子にくらべて6~7倍もピーナッツアレルギーの発症率が高かったのです。湿疹のある皮膚から吸収されたピーナッツの成分が免疫システムの誤作動を起こし、ピーナッツアレルギーを発症したのではないかと推測されました。

皮膚は、体の内と外とを隔てるバリアです。このバリアを破って侵入してくるのは、通常は細菌やウイルスなど、人にとって有害な異物です。そのため、皮膚には外からの侵入に対して、免疫が厳しく働く仕組みがそなわっています。家庭に浮遊するホコリの中には、卵や牛乳など、よく使われる食品の成分が含まれています。たまたま赤ちゃんに湿疹があると、そうした成分が体内に入り、免疫の誤作動を起こしてしまうのです。

アーモンドオイルやセサミオイルに要注意

国立成育医療研究センターで、次のような実験が行われたことがあります。家族にアトピー性皮膚炎の患者がいる赤ちゃんを2つのグループに分け、生後1週間から毎日保湿剤を全身に塗った場合と、乾燥した部位にだけ塗った場合とをくらべてみました。

その結果、毎日保湿剤を塗った赤ちゃんは、生後8カ月までに湿疹を発症する割合が少ないことがわかりました。しっかりスキンケアをすることで、アトピー性皮膚炎が予防できることがわかったのです。トラブルのない肌は、食物アレルギーの発症も予防すると考えられます。

スキンケアに使うのは、赤ちゃんの肌に合うクリームでかまいません。ただしピーナッツオイル、アーモンドオイル、セサミオイルなどを含むものだと、ピーナッツやアーモンド、ごまなどの食物アレルギーが起こる可能性があるので注意しましょう。

出典 :Baby-mo(ベビモ)2017年夏秋号※情報は掲載時のものです

監修
成田雅美先生
国立成育医療研究センター アレルギー科
1991年、東京大学医学部卒業。専門は小児科学、アレルギー学。アレルギーの臨床研究だけでなく、ママたちへの講演などでも活躍中です。

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