2~5才「よくかんで食べる」ことは、子どもの脳と体を育てます!

 専門家監修
公開日:2017/08/06
2~5才「よくかんで食べる」ことは、子どもの脳と体を育てます!
監修
牧野直子(まきのなおこ)
管理栄養士。料理研究家。ダイエットコーディネーター。

「よくかんで食べなさい」「30回かんで食べなさい」よく言われていますが、それはなぜでしょうか。かむことで消化吸収がよくなるだけでなく、脳を刺激し発達を促したり、肥満を予防したり…と、いいことだらけ。幼児期から「よくかんで食べる」習慣をつけたいですよね。その「よくかんで食べる」ことのメリットと、「かむ力」を育むポイントを管理栄養士の牧野先生にうかがいました。

よくかむで生まれる5つのメリット

●消化吸収がよくなり、栄養がしっかりとれる
●食べられるものが多くなり、好き嫌いが減る
脳を刺激して、発達を促す
●あごの骨が発達し、歯並びがよくなる
●ゆっくり食べるので太りにくい


よくかんで食べると、消化吸収がよくなり栄養がしっかりとれます

よくかむと食べ物が口の中でこまかくなってだ液とまざり、胃腸で消化吸収されやすくなるため、栄養を効率よくとることができます。またかむ力がつくと、いろいろなものが食べられるようになり、栄養バランスがよくなります。幼児期はよくかんで食べる習慣をつけると健やかな成長へとつながります。
さらに、かむことで脳を刺激し、発達を促したり、あごが発達して歯並びがよくなったり、早食いをしにくく肥満予防に役立つといったよい影響もあります。幼児期のはじめは、まだしっかりかむことはできません。調理の工夫や「よくかんで食べようね」といった声かけを通して、かむ力を育てましょう。

歯の生え方とそしゃく力の発達に合わせて 食べる力のトレーニングを

離乳食が完了する1才半ごろに奥歯(第一乳臼歯)が生え始め、3才ごろには乳歯がきれいに生えそろうといわれていますが、個人差が大きく、上下がそろわないと正しくかめません。また歯が生えたからといって、すぐにじょうずに食べられるわけではありません。
そしゃく力の発達はゆっくりで、永久歯が生えてくる6才でも大人の40%くらいで、大人と同じそしゃく力に達するのは15~16才といわれています。幼児期は、いろいろなかたさや大きさ、ねばりや弾性のあるものを積極的に与えましょう。そしゃく力とは、かたいものを食べる能力だけではなく、食べ物のサイズやかたさ、大きさ、食感に合わせて、食べ方を調整する力だからです。

年齢別 歯の生えそろい&そしゃく力の発達

1才半ごろ
上下の前歯4本が生えそろい、前歯で食べ物をかみ切れるように。第一乳臼歯(奥歯)も顔を出し始めますが、上下がそろわないとすりつぶすことはできません。

2才ごろ
第一乳臼歯が上下4本そろい、乳犬歯に続いて2才半ごろには、第二乳臼歯も生えてきます。奥歯で食べ物をすりつぶせるようになってきます。

3才ごろ
すべての乳歯20本が生えそろいます。かみつぶすことがじょうずになるので、いろいろなかたさの食べ物を積極的に与えます。

5才ごろ
しっかりよくかむことで、そしゃく力もまた消化吸収能力もアップします。早い子では、最初の永久歯(6才臼歯)が生えてきます。

かむ力を育むポイント4つ

「かむ力を育てる」=「かたいものを食べさせる」ではありません。いろいろな食材を食べているうちに、少しずつかむ力がついてくるのです。

1 いろいろな食材を献立にとり入れる
やわらかいものだけでは、かむ力をしっかりとつけることはできません。きゅうりのようにパリパリしたもの、弾力のある肉、少し筋のある青菜、くにゅっとした食感のきのこなど、いろいろな食感を体験させると、よくかんで食べられるようになります。

2 一皿料理ではなく、主食、主菜、副菜がそろった定食形式を中心に
カレーライス、焼きそば、卵かけごはんなどは、子どもが大好きですが、よくかまずに飲み込んでしまいがち。主食のごはんに、肉か魚のおかず、野菜の副菜、汁物をそろえた定食形式の献立のほうがかむ力が育ちます。子どもが好きな一皿料理が多くなりすぎないように気をつけましょう。

3 子どものかむ力に合わせて、切り方や下ごしらえ方法を工夫する
かたくて食べにくいものばかりでは、食事をするのがつらくなってしまいます。子どものかむ力に合わせて、食べやすい切り方や下ごしらえを。たとえば筋っぽい青菜は短めに切る、かたい根菜類は下ゆでしてからいためるか煮るといったひと手間で食べやすさアップ。

4 おやつにかみごたえのあるものや食感の楽しいものを
パリパリした食感の野菜チップスやかみごたえのあるレーズンやアプリコットなどのドライフルーツも、かむ力を育てます。ドライフルーツは手作りのパンケーキに入れたり、シリアルにまぜてもよいですね。カリカリした食感のナッツ類を手作りのクッキーに入れても。せんべいや弾力のあるだんごなどもおすすめです。

イラスト/藤井 恵

監修
牧野直子(まきのなおこ)
管理栄養士。料理研究家。ダイエットコーディネーター。
乳幼児健診などで食生活についてのアドバイスを行う。多くの乳幼児とその家族に接した経験とご自身の子育て経験とにもとづいて考案された、家庭で作りやすいレシピ、的確なアドバイスが好評。料理教室やテレビの料理番組などでも幅広く活躍している。「スタジオ食」代表。

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