赤ちゃんの喉の痛み、いま流行中の溶連菌かも!?

コラム
公開日:2016/11/25
赤ちゃんの喉の痛み、いま流行中の溶連菌かも!?

赤ちゃんが離乳食を飲み込みづらそうだったり、泣き方がいつもと違ったりして喉が痛そうなとき。「ちょっと風邪ぎみかな?」と思わないで、気にしてほしい流行中の病気があります。寒くなって本格的な流行がニュースになっている溶連菌感染症です。せきやくしゃみなどの飛沫感染でうつる病気なので、児童館や幼稚園・保育園など、子どもがたくさん集まる場所に行く赤ちゃんは注意が必要です。これからのさらなる流行を前に、どんな病気でホームケアはどうすればよいのかを知っておきたいですね。

病気のサイン
急な高熱
喉が真っ赤で痛がる
発疹
いちご舌

3才以下の子はのどの痛みだけのことも

溶連菌とは溶血性連鎖球菌の略。だれでも鼻の穴やのどに持っている、日常的にいる細菌です。溶連菌感染症と呼ぶ場合、医学的には「A群溶血性連鎖球菌咽頭炎」のことで、喉が真っ赤になって痛むのが特徴です。患者数として多いのは4~7才児ですが、2~3才や大人もかかることがあります。ただ、0~1才児にはあまり見られません。体内にこの菌を持つ人からせきやくしゃみによってうつります。感染力が強く、秋から春にかけて流行します。
潜伏期間は3日ほど。39~40度の高熱と喉の痛みから始まり、喉の奥は血がにじんだように真っ赤になります。首のリンパ節がはれたり、嘔吐・下痢をともなうことも。せきや鼻水はそれほどでもありません。
なお、いちご舌といって、舌の表面がいちごのようにポツポツと赤くなったり、全身に赤いこまかい発疹が出てくることもあります。この場合は咽頭炎ではなく、「しょう紅熱」と呼びますが、こうした症状は幼児や学童に見られるもので、3才以下の乳幼児の場合は熱や発疹もなく、喉の痛みしか症状が出ないことも多いものです。

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写真:典型的ないちご舌(国立感染症研究所ホームページより)

治療とケア

処方された抗菌薬を飲み切ることが大切

小児科の外来では迅速診断キットを使って溶連菌がいるかどうかを調べることができます。いるとわかれば主にペニシリン系の抗菌薬を使って治療します。服用すれば1~2日で熱も下がり、喉の痛みもやわらぎますが、治ったと思って抗菌薬を勝手にやめてはいけません。溶連菌が完全に消えずに、再発することもあります。再発をくり返すと、急性腎炎や、体内にできた抗体が自身の細胞を攻撃してしまうリウマチ熱などを合併することがあるからです。
ケアとしては、処方された抗菌薬を最後まで飲み切ることが何より大事。もし熱が下がらないようならウイルスによる咽頭炎も考えられるので、翌日、あるいは医師に指示された日に再受診を。
抗菌薬の服用終了後、軽い腎炎などが起きていないか尿検査などでチェックする病院も多いので、医師から指示を受けたら、きちんと受診し、検査を受けましょう。

「うちの子もかかりました」先輩ママ体験談

こまかい発疹と喉の荒れ。発熱はありませんでした
娘が1才5ヵ月のころ、足に小さなこまかい発疹があるのを見つけましたが、少しの範囲だったので気にせずにそのままに。ところが翌日にはおなかや手、背中まで広がっていたのですぐ受診しました。手足の発疹に始まり体に広がるという症状や、ちょうどはやっているということから、先生は溶連菌感染症と診断。発熱はなく、喉の荒れだけが見られました。
処方された抗菌薬を飲み始めてから5日目には、ほとんどの発疹が消えました。ただ、悪化すると腎炎になる可能性があるため、抗菌薬は10日間きっちり飲ませ、最後に尿検査を受けました。異常もなく、ようやく完治。
その後しばらくして私にも溶連菌がうつりましたが、発疹だけで発熱の症状はありませんでした。(Sちゃんママ)

お話/ 国立成育医療センター 理事長・総長 五十嵐 隆先生 東京大学医学部卒業後、都立清瀬小児病院、東大附属病院小児科助手、ハーバード大学ボストン小児病院研究員、東大附属病院分院小児科講師などをへて、2000年に東京大学医学部小児医学講座教授に。2012年より現職。日本小児科学会会長などの要職も務める。 出典:Baby-mo特別編集 はじめてママ&パパの育児、ベビモ
※情報は掲載時のものです
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