【医師監修】水疱瘡の症状と治療方法と妊娠中の予防接種と予防法

 専門家監修
公開日:2017/05/04
更新日:2019/06/10
【医師監修】水疱瘡の症状と治療方法と妊娠中の予防接種と予防法
監修
原 朋邦先生
はらこどもクリニック医院長

子供がかかりやすい感染症のひとつ、水疱瘡(みずぼうそう)。免疫のない人はほぼ感染・発症するとされている、とても感染力の強い病気です。きょうだい間はもちろんですが、子供から大人への感染にも注意が必要で、予防接種をしておくことがとても大切です。発疹や熱など、具体的な症状や治療法などを知っておくと、いざというときに役立ちます。詳しく見ていきましょう。

水疱瘡とはどんな病気?

水疱瘡とは、水痘帯状疱疹(すいとうたいじょうほうしん)ウイルスによって起こる病気です。ヘルペスウイルス科に属するウイルスで、帯状疱疹の原因にもなります。

感染力がとても強い

水疱瘡は、せきなど飛沫感染だけでなく、空気感染を起こします。また、帯状疱疹患者との接触で感染、水疱瘡を発症することもあります。合併症として肺炎や肝炎などがありますが、多いのはブドウ球菌や溶血性連鎖球菌(ようけつせいれんさきゅうきん)による皮膚への細菌感染で、とびひを起こすこともあります。

水疱瘡がとくに流行しやすい時期ってある?

水疱瘡は年中起こりますが、冬から春にかけて流行することがあります。

水疱瘡にかかりやすい年齢は10才以下の子供

水痘帯状疱疹ウイルスは感染力が強く、家庭内で接触するとほぼ感染。幼稚園や保育所などで水疱瘡が流行することも珍しくありません。水疱瘡がもっとも流行しやすい年齢は10才以下の乳幼児ですが、免疫がなければ大人も感染・発症しますので、予防接種で予防することがとても大切です。

赤ちゃんでも水疱瘡にかかることがある。大人がかかった場合は?

水疱瘡経験のあるママから生まれた赤ちゃんは、免疫(抗体)をもらえますが、抗体の量が少ないと完全に防御はできず、生後すぐでも感染・発症する可能性があります。年長児や大人は子供より重症になることが多く、肝炎や脳炎などの合併症の頻度も高くなり、入院するケースも多くあります。

水疱瘡にかかるとどんな症状が見られる?

①かゆみ

2週間ほどの潜伏期間ののちに発病します。赤く小さなブツブツは、一つ一つ状態が変わるとともに、新しい発疹もどんどん増えてきます。発疹は強いかゆみを伴います。

②熱

38度近い熱が2~3日続くこともありますが、ほとんど出ないこともあります。

水疱瘡の初期症状

最初に赤く小さな発疹が胸や背中にあらわれ、時間がたつにつれ、プチプチと水をもった水疱へと変化し、全身に広がります。

水疱瘡の見分け方は?

最初は頭皮や背中、胸に赤く小さなブツブツができ、数が少ないうちは発疹の状態から「虫刺され」と間違うこともあります。しかし、ブツブツの状態が変化し、新しい発疹が増えてくると水疱瘡だと気づきます。

水疱瘡の治療法

水疱瘡が治るまでの期間

発疹は、全身に広がったあと1~2日でうみのような白っぽい濁った液を持つ膿疱(のうほう)に変わることもありますが、3~4日たつとさらに状態が変化。カサカサに乾いて黒いかさぶたになり、かゆみもしだいにおさまります。発疹が次々と出ている間は発疹と水疱、膿疱、かさぶたが混在しますが、やがて水疱はすべてがかさぶたになり、1~2週間くらいで皮膚もきれいに治ります。

治療方法と治療薬について

水痘帯状疱疹ウイルスに対しては、アシクロビルやバラシクロビルという抗ウイルス薬があり、病気の初期(発症後2日以内)に服用すれば、発疹や発熱などの症状を軽くするのに有効です。また、発疹はかゆみが強く、赤ちゃんの機嫌が悪くなりがち。かゆみを抑えるための塗り薬を併用することもあります。

発疹をつぶすとあとが残ることも

かきこわすと化膿してあとが残る可能性も。かゆみが強く赤ちゃんがかいてしまうこともあるので、つめは短くカットしておきましょう。

水疱瘡になったら保育や幼稚園には登園できる?

水疱瘡になった場合は、すべての発疹がかさぶたになるまでは登園できません。どれくらいの期間がかかるかは症状によって違うので、医師に確認をしましょう。

水疱瘡になる原因にストレスがある?

いったん水疱瘡にかかると脊髄後根神経節(せきずいこうこんしんけいせつ)に生涯ひそみ、ときに再活性化します。過労やストレスなどで免疫が落ちると、帯状疱疹が出てくるものこのせいです。水疱瘡は、初めてこのウイルスに感染した人に見られる病気です。

水疱瘡の予防接種は定期接種で1才~接種可能

水疱瘡には予防接種があり、国が接種をすすめ、万一の事故の際には予防接種法による救済措置がとられる、定期接種になります。病原体の毒性を弱めた生ワクチンで、十分な抗体ができるのに約1カ月かかり、次の予防接種は4週間あけないと受けられません。

受けられる年齢と費用

水疱瘡を予防するワクチンは、2014年から定期接種に。生後12カ月から36カ月になるまで(1才の誕生日の前日から3才の誕生日の前日)の間が対象です。1才を過ぎたら1才3カ月までに1回目を接種し、3カ月以上の間隔をあけて2才までに2回目を接種するのが目安です。定期接種なので対象年齢のうちは基本的に無料です。

予防接種の効果や副反応

ワクチンを接種した人の2割程度は、その後、患者と接すると発症することがありますが、症状は軽くすむことが多く、早く治ります。予防接種の副反応としては、まれに接種直後から翌日に発疹、じんましん、紅斑、そう痒、発熱などがあらわることも。

水疱瘡の予防接種は必要?受ける時期・間隔・注射回数は?【医師監修】
水疱瘡の予防接種は必要?受ける時期・間隔・注射回数は?【医師監修】
水疱瘡(みずぼうそう)は、症状がそれほど重くない病気と思われがちで、予防接種も以前は希望者が自費で受ける任意接種でした。でも、水疱瘡は感染力が強く、合併症を起こしたり、大人になって帯状疱疹(たいじょうほうしん)を発症するなどあなどれない病気で、予防接種は2014年からは定期接種になりました。水疱瘡ワクチンの大切さをしっかり理解して、赤ちゃんの健康を守るためにきちんと受けましょう。
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妊婦が水疱瘡にかかってしまうと、胎児に影響が出ることも

免疫のない女性が妊娠初期に初感染すると胎児にも感染し、妊娠週数によっても異なりますが、赤ちゃんに目の異常や皮膚の萎縮などが生じることがあります。出産前後の母親の初感染の場合、生まれた赤ちゃんが重症の水疱瘡になることも。この病気を先天性水痘症候群と呼びます。妊娠初期に水痘にかかると50人に1人くらいの頻度で発症します。両親が水疱瘡または帯状疱疹の経験がなければ、家族で予防接種を受けると安心です。

水疱瘡の免疫の有無は抗体検査で判明

免疫の有無は水痘抗原皮内テストを行えば24時間で判定できるので、1~2日で免疫を持っているかどうかを知ることができます。また、ママが妊娠中の場合でも、すばやい反応がとれます。心配な場合は、医師に相談をしてみましょう。

妊娠中の予防接種と予防法

すでに免疫を持つ人が予防接種を受けても問題はないので、免疫の有無にかかわらずワクチンを受ける方法もあります。ただし、妊娠中のワクチン接種はできません。

参考元:厚生労働省ホームページ、厚生労働省「保育所における感染症対策ガイドライン」

出典 :はじめてママ&パパの 0~6才 病気とホームケア※情報は掲載時のものです

監修
原 朋邦先生
はらこどもクリニック医院長
熊本大学医学部卒業、同大学院研究科修了。熊本大学付属病院 小児科医局長、国立西埼玉中央病院小児科医長などをへて、埼玉県所沢市にて開業。宮古島や韓国などでも医療活動の経験あり。外来小児科学会理事、埼玉県医師会裁定委員なども務める、小児科のベテラン医師。

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