知っておきたい陣痛乗り切りテク

コラム
公開日:2015/05/07
知っておきたい陣痛乗り切りテク

おなかの赤ちゃんはお産のとき、陣痛に合わせて産道を回りながら生まれてきます。どのように出てくるか、どれくらい時間がかかるものなのか、赤ちゃんのためにママができること…などを知っておけば、お産本番のときに不安にならずにがんばれるはず! 陣痛10分間隔になってから誕生までのお産の流れをみていきましょう。お産の進みに合わせた乗り切りテクニックもご紹介!

ステップ1 赤ちゃんの頭が骨盤内に入ってくる

子宮口が全開大になるまでの陣痛を乗り切る時間帯で、ステップ1と2を合わせて「分娩第Ⅰ期」と呼びます。陣痛の合間はおしゃべりができるくらいの強さ。 ★平均的な時間:初産婦 10~13時間、経産婦 4~7時間(ステップ1と2の合計) ★陣痛の間隔:陣痛10分間隔(痛い時間は10~20秒) ★子宮口開大:子宮口2~4cm

まだお産は始まったばかり リラックスして過ごしましょう

まだガマンできる痛みで、陣痛の間隔もあいています。今から力が入っていると途中で疲れてしまうので、音楽を聞いたり、おしゃべりしたり、ゆっくり過ごして。食べられるなら、消化がよく食べやすいものでエネルギーを補給しておきましょう psk2015042813

この時期のリラックスのコツ!

足湯・手湯などで体を温める 温めることで痛みがやわらぐほか、血行がよくなってお産が進みやすくなるメリットも。 歩き回って気分転換 動くことで気が紛れ、お産も進みます。新生児室にほかの赤ちゃんを見に行ってもいいですね。 水分と栄養をとる お産は体力勝負なので、エネルギーを補給することも必要。ただし無理はせず、消化のいいものを。 おしゃべりする 身近な人と話すことで安心できるなら、陣痛の合間におしゃべりを楽しむのもOK。

ステップ2 赤ちゃんが頭を回転させて産道を下りる準備へ

まだこのステップも「分娩第Ⅰ期」。陣痛の痛みが強くなり、1回の陣痛の時間も長くなってきます。 ★陣痛の間隔:陣痛3~5分間隔(痛い時間は70秒) ★子宮口開大:子宮口4~10cm psk2015042808

少しずつ痛みが強くなる 冷静に陣痛と向き合って

だんだん痛みが強くなりますが、あせらず落ち着いて。「赤ちゃんに会うための痛み」と前向きに考えられるといいですね。陣痛がきたときに少しでもラクに過ごせる姿勢や方法を見つけられるとベター。

オススメの陣痛乗り切りテク!

ゆっくり長く息を吐く 呼吸は赤ちゃんに酸素を送るために大切。息を吐くと体の力が抜け、リラックスできます。 ひたすら腰をさすってもらう 赤ちゃんが下がると、腰の痛みがつらくなる人も。押したり、さすったりしてもらって。 腰を回す 立って腰を大きく回すように揺らすと痛みがやわらぎ、赤ちゃんも下がりやすくなります。 自分のラクな姿勢を見つける 四つんばいになる、横向きでクッションを抱くなど、ラクに過ごせる姿勢を見つけて。 「赤ちゃんもがんばってる」と思う 赤ちゃんもママに会うためにがんばっていると思うと、勇気がわいてくるはず。

ステップ3 産道の狭い部分を通ろうとするとき

子宮口が全開大になってから赤ちゃん誕生までの時間帯が「分娩第Ⅱ期」。ステップ3~5がこれにあたり、いよいよ赤ちゃんを産み出す段階に。陣痛の痛みも本格的に! ★平均的な時間:初産婦 1.5~2時間、経産婦 0.5~1時間 (ステップ3,4、5の合計) ★陣痛の間隔:陣痛2~3分間隔(痛い時間は60秒) ★子宮口開大:子宮口全開大

子宮口が全開大になったら 陣痛に合わせていきんで

子宮口が全開大になったら、陣痛のピークに合わせて力いっぱいいきみます。いきむタイミングやいきみ方は、そばで助産師さんが指示してくれるので安心して。会陰切開する場合はこのタイミングで行います。陣痛の合間は力を抜いて。 psk2015042807

もうひとガンバリ! いきみかたのコツ

  • まっすぐおへそを見てふんばる 体をねじるとうまくいきめないので、体はまっすぐ、おへそを見るようにあごを引いて。

声や息をもらさない もっとも力を込めていきむときは短時間だけ息を止め、目をしっかり開いていきみます。 下半身に力を入れる 顔に力を入れず、おしりのあたりに意識を集中して「押し出すように」いきんで。 助産師さんの指示をよく聞く パニックになってしまうといいタイミングでいきめないので、落ち着いて。 [ページ区切り]

ステップ4 赤ちゃんの頭が見えてくるころ

いきむのは赤ちゃんの頭が出るまで。頭が出たらいきむのはやめ、「ハッハッハッ」という短く吐く呼吸をしながら、体の力を抜きましょう。いちばん大きな頭が出たあとは、自然な子宮の収縮によって肩から体全体が出てきます。 psk2015042812

「頭が出た!」と言われたら……

もういきまないで力を抜く 頭が出たら、いきみはやめて体の力を抜いて、赤ちゃんが自然に出てくるのを待ちましょう。 ハッハッハッと短く吐く呼吸を 短く吐く呼吸をすることで、力を抜きやすくなります。 もうすぐ赤ちゃんに会えると思って 回旋が正常に進んでいれば、頭が出たあとは、すぐに肩から体全体がスムーズに出てきます。

ステップ5 赤ちゃんの肩が出てきてお誕生!

赤ちゃんの頭が出たら、体の力を抜きましょう。赤ちゃんが出た数分後に、弱い子宮収縮(後陣痛)が起こり、胎盤がはがれて外に出てきますその後、出血の量や、子宮内に胎盤や卵膜が残っていないかを確認し、会陰切開をした場合は縫合などの処置を行います。 psk2015042811

ステップ6 赤ちゃん誕生後、母体の経過をみる時期

胎盤がはがれ出てお産が終了する時間帯を「分娩第Ⅲ期」と呼びます。 ★平均的な時間:初産婦10~30分、経産婦10~20分

産後2時間ぐらいは分娩室で 安静にして経過を見ます

子宮の収縮が悪いことによる大量出血や、それに伴う血圧の低下、貧血など、万が一のトラブルに備え、産後2時間程度は分娩室で経過を観察します。子宮の収縮が悪い場合は、子宮収縮剤を投与することも。 psk2015042810 赤ちゃんもママに会うために頑張って狭い産道を通ってくるんですね。そう思うと、陣痛の不安も少しだけやわらぎそう!? なかなか難しいことではありますが、陣痛の痛みを「赤ちゃんに会うためのもの」とポジティブにとらえることができたらいいですね。

お話/成城木下病院 理事長  木下勝之先生 慶應義塾大学卒業。東京大学医学博士。日本産婦人科医会会長。順天堂大学医学部産婦人科前主任教授、客員教授。専門は産婦人科一般、婦人科腫瘍、周産期学、不妊症など。 イラスト/ハセガワ・アヤ 出典:Pre-mo(プレモ)2015年春号「スルッと安産シート」 ※情報は掲載時のものです 

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