ママだって優しくされたい! 産後ママのサポートは誰がする!?

コラム
公開日:2016/08/14
更新日:2016/08/25
ママだって優しくされたい! 産後ママのサポートは誰がする!?

産前産後で大きく変わるママの体。ホルモンバランスが大きく変化するこの時期は、精神的に不安定になることも多く、「もしかして私、産後うつ?」と感じている人は決して少なくありません。ママが前向きに、安心して育児ができるために必要なサポートはどんなことでしょうか。文京学院大学 保健医療技術学部 准教授 市川香織先生のお話です。

産後ママがほしいのは「ゆっくり体を休める環境」

2005~14年の10年間、東京都23区における妊産婦の自殺が計63人(出産10万人に対して8.5人・東京都監察医務院などの調査による)といった事実が以前報道されました。現代ではどんな人でも環境次第では産後うつになってしまう可能性があり、産後ケアの必要性が高まっていると市川先生は言います。

「今はお産入院の期間が短縮されていて、ゆっくり体を休めることができないまま退院していく場合が多く見られます。帝王切開で出産後、5日で退院というところもあるほどです。

産後ケアにやってくる母親たちからは『まずゆっくり体を休めたい』『とにかく寝たい』という声が多く聞かれます。『赤ちゃんが生まれてとってもうれしい、すごくかわいい。だけど、産んだ私にも優しくしてほしい』というのが母親たちの本音ではないでしょうか」

床上げという言葉があるように、昔は産後3週間を目安に、家族や近所の人のサポートのもと、ママはちゃんと体を休めながら親子関係の基盤を築く文化がありました。現在は里帰りをせずに育児をするケースも増えて、産後の体を癒やすこともままならないうちに、慣れない育児が始まってしまい、心身ともに疲れきってしまうママも多くいます。今こそ床上げのような風習が必要なのだと、市川先生は考えています。

妻の異変に気づける、ふだんからのコミュニケーションが大事

現在、産後ママがサポートやケアを受けられる施設が、全国に少しずつ登場し始めています。独自のサポート体制を築いている自治体も増えていて、こういった場所をママだけではなく、パパや家族が知っておくのも大切です。

「産後ケアの施設を利用するほかにも、父親や家族が母子をサポートできる環境づくりも必要です。うつになると自分から行動できなくなるので、病院の受診も自主的にできません。そこまでの症状ではなくても、赤ちゃんを誰かに預けて病院へなど行けない、授乳中だから薬を飲みたくないといった理由で受診しないこともあります。

産後は誰でもうつになる可能性があることを夫にも知ってもらうこと、妻の様子がヘンだな、もしかしたら受診したほうがいいかもと気づけるよう、妊娠中から夫婦でコミュニケーションをとってください。父親は育児に参加するという『受け身』ではなく、主体的に育児ができるよう、どのように家事と育児をシェアしていくのかを、話し合っておきましょう」

理想通りにはいかない育児。ママは自分の育児に点数をつけないで

パパや周囲からのサポートを受けるいっぽう、ママがすべきこと、意識したほうがいいこともあります。

「今は、育児に対してがんじがらめになっている母親が多いと感じています。自分のなかで満点の母親像を描き、それに対して点数をつけてしまっているのです。育児はいい加減なくらいがいい加減だと言われていますし、もう少し力を抜いてほしいと感じています。それには少しだけ子どもの月齢が上の先輩ママと交流し、『赤ちゃんって、育児って、こんなものなんだな』といった身近なモデルが見られるといいと思いますね」

コチラの記事も参考に
妊産婦の自殺が10年で63人という事実。プレママにも知ってほしい「産後うつ」の原因

お話/文京学院大学 保健医療技術学部 准教授・助産師 市川香織先生
千葉大学医学部附属病院、国保小見川総合病院、公益社団法人日本助産師会勤務などをへて現職。産前産後ケアの研究のほか、一般社団法人産前産後ケア推進協会の代表をつとめ、昨年立ち上げられた「3・3産後サポートプロジェクト」の発起人でもある。
3・3産後サポートプロジェクト http://33sango.jimdo.com/

取材・文/長澤幸代

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