「リビング学習」で子どもの集中力がUPする理由を、隂山英男先生が解説!

 専門家監修
公開日:2017/08/05
更新日:2019/02/25
「リビング学習」で子どもの集中力がUPする理由を、隂山英男先生が解説!
監修
隂山英男先生
立命館小学校校長顧問

最近、最も注目されている教育キーワードの一つ、「リビング学習」って知っていますか? リビングで勉強する=リビング学習といい、「百ます計算」でおなじみの、隂山英男先生もおすすめしているんです! 子どもの集中力をつけるのに役立つというリビング学習について、詳しくお話をうかがいました。リビング学習を実践するお宅の机の配置などの実例もご紹介。

「リビング学習」が頭のいい子を育てる⁉ 
隂山英男先生がおすすめする理由は……

リビングに合う白い学習机を購入(小2&年中さん)


集中力は、リラックスから生まれる

立命館小学校校長顧問の隂山英男先生は、小学生、特に低学年にこのリビング学習をすすめているとのこと。それはなぜなのでしょうか。
「スポーツ選手がよく『試合を楽しんできます』とか『リラックスして試合に臨みたい』などと言っていますね。彼らはただリラックスしているのではなく、競技に集中して、結果を出しています。つまり、集中というのはリラックスするところから生まれてくるのです」
これは、勉強や学習についても同じことが言えるそうです。
「リビングには大好きなお母さんや家族がいて、子どもがとてもリラックスできる場所ですね。わからないことがあれば、すぐに聞けて教えてもらえる安心感もありますし、『答えが合ってた!』『早く終わった!』と言えば、ほめてもらえるという励みもある。そうした、リラックスする中でがんばる気持ちこそが、学習に集中する力を育ててくれるのです」
なるほど、きちんとした机がなくても広くなくても、その環境があれば大丈夫なんですね。
「実際、有名大学の学生に『小学生時代、どこで勉強していたか』と聞いてみると、リビングという答えが多いくらいです」

机を造りつけにしたスタディコーナー(小2&年中さん)

リビング学習では親がとにかく見守りに徹すること

そんな隂山英男先生によれば、リビング学習で親が気をつけるべき「成功のコツ5カ条」があるそう。
「リビング学習でいちばんやってはいけないことは、お母さんが真正面に座ることです。これだとお母さんが監視することになり、子どもが緊張してしまうからです。前に座っていると、子どもの書いたものがよく見えますね。間違えていたらつい口に出してしまうでしょう。そうすると子どもがビクビクして集中が途切れてしまうのです。せっかくリラックスできるようにリビングで学習したのに、緊張させることになってしまいます」
確かに、これでは全然リラックスできませんね。
「またダイニングテーブルで学習している場合に注意したいのは、食器を並べるなど、食事の支度で学習を妨げてしまうことです。これも集中力を途切れさせることになりますから、『〇時までがんばろうね』などと親が学習時間をコントロールしてあげるといいですね。そして早く終わったら必ずほめてあげてください」
それではやはり学習机は、買ったほうがいいのでしょうか?
「スペースに余裕があるなら、リビングに学習机を置くのがベストです。できれば窓ぎわに向けて置くといいですね。お母さんが視野に入らないことで緊張が和らぎますし、夕食の支度にも影響しません。学習机が置けない場合も、棚を置くなどして、教科書や学習道具などを置く場所を決めておくと、スムーズに学習に取り組めます」
また、リラックスには適度な生活感も必要とのこと。「たとえば壁が真っ白だと病院のようでむしろ緊張してしまう。子どもの描いた絵や写真など、心がなごむものを飾ってあげるとよいでしょう。部屋がシーンとしずまっているのも緊張感を高めてしまいます。テレビやラジオはNGですが、夕飯の支度や家事をしながら自然な生活音の中で学習させてあげましょう」

隂山英男先生による「リビング学習成功のコツ」5カ条

①あくまでも見守りに徹する。監視にならないように
②夕食の準備をすることで集中力のじゃまをしない
③時間を意識させ、短時間で終わったらほめる!
④学習しやすい収納環境をリビングで整えてあげる
⑤部屋にはリラックスできる生活感を演出する


姉妹仲良く並べる幅広デスクはパパのDIY作品(小1&3才)


専用の机を用意することで勉強のスイッチが入りやすく

では、「リビング学習」にふさわしい机ってあるのでしょうか。ママ世代の人気No.1の無印良品さんに伺いました。
「家族が集い、ごはんを食べ、たまにはお客様を迎えて……と用途がもともと多種多様なリビング&ダイニングルームの貴重なスペースを使うのですから、シンプルでコンパクトであることがデスク選びの基本条件になるでしょう。ライフスタイルに合わせて置き場所や使い方を変えやすいし、奥行きが浅いタイプなら、圧迫感も少ないですよ」
デスク購入は、入学準備グッズのなかでも最も大きなお買い物のうちの一つです。「いろんな機能がついたものを子どもが欲しがる」という意見もよくありますが。
「私たちが提案しているのは、シンプルでコンパクトな机を選んで、子どもが自分で好きな絵を飾るとか宝物の収納場所をつくるなど、『自分だけのスペース』を思えて、リラックスして勉強に臨める環境をつくること。机に向かうことで、勉強に対する“ON”スイッチが入りますから、気が散りやすい子にはやはりデスクはあったほうがいいでしょうね」

ヴィンテージ感あふれる道具の机&本棚(小3)

リビングに収納場所をつくれば親子で片づけ習慣が身につく

学習机がリビングにあるなら、子どものモノの収納場所もリビングにあったほうがいいのでしょうか。
「小学校にあがりたてのころは、ランドセルの中身や宿題を親がいっしょに確認したり、使ったものは片づける、などのお片付け習慣を身につけさせる必要があります。ですから、リビングにも最低限の収納スペースをあわせて用意して、生活習慣を身につける訓練を親子でいっしょにするのがおすすめですね。そういう意味でもリビング学習はとても有効だと思います」(隂山英男先生)

監修
隂山英男先生
立命館小学校校長顧問
兵庫県立朝来町立(現朝来市立)山口小学校時代、徹底した反復学習を重視する「?山メソッド」を確立。メディアや企業・政府機関で子どもの学力向上に関する助言を行い、全国の親たちから厚い信頼が寄せられている。

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