歯医者さんがアドバイス! 「かむ力」を育てるために3~5才で気をつけたいこと

 専門家監修 2017/08/13更新
歯医者さんがアドバイス! 「かむ力」を育てるために3~5才で気をつけたいこと

監修
塚原宏泰 歯科医師
(つかはら・ひろやす)
塚原デンタルクリニック院長。東京・千代田区立いづみ子ども園園医。
歯のみならず口腔内を健康にし、食事をおいしく食べられ、元気に過ごせるようにとの方針で治療、指導にあたっています。元東京医科歯科大学歯学部客員臨床教授、日本大学松戸歯学部兼任講師。

監修
牧野直子(まきのなおこ)
管理栄養士。料理研究家。ダイエットコーディネーター。
乳幼児健診などで食生活についてのアドバイスを行う。多くの乳幼児とその家族に接した経験とご自身の子育て経験とにもとづいて考案された、家庭で作りやすいレシピ、的確なアドバイスが好評。料理教室やテレビの料理番組などでも幅広く活躍している。「スタジオ食」代表。

歯並びやかみ合わせは、「かむ力」に大きな影響を与えます。幼児期に特に気をつけたいポイントを歯科医師の塚原宏泰先生に教えていただきました。

よくかんであごの骨を発達させることが大切です

3才~5才児の歯科健診をすると虫歯はなくても、口の中が狭くて歯並びやかみ合わせに問題のある不正咬合が目立ちます。また、アレルギー性鼻炎などアレルギー症状を伴う子も多いのです。
不正咬合は、全身の健康にも影響を与えます。まずかむ力が弱いので、効率よく食べ物を消化し、栄養を吸収しにくくなってしまいます。また鼻腔が狭いために口呼吸をするのが原因で姿勢が悪くなったり、扁桃腺が肥大したりといったりすることもあります。不正咬合の原因のひとつが、あごの骨が十分に発達していないことです。そのため、歯があごにおさまりきらず、並びが悪くなるのです。
一方、あごの骨が十分に発達していると歯並びがきれいなだけでなく、しっかりかめるので、消化吸収が効率的にでき健やかな成長につながります。あごの発育にともなって鼻腔も広がり、鼻で呼吸しやすくなるため口呼吸をしなくなります。その結果姿勢がよくなり、扁桃腺も小さくなるなど、全身がよい状態になっていきます。

ひと口30回はかんで食べましょう

幼児期は脳が発育中のため頭蓋骨縫合線や顎顔面領域の縫合線がまだついていませんから、よくかむことであごの骨を発達させ、口の中を広げることが可能です。それには家庭でどのように食事をさせるかが大変重要です。バランスのよい献立で、薄味を心がけたうえで、ひと口30回はかんで食べるのが理想的です。そのためには、早く食べるようにせかすのではなく、ゆっくりかんで食べられるように食事の時間に余裕をもってください。
もうひとつ守りたいのが、食事に水を添えないことです。食べながら水を飲むと、よくかまずに水で流し込みやすいのです。また胃酸が水で薄まるため、消化が悪くなってしまいます。最近は小児のメタボリックシンドロームなども問題になっていますが、よくかむことで食べすぎを防ぐこともできます。幼児期の習慣は、大人になってからの健康にも影響しますから、幼児期にしっかりとかむ習慣をつけていきましょう。

1~5才 お口まわりの発達を促す習慣と遊び

日ごろの何げない遊びや行動がお口まわりの発達に役立ちます。

1才~1才半

・おしゃべりをする
・よくかむ
Point  おしゃぶりをやめましょう。卒乳が遅れるとむし歯のリスクが高まるので気をつけて。

1才半~2才

・ストローを吹く
・ラッパなどのおもちゃを吹く
Point  指しゃぶりをやめさせましょう。長く続くと、出っ歯、開咬、発音、嚥下、あごの発達に影響が!

3才~5才

・シャボン玉で遊ぶ
・ストローでぶくぶくする
・にらめっこをする
・口笛を吹く


鼻呼吸が大事! 口呼吸になるとこんな心配が!

上あごの発育不良によって口呼吸になると引き起こされやすい症状、直接の原因ではなくても関連が深いとされる症状です。

□ 歯並びが悪い
□ 寝ているとき、口が開いている
□ いびきをかく
□ いつも、ボーッとして口を開けている
□ 姿勢が悪い
□ 寝相が悪い
□ 唇が荒れたり、切れたりしやすい
□ かぜをひきやすい
□ 扁桃腺がはれやすい
□ 鼻や耳が悪く耳鼻科に通院している
□ ぜんそくがある
□ アレルギーがひどい
□ おねしょがなかなか直らない
□ 落ち着きがない



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