母乳育児がスムーズにいく食事内容は? 授乳中のママがとりたい食べ物やおすすめレシピを紹介!

 専門家監修 2017/06/15更新
母乳育児がスムーズにいく食事内容は? 授乳中のママがとりたい食べ物やおすすめレシピを紹介!

監修
わたなべ医院院長・小児科医
渡辺とよこ先生
札幌医科大学医学部卒業後、国立小児病院新生児科(NICU)や東京都立墨東病院周産期センター新生児科部長、同病院副院長をへて2014年より現職に。多くの乳幼児をみてきた渡辺先生ならではの、的確で親切な助言が好評。これまで「母乳育児 ミルク育児の不安がなくなる本」(主婦の友社)など監修に携わった育児本多数。

監修
アレルギー監修
あいち小児保健医療総合センター 副センター長
伊藤浩明先生

名古屋大学医学部卒業後、同大学院、テキサス大学留学などをへて、現職。「食べることは子どもたちの基本的な権利」という信念のもと治療、診断を行う。患者との信頼関係が不可欠な経口負荷試験実施数は、同センターアレルギー科で年間800件以上と国内トップクラス。日本アレルギー学会指導医、日本小児科学会専門医、NPOアレルギーネットワーク副理事長も務める。『アレルギーっ子のごはんとおやつ』(主婦の友社)監修。

必要な栄養素や病気にかかりにくくなる免疫物資が含まれた母乳は、赤ちゃんにとって最高の飲み物。そんな母乳を作っているのはママの体ですから、食べ物や体調は母乳の成分に大きく影響します。授乳中のママは、どんな食事を心がけるといいのでしょうか。授乳中に不足しがちな栄養素がとれるレシピもあわせてチェックしましょう。

母乳育児中の食事の基本

◆5大栄養素をバランスよく

炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素をバランスよくとりましょう。特にビタミン、ミネラルは不足しがちなので野菜や果物、小魚などをとるように心がけて。新鮮な果物に多く含まれるビタミンCは、良質の母乳を作るのに大切です。脂質と炭水化物、たんぱく質は適量を。肉・魚・乳製品などの動物性のものと、大豆製品などに含まれる植物性のものの両方をとりましょう。

◆1日3回の食事を規則正しく、白米はやや多めに

赤ちゃんの生活リズムに合わせる授乳中はママの生活リズムが狂いがちですが、食事は1日3回、規則正しくとりましょう。授乳中はママのエネルギー消費量が多いので、朝夕1杯ずつだったごはんを、2杯ずつにするくらいを目安に量を増やしましょう。

◆おやつ類は食べすぎない程度に

授乳中のママはふだんよりおなかがすきます。慣れない育児のストレスもありますから、おやつ類もOK。ただし食べすぎないこと。おやつタイムはじょうずに楽しみましょう。

母乳育児中の食べ物で気をつけたいポイント&理想的な食事をとるコツ

1 不足しがちな栄養素を意識してとる

食事の栄養バランスに気をつけていても、授乳中に不足してしまうのが「カルシウム」「亜鉛」「鉄」「葉酸」の4つの栄養素。いずれもビタミン・ミネラルの仲間で、赤ちゃんのすこやかな成長とママの健康のためには欠かせません。母乳育児を元気に続けるために、サプリメントだけに頼らず、毎日の食事で積極的にとるようにしましょう。

「カルシウム」

赤ちゃんの丈夫な骨や歯を作るカルシウム。牛乳やチーズなど乳製品に多く含まれますが、脂肪分が多いのでとりすぎると母乳トラブルの原因にも。野菜(オクラ、小松菜など)、小魚からもまんべんなくとりましょう。

「亜鉛」

亜鉛は、赤ちゃんの成長に欠かせない栄養素です。特に新生児期は多くの亜鉛を必要とします。母乳には亜鉛が多く含まれますが、その分ママが亜鉛不足に。毎日しっかりと補給しましょう。

「鉄」

授乳中は母乳の原料になる血液を作らなければならないため、ふだんの1.7倍の鉄分が必要とされています。ひじき、切り干し大根、納豆やきな粉、あさり、カキ、赤身の魚や肉など、鉄分豊富な食材を積極的にとりましょう。

「葉酸」

葉酸は造血のビタミンと呼ばれるほど、血液を作るうえで欠かせない栄養素です。母乳はママの血液から作られるため、授乳中はふだんの1.5倍の葉酸が必要です。葉酸はほかのビタミン類ととると、より効果的です。

2 水分をしっかりとる

授乳中のママは、平均して1日に約1リットルの母乳を出しています。大人は通常、1日に2リットルの水分が必要なので、おおざっぱにいえば、授乳中のママは3リットル程度の水分をとる必要があります。スープや汁けの多い副菜を献立に加えましょう。ただし、水分の摂取量と母乳の出方の多い少ないは、ほとんど関係ありません。たっぷりの水分は、ママの健康のために必要なのです。

3 揚げ物などの高カロリーの食事や高脂肪の食事は量に注意

高脂肪、高カロリーの食品は、乳管を詰まらせる原因にもなります。香辛料や刺激物なども量に気をつけたい食品。ほかにも授乳中のママがとりすぎに気をつけたい食品があります。神経質になりすぎる必要はありませんが、サプリメントなどで必要以上にとらないように注意しましょう。

4 ヨウ素は子どもの甲状腺機能低下をもたらす危険性が

母乳を通して赤ちゃんがヨウ素をとりすぎると、甲状腺の機能低下を引き起こすリスクが高まります。日本人は昆布などを日常的にとっているため、摂取量は十分です。

5 動物性の脂質は乳腺を詰まらせる原因にも

脂質は脳の細胞を作るのに必要な栄養素ですが、肉類や乳製品から脂質をとりすぎると乳腺が詰まるなどのトラブルを起こすことがあります。母乳の脂質に近いオリーブ油や魚に含まれる魚脂を選ぶようにしましょう。

6 ビタミンCは食品から自然にとればじゅうぶん

ビタミンCは水溶性なので、とりすぎても尿として排泄されます。しかし、サプリメントや加工食品などを通して過剰摂取すると下痢や胃の荒れ、尿道結石などの原因に。食品から自然にとるようにしましょう。

食事をしてから母乳に影響するまでの時間はどれくらい?

チョコレートやケーキなどは、食べたあと母乳成分へすぐ影響が出ます。たんぱく質やナトリウムは母乳成分への影響が少ないのですが、脂質はすぐに影響します。肉類だけでなく、生クリームやバターなどの脂質をとりすぎると、ドロッとした母乳になりやすく、乳腺が詰まりやすくなります。食べるときには量に注意をしましょう。

アルコールやカフェインはNG

アルコールは血中に移行しやすいので、授乳中のアルコールは控えましょう。低アルコールビールなども発売されていますが、低アルコールでもアルコールは入っています。おつきあいの席などでもアルコール0%のものを。母乳の分泌を悪くするカフェインも控えめに。

授乳中ママのギモン①母乳を通じて赤ちゃんに湿疹などのアレルギー症状が出る!?

ママが特定の食べ物(卵など)を食べて授乳すると、湿疹の悪化や皮膚の赤みが出るという場合は、アレルギー反応かもしれません。「これって食物アレルギー?」と思ったら、自己判断せずに、まずは病院へ。小児科医(または皮膚科医)で、できればアレルギーに詳しい医師(アレルギー専門医)に相談しましょう。

受診の前に、食べてから症状が出るまでの間の時間などをチェック

明らかにママが食べたものでアレルギー症状が出た場合には、そのときの様子を医師に詳しく説明しましょう。どんな食べ物で、どんな症状が出たか、食べてから症状が出るまでの時間、消えるまでの時間など、正しく診断するためにママの説明は最も有力な情報源になります。何種類もの食品を食べているなら、食べたものをメモしておきます。加工食品で症状が出た場合には、パッケージを保管して、表示を確認することも役立ちます。

母乳育児中ママのギモン②お餅を食べると母乳の出がよくなるの?

お餅や赤飯は、食糧難の時代に栄養価が高いとされていたもの。食事事情が豊かな現代には当てはまらず、むしろおっぱいを詰まらせる原因になることも。食べすぎには注意しましょう。

母乳育児中のママに不足しがちな栄養素がとれるおすすめレシピ&メニュー

カルシウムがとれるレシピ

牛乳入り洋風茶わん蒸し


◆材料(2人分)◆
卵…1個
A【固形コンソメ小1個、牛乳200ml、塩、こしょう各少々】
しめじ…50g
鶏ささ身…1本
かにかまぼこ…2本
B【粉末コンソメ小さじ1/2、塩・こしょう各少々、水100ml、かたくり粉小さじ1、オリーブ油小さじ1】
パセリのみじん切り…少々

◆作り方◆
1 じめじは小房に分ける。鶏ささ身はすじをとってそぎ切りにし、かにかまぼこは縦にさいておく。
2 Aを鍋に入れ、沸騰しない程度にあたためてあら熱をとっておき、といた卵液とまぜ合わせて一度こす。
3 器にしめじ、ささ身、かにかまぼこの半分を入れて、2を注ぐ。
4 蒸気の上がった蒸し器で強火で1分、弱火で5~6分蒸す。表面が固まったら残り半分の具材をのせ、さらに5分ほど蒸す。
5 Bを合わせてまぜながら火にかける。とろみがついたら1~2分煮てパセリを加え、4にかける。

鉄がとれるレシピ

ひじきとあさり缶の煮つけ


◆材料(2人分)◆
乾燥ひじき…8g
あさり水煮缶…1缶
にんじん…40g
さやいんげん…4本
A【だし汁…150ml、酒大さじ1、みりん大さじ1、しょうゆ大さじ1.5】
さんしょう…少々

◆作り方◆
1 ひじきは水でもどしておく。にんじんはせん切り、さやいんげんは斜め切りにする。
2 鍋にAとひじき、あさり缶、にんじんを入れてまぜ、火にかける。
3 沸騰したらアクをとり除き、中火で7~8分煮る。
4 さやいんげんを加えてさらに5~6分煮含め、仕上げにさんしょうをふる。

葉酸がとれるレシピ

とうもろこし入りじゃがいものおやき


◆材料(2人分)◆
ホールコーン(缶詰)…80g
小ねぎ…30g
じゃがいものすりおろし…大1個分
かたくり粉…大さじ1.5
ごま油…小さじ2
A【だし汁30ml、めんつゆ大さじ1】
トマト…1/2個
パセリ…少々

◆作り方◆
1 小ねぎは小口切り、トマトは薄切りにしておく。
2 ボウルにコーン、小ねぎ、じゃがいものすりおろし、かたくり粉を加えてよくまぜ合わせる。
3 フライパンにごま油を熱し、2を一口大ずつまるく平たくのばして入れる。
4 底面が焼けたらひっくり返し、両面こんがり焼く。
5 Aを加えて焼きつけ、トマトとパセリを添えて盛りつける。

亜鉛がとれるレシピ

牛肉のごま風味しぐれ煮


◆材料(2人分)◆
牛こまぎれ肉…100g
長ねぎ…1本
しょうが…10g
ごま油…小さじ2
A【だし汁200ml、酒大さじ1、みりん大さじ1、しょうゆ大さじ1.5】
一味とうがらし…少々

◆作り方◆
1 長ねぎは4cm長さに切って縦4等分に、しょうがはせん切りにしておく。
2 フライパンにごま油としょうがを入れて火にかける。
3 牛肉と長ねぎを加えて炒める。
4 牛肉の色が変わってきたらAを加え、汁けがなくなるまで煮含める。器に盛りつけ、一味とうがらしをふる。



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出典 :母乳育児 ミルク育児の不安がなくなる本※情報は掲載時のものです