「仕事も育児も家事もポジティブに変換すれば見え方は変わってくるはず」花王 大橋美生さん【ワーママ1年生におくるコトバvol.04~後編】

コラム 2017/08/04更新
「仕事も育児も家事もポジティブに変換すれば見え方は変わってくるはず」花王 大橋美生さん【ワーママ1年生におくるコトバvol.04~後編】

小学校2年生の長男のママでありながら、花王PRとしても活躍する大橋美生さん。後編では、小1の壁のお話や陥りがちな育児のイライラ解消についてのお話をお伺いしました。

小1の壁は親の毅然とした態度も必要なのかもしれない

(前編はこちらから)

子どもが小学生くらいになると、保育園の送り迎えがなくなり、楽になる半面、「小1の壁」問題も。また、専業主婦の母親を持つ友達ができて、母親が働いていることを子どもが客観的に見るようになる面もあるようです。

「うちの子は小学校の校内にある学童保育に預けているのですが、ハッとしたのが小1の夏休み前のこと。保育園って一斉の夏休みはないですが、小学校になると、学校は夏休みだけど学童保育の子どもは学校に行くことになります。息子に『ママ、僕は夏休みはどうするの?』と聞かれたときはドキッとしました。あー、ほかの友達が夏休みだって気づいちゃった、って。あえてきっぱりとした口調で『学校の勉強はお休みだよ。でもパパもママもお仕事があって夏休みじゃないから、学童に行きます』と言ったんです。そうしたら『ああ、そうか!』って腑に落ちたみたいで。親が動じちゃいけないんですね。でもあっさり受け入れてくれたので、拍子抜けしたくらいでした」

育児に効率を求めるのをやめたら霧がパーッと晴れた!

大橋さんを見ていると、大変なことはあるけれど、それを全く感じさせないしなやかな強さを感じます。「親が動じちゃいけない」という言葉に、大橋さんらしさを感じたので、その理由を聞いてみると……。

「やっぱり産後1カ月が地獄だったからですかね(笑)。私は母を10年前に亡くしているので、産後の大変な時期、母親に頼れなかったんです。まだ長男が生まれて間もない頃、私の考え方を変えたこんな出来事がありました。泣いている長男を抱っこしてあやしていたら、洗濯機がピッピッと鳴り、洗濯が終わった音がしたんですね。心の中で『早く寝てくれ!』と思いながら、この子が寝てくれたら、飲みかけのグラスをシンクに置いて、洗濯物を干して、洗い物の残りをして……と最短距離の動線を考えながら、いかに効率よく家事をこなすか頭の中でシミュレーションしていました。やっと寝ついて、さて片づけようと思ったら泣き出して。すごくイライラしてキーッとなっちゃったんです。でもそのときふと『なんで私一人でこんなにイライラしているんだろう。自分で勝手に効率を考えてタスクを課して、それができなかったからってキーッとなるのって、なんか違うんじゃない?』って気づいたんですね。長く仕事をしてきたから、どうしても育児も効率目線で見てしまうところがあったみたい。洗濯物と洗い物と子どもと、どの順番でやるのが早いかなんて、どうでもいいですよね(笑)。育児に効率を求める必要はないんだって気づいてからは、『いいじゃない、1つでもできれば』という考え方に変わりました。そうしたら、霧がパーッと晴れたような気持ちになったんです」

まっさらで、なんの偏見も思い込みもなく生きている子どもを見ていると、自分の思い込みや、こうじゃなくちゃいけないという気持ちに客観的になれた、と大橋さん。

「そう思うと、生死に関わること以外はどうでもいいやって思うようになりました。だから仕事と育児の両立で大変だったことってなんだろうって今思い返しても、うーん、あったっけ?って感じになれたのかもしれない。そもそも、“両立”っていうほど気張って考えてないんですよね。育児も立派な仕事だと思っているし、1日24時間、みんな等しく決まっている中で、仕事ができる時間にも限りがある。限られた時間をどう割り振っていくかと考えたとき、会社に迷惑をかけない範囲で一生懸命仕事をして、子どもとの時間を作るって割り切るしかない。一度、仕事のことを家でもずーっと考えていたことがあったんです。そしたら子どもに『ママ、何怒っているの?』と言われちゃって。どうやら怖い顔をしていたみたい。それ以来、子どもといるときに仕事のことを考えるのは止めました。母親が心地よくしていないと、絶対子どもに伝わるんですよね」

考え方をポジティブに変換していく

自分のやり方が本当に正しいのか、子どもにとっていいことなのか、この働き方でいいのか、正解なんてない、と大橋さんは言います。

「何のために働いているのか、未だに結論は出ていません。でも、好きだから仕事をしていることは確かです。子育てをして、仕事をして、という人生はこれからも続いていくと思います。子育てをしながら仕事をすることで、考え方をポジティブに変換させるのが上手くなりました。0歳児から預けると、子どもの大切な成長を見られないとか、子どもと一緒にいられる時間が少なくてかわいそうとか、ネガティブなことを考えたらいろいろ出てきます。でも、息子には気を許せる保育園の友達がたくさんできたし、すごく楽しかったみたいです。親が思ってる以上に子どもって逞しい。もうママになって7年ですが、これからも迷ったりつまずいたりしながら、子どもと一緒に少しずつ成長していけたらいいなと思います」

平日の大橋さんの24時間タイムスケジュール

6:30 起床

7:00 朝食

8:00 長男学校へ・家を出る

9:00 出社

16:00 退社

17:40 帰宅・長男帰宅・夕飯準備・宿題の確認など

18:45 夕食 子どもとの時間

21:00 子ども就寝

22:30 就寝



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花王株式会社 大橋美生さん
1993年花王株式会社に入社し、洗濯・掃除用品のマーケティングを担当。2009年に長男を出産後、2010年に職場復帰。現在は、商品広報センターにて洗濯・掃除用品のPRを担当。

撮影/黒澤俊宏(主婦の友社写真課) 取材・文/樋口由夏