離乳食「手づかみ食べ」のメニューや調理のポイントは?いつまで必要?

 専門家監修
公開日:2015/02/05
更新日:2019/09/19
離乳食「手づかみ食べ」のメニューや調理のポイントは?いつまで必要?
監修
上田玲子先生
帝京科学大学教育人間学部教授 栄養学博士

ママにとっては少し困ることもある「手づかみ食べ」ですが、赤ちゃんの脳や身体、心の発達のためにはたいせつなステップ。手づかみ食べのメリットやポイント、レシピまで、盛りだくさんでご紹介します。育児誌「Baby-mo」のママアンケートからは、「手づかみ食べがよいとはわかっていても、どうすればいいのかよくわからない」という声も。ポイントをまとめてみました。

赤ちゃんの発達上必要な「手づかみ食べ」

手づかみ食べはとても汚れるので、ママにとっては内心「させたくない」ことかもしれませんが、赤ちゃんの発達上、「させない」ということはまず無理です。ママは「汚れるのはイヤ」という気持ちを出してもいいのですが、赤ちゃんに無理を強要するのはよくありません。お互いがストレスなくできる範囲を決めて、楽しく手づかみ食べができる環境を整えましょう。

手づかみ食べの進め方

赤ちゃんが握りやすい形・かたさに

おにぎりや野菜スティックなどの赤ちゃんが握りやすい形が◎。それぞれの時期に合ったかたさにすることもたいせつです。

汁けを少なくして、汚れを最小限にする工夫

おかゆや汁ものなど、周りがビチャビチャになりやすいメニューは、量を少なくしてラクにあと片づけができるようにしましょう。

赤ちゃんの好みや好きな素材を上手に利用

赤ちゃんが好んで食べるものを食べやすいように工夫して。赤ちゃんの好きな味を使うと意欲も倍増します。

調理のポイント

調理のポイントは「巻く・スティックにする・はさむ・焼き固める・丸める」です

フライパンでホットケーキをやくイラスト

いつものおにぎりを焼きおにぎりに、ごはんをつぶして五平もち風に。いろいろ混ぜて焼くおやきも◎。鶏ささ身は細く切ってスティック、たたいて肉だんごに。パンケーキをクレープ状に焼き、ベビーフードのペーストをぬっても。

手づかみ食べを進めるときのルールは?

ママがルールを決めて境界線を

赤ちゃんは、生活習慣のさまざまなことを遊びながら覚えていきます。それは、食事についても同じです。遊びとの区別はないので、ママが境界線を決めるとよいでしょう。たとえば、生活のリズムをつけたいなら「1回の食事は20分」と決める、「口に入れている間は食事、入れなくなったら食事は終わり」とするなど、わが家のルールを決めて。

手づかみ食べと遊び食べの境界線

手づかみ食べに関する読者ママの質問もたくさんあります。多かった質問にお答えしていきましょう。

手づかみ食べをすると、スプーンを使うことに抵抗を感じない?

今後スプーンを使うことに抵抗を感じることはないので、安心して。手づかみすることで物を持つ力がつくので、かえってスプーンを持つ練習にもなります。

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スプーンを使うようになったら、もう手づかみ食べは禁止したほうがいい?

スプーンを使い始めても、手づかみ食べはしばらくします。ママは「スプーンもあるね」と促してもよいですが、手づかみ食べを禁止することはしないで。

外食のときも手づかみ食べをさせた方がいい?

外食では他人への配慮が必要なので、手づかみ食べをさせなくてもかまいません。とはいっても、月齢が高く自分で食べたがる場合は、汚さない程度にさせてあげましょう。

赤ちゃんせんべいやボーロなどのお菓子も、手づかみ食べと考えていいの?

手づかみ食べは食事で、と決まっているわけではありません。お菓子でも、果物でも、手で持って食べられるものであれば、手づかみ食べと考えてOKです。

いつまで手づかみ食べをさせればいいのでしょうか?

2才をピークに3才ごろに減ってきますが、発達の一段階なので、やめさせるというものではありません。手づかみ食べをしっかりすることが、次のステップにつながると考えて。

手づかみ食べのおすすめメニュー(読者ママ発)

生後9~11カ月ごろ(カミカミ期)、生後1才~1才6カ月ごろ(パクパク期)、それぞれの代表ベビーの手づかみ食べの様子をご紹介します。ママがよく作るメニューには、上田玲子先生からアドバイスをいただきました。ぜひ参考にしてくださいね!

バナナチップ(生後9~11カ月ごろ)

バナナチップ(生後9~11カ月ごろ)

なかなか食べてくれないときは、私が食べて「おいしい」という顔をすると、七瑚も興味津津で口に運んでいます。よく作るのはバナナチップ。トースターで焼いて粉ミルクをかけたり、便秘ぎみのときはオリゴ糖をかけたりします。【Nちゃん(9カ月)のママ】

 <先生からのアドバイス>

バナナチップは手軽にできて持ちやすく、添加物などもないので、間食としておすすめです。体調などによって、いろいろアレンジして工夫しているところが◎ですね!(上田先生)

蒸しパン(生後9~11カ月ごろ)

蒸しパン(生後9~11カ月ごろ)

7カ月ごろ、赤ちゃんせんべいを渡したら食べました。最初は必死で握っていたのが、だんだん口いっぱいにほおばるように。持ち運びにも便利なので、ホットケーキミックスにミックスベジタブルなどを入れて蒸しパンをよく作ります。【Kちゃん(11カ月)のママ】

 <先生からのアドバイス>

手軽に作れ、手で持ちやすいメニューでよいですね。にんじんフレークは○ですが、ミックスベジタブルは誤嚥に注意が必要なので、目の届くところで食べさせましょう。(上田先生)

ホットケーキ(生後1才~1才6カ月ごろ)

ホットケーキ(生後1才~1才6カ月ごろ)

子ども用のおせんべいをあげたのがきっかけでした。最初は食べ物を手の端でつかんだりして、口に運ぶのもやっとでしたが、今は指先2本でつまめるように。最近は、ホットケーキを両手に持って交互に食べたりしています。【Yちゃん(1才)のママ】

 <先生からのアドバイス> 

ホットケーキはほどよい甘さで、赤ちゃんも大好き。持つ意欲も育つでしょう。野菜も入れるとなお○です。大きさ、厚さは◎。歯ぐきでかむ練習もしっかりできますね。(上田先生)

豆腐や肉じゃがのお焼き(生後1才~1才6カ月ごろ)

豆腐や肉じゃがのお焼き(生後1才~1才6カ月ごろ)

カミカミ期のころ、自分から食べ物に手を伸ばすようになったので、豆腐のお焼き風や、いちご、パンなどを手づかみさせるようになりました。肉じゃがなど、具がゴロゴロしたメニューもつかみやすいようです。【Hくん(1才5カ月)のママ】

<先生からのアドバイス> 

豆腐のお焼きはつかみ食べを始めたころにぴったり。口に入れすぎるのも学習ですが、大人が見守って。ミニトマトは皮をむきましょう。肉じゃがをそのままよりお焼きが◎です。(上田先生)

手づかみ食べが始まる前(初期&中期)に気をつけること

手づかみ食べする赤ちゃん

食器を引っぱったりしても止めないで

ゴックン期やモグモグ期の赤ちゃんは、食器を持って自分のほうへ引き寄せることがありますが、これは手づかみ食べへの第一歩。「ダメ!」と言わずにやらせてあげると、赤ちゃんは食べることに積極的になります。ただし、ママがイライラしていると赤ちゃんに伝わるので、この場合も無理をしないで許容範囲を決めるようにするといいでしょう。

上田玲子先生・写真

■監修/帝京科学大学こども学部児童教育学科教授 上田玲子先生 小児栄養学の第一人者として活躍するかたわら、トランスコウプ総合研究所取締役として栄養コーチングの手法を開発。 『よくわかる離乳食』(主婦の友社)など著書多数。 イラスト/村崎有子 出典:Baby-mo (ベビモ) ※情報は掲載時のものです

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監修
上田玲子先生
帝京科学大学教育人間学部教授 栄養学博士
栄養学博士・管理栄養士。小児栄養学の第一人者として活躍するかたわら、トランスコウプ総合研究所取締役として栄養コーチングの手法を開発。日本栄養改善学会評議員や日本小児栄養研究会運営委員なども務める。『はじめてママ&パパの離乳食』『離乳食大全科』(主婦の友社)など監修書多数。

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