妊娠中に必要な葉酸の摂取量と効率よく摂る方法【栄養管理士監修】

目次
妊娠中~授乳中のママにとって大切な栄養素の「葉酸」。名前はよく聞くけれど、いったい何者なのかは知らない人もいるはず。先輩ママの声とあわせてどうして必要なのか、効率的な摂取方法はどのようなものなのかを見ていきましょう。
妊娠中に葉酸を多く摂るべき理由
葉酸は赤ちゃんの成長を助け、流産、早産のリスクを軽減してくれる
なぜ妊娠中に多くの葉酸が必要なのでしょうか。ビタミンB群のひとつである葉酸は、DNAの合成や細胞分裂に不可欠な栄養素。そのため、どんどん細胞を増やしていく胎児の成長に必須なのです。 妊娠初期に特に多くの葉酸摂取が推奨されるのは、神経管閉鎖障害(無脳症)といわれる胎児の先天異常のリスクを減らせるからです。流・早産や、常位胎盤早期剥離、胎児発育不全なども葉酸の欠乏と関連するといわれているので、中期以降もしっかりとり続けましょう。
妊娠中~授乳期に摂取したい葉酸推奨量
1日に摂取したい葉酸推奨量
成人女性(基本)……240μg
初期の妊婦さん……880μg(基本の240μg×2+サプリなどでさらに400μg)
中期以降の妊婦さん……480μg(基本の240μg×2)
授乳中のママ……340μg(基本の240μg+100μg)
(厚生労働省 「日本人の食事摂取基準2015年版」より)
葉酸は別名「造血のビタミン」。出産後の授乳期もたいせつ
先輩ママに質問!
妊娠中、葉酸サプリを飲んでいましたか?
YES……81% NO……19%
「なるべく食事から葉酸がとれるように、野菜をたくさん食べていました」(Dさん)「つわりのときに栄養がとれず心配だったので、毎日飲むように」(Kさん)
葉酸は授乳期も必要な栄養素と知っていますか?
YES……78% NO……18% どちらともいえない……4%
わかってはいても出産すると忘れてしまいがち。赤ちゃんのためにも、しっかりとりたいものです。
出産以降、積極的に葉酸をとっていますか?
YES……62% NO……38%
「出産後は体調がよかったので、自然に飲まなくなってしまいました」(Yさん)「育児で毎日バタバタ。自分の体調管理は二の次になってしまいました」(Eさん) 葉酸はビタミンB12と協力し、新しい赤血球を作り出す役割もしています。別名は「造血のビタミン」。血流の改善効果もあり、悪性の貧血を予防する効果もあります。 母乳は血液から作られるため、授乳期も積極的にとりたい栄養素です。葉酸不足でおっぱいの出る量が少なくなる、というデータはありませんが、十分にとれていると母乳の質は向上します。妊娠前と比べ、100μg多い340μgを1日にとるようにしましょう。 多くの妊婦さんが気をつけてとっている栄養素のひとつ。でも、その摂取推奨量は思っている以上に多く、体内に蓄積されにくいため、毎日コツコツとる必要があります。また、妊娠計画中から妊娠3カ月ごろまでの初期の妊婦さんは、さらにサプリメントから1日400μgの追加摂取がすすめられています。
食事でとるのが基本!上手に葉酸を摂取する5つのコツ
①1日350g以上の野菜を食べる!
野菜に多く含まれる葉酸。熱に弱いため、調理によってその50%が失われてしまいます。必要量をとる目安は、多種類の素材から1日350g以上の野菜を食べること。ビタミンB12を含む魚介類、肉、牛乳といっしょにとるとはたらきがアップします。1日に食べる野菜の目標量として、妊娠中期以降は400g(妊娠前+50g)、後期以降は450g(同+100g)を心がけましょう。
②葉酸は水や熱に弱いので、なるべく生で!
水溶性のビタミンである葉酸は、水や熱に弱い性質が。水でさっと洗ってそのままサラダなどにして食べるのがおすすめです。鮮度が落ちると、葉酸の含有量もへってしまうので、できるだけ新鮮な野菜を選んで、その日のうちに食べるのが◎。
③水にさらす時間は短め! 汁ごと食べるのも◎
洗うときは手早く、水にさらすのは短時間にとどめて。シャキッとさせるために長く水煮さらしていると、それだけでせっかくの葉酸が90%近く水に流出……! スープやみそ汁、煮びたしなど、汁ごと食べられる料理にするのも賢い方法です。
④加熱調理は、時間勝負でパパッと!
加熱する場合は、できるだけ短い時間で調理を終えるように心がけましょう、おすすめは、短時間で火が通るいため物。ゆでるより「蒸す」、蒸すよりは「いためる」ほうが栄養素の損失が減ります。油を使ったいため物は、流れ出た葉酸を油で包み込んで逃さず食べることができます。仕上げに水どきかたくり粉でとろみをつければ、調理で流れ出た栄養もムダなくとることができます。
食材は、日の当たらない場所に保管する
葉酸は光に弱い性質があります。日の当たる場所に3日間放置すると、約70%も分解されてしまうことに! 葉酸だけでなく、そのほかのビタミン類も鮮度の高いほうが多いもの。野菜を買ったらすぐに冷蔵庫で保存し、早めに使い切って。 妊婦さんや授乳期のママに必要な栄養素の「葉酸」。基本は食事からとりますが、足りない分はサプリメントで追加摂取をしたいもの。サプリメントは食事よりも吸収率が高く、手軽に栄養補給できる点が魅力。飲むときの注意点などを覚えておきましょう。
実はあまり知られていない葉酸の選び方・摂り方
葉酸サプリのとりすぎはダメってほんと?
A.耐容上限量があります
妊婦、授乳婦では耐容上限量の掲載が食事摂取基準(厚労省)にありませんが、合成葉酸は過剰摂取すると貧血が数値に表れず、正しく診断できないこともあります。通常時の耐容上限量(900~1000μg/1日)を参考に、適度に摂取をしましょう。
飲むときはどんなドリンクでもいい?
A.基本はお水で飲みましょう
葉酸以外に鉄やビタミンなどをミックスしたサプリメントもあります。成分との飲み合わせを考え、お水で飲むほうがいいでしょう。飲む時間帯は、自分の飲みやすいタイミングでいいと思います。
お菓子タイプの葉酸サプリを選んでもいい?
A.あくまでサプリメント。食べすぎには注意して
お菓子タイプは手軽にとれる点がメリット。基本的に自分に合ったものを選べばいいですが、おいしいからといって食べすぎてしまうのはNG。あくまでお菓子ではなくサプリメント。とった量をきちんと把握しておくことが大切です。
サプリの葉酸のモノグルタミン酸って?
A.体に吸収しやすいように処理されています
サプリメントに含まれる葉酸は、天然由来の原料であっても、吸収をよくするためにモノグルタミン酸に必ず合成されています。だからといって、ママや赤ちゃんに影響を与えることはありません。選ぶときに特に気にする必要はないでしょう。購入する場合、問い合わせ窓口がしっかりとあるかどうかを確認しましょう。口に入れるものですから、信頼できるメーカーを選びたいですね。
監修/上田玲子先生
栄養学博士、管理栄養士。帝京科学大学こども学部教授。妊娠中の食生活から離乳食まで、ていねいでわかりやすい栄養指導が人気。『はじめてママ&パパの離乳食』(主婦の友社)など著書、監修書籍多数。
出典:Pre-mo(プレモ)2016年夏号、First Pre-mo(ファーストプレモ)2016春夏号より
※情報は掲載時のものです![]()
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