鈴木サチさん「育児も仕事もうまくいかない! 悔しくて悲しくて大声で泣いた日」~mama's LIFE vol.1 第2回~

鈴木サチさん「育児も仕事もうまくいかない! 悔しくて悲しくて大声で泣いた日」~mama's LIFE vol.1 第2回~

連載 MAMA'S LIFE Vol.1〜鈴木サチさん〜

現在6才の女の子と4才の男の子の母である鈴木サチさん。2人のお子さんの育児をしながら、モデルのお仕事のほかにピラティスのインストラクターとして活動するなど、その毎日はとてもアクティブ。一見、華やかで充実したママライフを送っているように思えますが、その裏では、戸惑いや不安に押しつぶされそうになった日々も。ひとりの働く母として、サチさんの率直な気持ちをお話ししてくださいました。

一生懸命やっているのにどこか空回り。気づけば心身の限界だった

第1子を出産してから6年。サチさんの「母親歴」のなかで、ほとんど記憶に残らないくらい慌ただしい毎日を過ごしていた「空白の2年間」があるといいます。ただし、その2年は決して「忙しいけれど充実」といった幸せなことばかりではなかったようです。

「下の子がすぐに生まれたのも、上の子に手がかからなかったからだと思うくらい、初めての子育てはラクでした。病院に駆け込んだことは何回もありましたけど、つらさはなかったんですね。でも2人目が生まれてからは、本当に大変。家事も育児もほぼ100%ひとりでしていて、朝起きたら息をつく間もなく心身ともにフル回転。保育園へ子どもたちを送り、仕事をしてまた保育園へダッシュ。『あっ、もう夕方……』という、そんな毎日でした」

お仕事が休みの日は子どもたちの習い事やたまった家事を片づけるので精一杯。そのころはご主人の仕事が忙しかったため、精神的にも誰にも甘えられず、ひとりですべて抱えていたそう。

「いつも『キツイ』『つらい』ばかり言っていました。モデルなのに外見を気づかう余裕もなくしていて、街中で偶然会った事務所の社長さんに気づかれず、『完全に無オーラだった』と言われてしまうほど。育児と家事で荒れてしまった手のケアもできていなくて、それを『モデルとしてダメじゃない?』とある方に指摘されたこともありました。体のメンテナンスをするのはモデルとして当然のことなのに、『育児中だからできないのは仕方ないじゃない!』『子育てをしたことがない人にはわからない!』と、自分ができていないことを育児のせいや誰かのせいにしていましたね」

もうダメ! いろんな思いを吐き出すように泣いた

「育児も家事も仕事もこんなに頑張っているのに、どうしてうまくいかないの?」。いら立ちと不安とが入り混じった毎日を過ごすうちに、だんだんサチさんの心は限界に近づきます。そして2人の子育てが始まって2年後のある日、ついに爆発するのです。

「下の子はもともとやんちゃな性格なのですが、当時2才でイヤイヤ期全盛だったのもあり、やんちゃ度がさらに増していたんです。言葉よりも先に手が出てしまうので、保育園でお友だちをたたいてしまうこともしょっちゅう。毎日のようにお母さんがたに謝っていました。その日は保育園の懇談会があり、そこでも『うちの息子は言葉がうまく出てこないので、きっとご迷惑をおかけしていると思います……』とみなさんに謝って。保育園の先生方はフォローしてくださいましたが、もう保育園をやめなければいけないかも、そうしたら仕事はどうしよう……と、どんどん自分で自分を追い詰めていました」

懇談会のあと、お子さん2人を皮膚科へ連れて行ったサチさん。そこで沈んだ気持ちに追い打ちをかけるようなことが。

「院内にあるプレイルームでの遊びに夢中になっていた下の子が、『帰らない!帰らない!』とイヤイヤがマックスになってしまったんです。私もその日はまったく気持ちに余裕がないので、もう、てんやわんや。子どもたちといっしょにひっくり返りながら、やっとの思いで2人をベビーカーに乗せて帰り道を歩き始めましたが、『もうダメ……』と、自分のなかで何かが止まってしまったというか、限界を超えた感じがあったんですね」

そのままの気持ちで家に帰ることができなかったサチさんは、日が沈み、あたりが暗くなり始めたにもかかわらず、近所の大きな公園へ向かいます。

「誰もいないグランドについたとたん『ママは走るから!』と言ってダッシュ!(笑)。母親がわけもわからず走っているものだから、子どもたちは必死に『待って!待って!』と追いかけてくるのですが、くやしさと、悲しさと、イライラと、いろんな気持ちを吹っ飛ばすように走りまくりました。そしてさんざん走ったあげく、グランドに大の字になって『ワーッ!』と声をあげて大泣き。その日までずっとつらくて、でもどうしていいのかわからなくて……。いろいろな気持ちがこみ上げてきて、いったん泣いたら涙が止まらなくなってしまいました。気持ちの整理も全然できず、無意識のうちにだんなさんに泣きながら電話。明らかにいつもと違う様子だと気づいて、すぐに私たち3人を迎えに来てくれました。だんなさんに連れられるようにトボトボ歩いているときも、家に帰ってからも、その日はずっと泣いていましたね」

今の幸せは、ダメな日の積み重ねでやってきたもの

心にたまったものを全部吐き出すかのように泣いたその日から、少しずつ育児や仕事に対して気持ちの余裕が出てきたというサチさん。今では、あの日があったからこそ今の家族や幸せがある、と当時の自分も受け入れられるようになりました。

「今だから言えるけれど、仕事も育児も、うまくいかないことがあって当然なんですよね。そして、ダメだったことや失敗したことって、いつかは必ずプラスになって返ってくると実感しています。だからもし、育児に行き詰まったり、仕事との両立で悩んでいるお母さんがいたら、自分を必要以上に責めないでほしいと思います。やっぱり大事なのはお母さんが笑っていられることですから。『ちゃんとしなきゃ』と自分にプレッシャーをかけすぎずに育児をしてほしいなと思います」

第3回へ続きます

撮影/佐山裕子(主婦の友社写真課) ヘア&メイク/菊池かずみ(P-cott) 取材・文/長澤幸代


PROFILE
鈴木サチさん
1979年生まれ。10代よりモデルの仕事を始め、『ViVi』や『Ane Can』などの専属モデルとして人気を集める。2010年に第1子、2012年に第2子を出産。産後もファッション誌を中心に、広告やイベントにも多数出演。ピラティス認定インストラクターとして、ママ向けにレッスンを開催するほか、ベビーマッサージやアロマセラピーライフスタイリストなどの資格を取得。また子ども服のオンラインショップを運営、自ら買い付けを行うなど、多方面において活躍の場を広げている。
鈴木サチさんオフィシャルブログ 公式インスタグラム子ども服オンラインショップ「Biluce(ビルーチェ)」

この連載について

MAMA'S LIFE Vol.1〜鈴木サチさん〜

テレビや雑誌で活躍するあのママたちの育児の本音に迫る連載企画「mama’s LIFE」がスタート! おひとりめは、10代でモデルとしての活動を始め、結婚、出産をへて2児の母となった今もなお、多くのファッション誌などで活躍を続ける鈴木サチさん。モデル以外にもピラティスインストラクターなどさまざまな顔を持ち、常に新しい才能を開花させるパワフルなサチさんが、これまであまり語らなかった「出産・育児・自分」のことをお話ししてくれました。

最新の記事

鈴木サチさん「家族の中心はやっぱりママ。何よりもママが笑っているのが一番大切!」~mama' LIFE vol.1 第4回~

鈴木サチさん「育児オンリーじゃキツくなるのは当然。ママ自身の夢や目標があると、自然と自分時間も生まれます」~mama’s LIFE Vol.1 第3回~

鈴木サチさん「育児も仕事もうまくいかない! 悔しくて悲しくて大声で泣いた日」~mama's LIFE vol.1 第2回~

クリップ

あなたにおすすめ