今井りかさん 育児への不安と孤独、ストレスに押しつぶされ、暗闇のなかを歩いているようだった産後すぐ ~mama’s LIFE~Vol.9~第2回

今井りかさん 育児への不安と孤独、ストレスに押しつぶされ、暗闇のなかを歩いているようだった産後すぐ ~mama’s LIFE~Vol.9~第2回

連載 MAMA'S LIFE Vol.9〜今井りかさん〜

2016年10月に女の子を出産、母となって1年8カ月が過ぎた今井りかさん。最近は母親としての自分が確立され、モデルの仕事も幅が広がるなど、充実した日々を過ごしています。しかしお子さんを出産してまもなく、産院から退院したばかりのころは、不安と孤独にさいなまれていたといいます。前回お送りした入院生活でのエピソードに続き、第2回目は里帰り先での、辛くとも母としての「土台」を培った日々をお話いただきました。


家族のさりげない言葉にショックを受け、家族のあたたかさに力をもらった

お産のあと約1週間の入院生活を終え、自宅へ里帰りをした今井さん。入院中は母乳の出があまりよくなく、ほぼ寝ずに授乳を続けました。また退院間際には、赤ちゃんに黄疸の症状が出てNICU(新生児集中治療室)で治療をすることに。予想もしないことが起き、心身ともに疲れを溜めた状態での退院でした。

「入院中は母乳ひとすじだったけれど、退院してからは粉ミルクとの混合にしました。母乳オンリーのころは、赤ちゃんも全然寝てくれず、いつも泣いていたのに、粉ミルクを足すようになったらよく眠るようになって。『おなかがすいていたんだね、ごめんね』と申し訳なく思うと同時に、精神的に少しラクになれました」

入院中、今井さんを悩ませた母乳問題は、粉ミルクとの併用で解決の方向へ。今井さん自身も自宅での安堵感に包まれ、「自分らしさ」を取り戻しつつありました。ところが、日がたつにつれ、里帰りシーンによくある、あの問題が起こります。

「親がそばにいると安心しきってしまうんですよね。たとえば、子どものものや私のもので何かが足りなくなると、『買ってきて』とかすぐに親に甘えてしまっていたんです。産後すぐだし、初めは仕方がないと親も感じていたと思いますが、甘えっきりの私の姿を見て、『この子はこのまま自宅に戻って育児ができるかしら』と心配になっていたようです。うちの両親にとっては初孫だったので、孫が家にいることに嬉しさを感じる半面、どこまで育児に手を貸せばいいのかといった戸惑いも生まれていたみたいでした」

今井さんが実家から独立して以降、お互いにできあがった生活リズムの違いも、親子間の空気がぎくしゃくしてしまう一因に。

「親だから許してくれるだろうと、気づかいなく言いたいことを言ってトラブルになってしまったこともあったし、育児疲れやうまくいかないことを八つ当たりしたときもありました。親のほうも疲れがだんだんたまってきてしまい、お互いにヘンな気を使い初めてしまったんですね。ピリピリした雰囲気になると、今度は親のちょっとしたひと言も気にかかるようになって。私は母乳の出がよくなかったので、搾乳をしていたのですが、父が物珍しそうに『そんなものを使うの?』ってさりげなく言われたことにもイラッ……。ふだんなら笑えることも全然受け流せずにいました」

「これって産後うつ?」そんな状態を客観視できないほど余裕をなくした日々

疲れが抜けぬままの育児と親に「うまく甘えらない」ことによる苛立ち。気づかないうちに、いろいろなことが悪循環に陥っていました。

「今からすると『もしかして、産後うつだったのかな』と思いますが、そのときはとにかく精一杯。子どものことしか頭になく、全神経を注いでいるような状態でした。そのせいで食欲がわかない時期もありましたが、食べないと体がもたないので、ごはんを勢いで無理矢理食べたりもしていました。里帰り先まで夫もそんなに頻繁には来られないので、私としてはひとりで育てているような気持ちになっていて、だんだん辛くなってきちゃったんですよね」

「心身ともに疲れ切ってしまった」という今井さん。起きているときはほぼ赤ちゃんを抱っこ。いつしかすべてのことにストレスを感じるまでになっていました。

「こんな状態なら自宅に帰ったほうがいいかな、と思うのですが、いざ帰るとなるとそれはそれで怖いんです。『私に何かあっても、今は親が気づいてくれるけど、自宅に子どもと2人でいる間に何かあったらどうしよう。私が倒れたら子どもに授乳できない』とか、とにかく最悪なことばかり考えてしまう。結果的に自宅に帰ったら、夫にはあれこれ細かくお願いできるのでラクになったんですけど、そのときは『帰る、帰れない』の堂々巡りでした」。

そんな毎日のなか、お姉さんが赤ちゃんに会いに来てくれたことが、今井さんの心を潤します。

「電話で『今から会いに行くけど、何かいるものある?』って聞いてくれたとき、なんだかすごく救われた気がしたんです。『私の欲求を聞いてくれた』『ほしいものを聞いてくれた』って。もちろん親にもたくさんのことをしてもらったし、感謝もしているのだけど、その姉のひと言で気持ちが温まりました。具体的に『赤ちゃんの靴下がほしい』『◯◯が食べたい』って言っても『いいよいいよ~』って。それだけで姉が神様のように思えて。後に『あのときすごくうれしかったんだよ』って言ったら、『そんなのふつうのことだよ!』って驚いていましたけど、私のなかでは、姉妹の絆がそのとき深まった気がしました」。

新生児期のママだって「自分癒やし」は必要。ぜひ自分を甘やかすものを見つけて

「自宅に戻ってからは週1回くらいのペースで、産後ママ向けの整体を受けるようにしていました。新生児を連れての外出は厳しいので、自宅へ出張してくれるところをネットでひたすら調べて。そこは国家資格を持っている先生が施術してくれ、産前・産後のママさんを専門に行っているんです。骨盤を戻したり、全体のゆがみをなおすようなマッサージやストレッチが主なのですが、もともとマッサージ好きっていう点で、精神的にすごく癒やされました。ほぼ毎週のように来てもらい、育児の不安とかグチとかも聞いてもらえて(笑)。当時は至福の時間でしたね」

入院中から自宅へ戻るまでの1カ月ちょっとの間、母乳育児が思うようにいかないことに悩み、疲れによるストレスを抱え続け、心がささくれだったようにギスギスしていた今井さん。しかし、苦しくも母としての強さを身につけたのもその時期。そのときの経験があるからこそ、今の幸せもあるのだと思っています。

「新生児期って、育児に慣れないし不安だし、『また明日も同じことを繰り返すんだ』と思うと、明日が来ることが怖い。ずっと、何かつかみようのないものの中でもがいているような気がして。私は育児の知識に関する情報不足もあり、余計に大変だったのかもしれないけれど、新生児期のつらさは必ず終わりがやって来るから、同じように悩んでいるママたちも、決して希望を捨てないでほしいです。ふと気づくと、最近よく寝ているとか、成長の瞬間が必ず訪れますから。娘は粉ミルクを飲むようになってからは、まとめて5時間寝てくれるようになったんです。それだけでも全然違うし、起きたときの爽快感といったら! それとママ自身、少しでも甘えられるものがあるといいなと思います。私の場合はマッサージだったんですが、人じゃなくてもいいので、好きなものやことで、たまには自分を甘やかしてほしいなと思います」


PROFILE
今井りかさん
1984年2月29日生まれ。雑誌『Ray』専属モデルとして活躍、以降モデル業を中心に、ドラマ、映画。舞台、ラジオ、バラエティ番組などマルチに活躍している。2014年に入籍、2015年10月に第一子となる女の子を出産。産後2カ月でモデル復帰し、現在は『LEE』レギュラー出演のほか『mamagirl』などの雑誌にて活動中。
今井りか オフィシャルブログ https://ameblo.jp/rica-imai/
公式ツイッター https://twitter.com/rica0229
撮影/白木 勉(PEACE MONKEY)スタイリング/田沼智美 ヘア&メイク/麻生陽子(ilumini)取材・文/長澤幸代
フリンジプルオーバー 9,800円+税/キヌア ブティック(バーンブリーズ) デニムパンツ6,900円+税、肩にかけたデニムジャケット 12,000円+税/ともにエドウィン イー スタンダード(エドウィン トウキョウ ハラジュク) イヤリング 3,800円+税/キュベ バングル 22,000円+税、リング 13,000円+税/ともにバフ レザースリッポン 21,000円+税/ユードット
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この連載について

MAMA'S LIFE Vol.9〜今井りかさん〜

10代でモデルデビューし、その後はファッション誌「Ray」などで活躍。2016年に出産後も、「LEE」を中心に活動を続ける今井りかさん。透明感のあるやわらかな雰囲気に加え、母となった今は芯の強さも感じさせるステキな女性に。そんな今井さんが、これまでほとんど語ることのなかった、妊娠~出産~子育てストーリーをお届けします。

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